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130.GRAUND DIVINE

心斎橋から電車に揺られること、約6分。

目的地でもある梅田駅へ到着した未佳達は、早速、他の道沿いにある店屋などには目もくれず、狙いのGRAUND DIVINEへの入り口へと向かって行った。

GRAUND DIVINEには、東・西・駅前と、全部で3つの出入り口がある。

今回はそもそも未佳達の進行方向が梅田駅からであったため、一番人の出入りの多い駅前口からの入店である。


中へと入ってみると、1階は婦人バッグやシューズ、軽めのファッション小物などを取り扱う専門ブランドが軒を連ね、多くの来店客を引き寄せていた。

ちょうど3月の頭ということもあり、店内の装飾や商品のデザイン等は、心なしか春イメージのものが目に付く。

特に桜の花びら柄や、若葉をイメージさせるような黄緑色の小物などはこの階の大半の店舗を占める形で見受けられた。


「もうすっかり春ね~・・・。まあ豊洲でも桜が咲いてたくらいだし、当たり前かぁ・・・」

〔未佳さんはそういうの買わないの?〕

「う~ん・・・・・・・・・。惹かれるのがあったら買うかな♪ でも今はとりあえず・・・! お母さんのが先」

〔ふ~ん・・・・・・。あっ・・・。ところでお母さんに何買ってあげる気なの? 未佳さん・・・〕


確かに、いくら『5万円代で買えるもの』と一くくりに言ってみても、それに該当する品物は多数考えられる。

その選ぶ場所が高級ブランド店と言っても、5万円も出せばそれなりの代物もいくつか購入できるだろう。

そんな中で、ただ何もイメージせずに店内を物色し品を探すというのは、些か時間と労力を無駄に費やす行為でないかと思う。


〔まさか何も考えずに買いにやってきたわけじゃないよね?〕

「いや・・・。最初は好きそうなフロアに行って決めようかなぁ~って思ってたんだけど・・・・・・。ちょっと来る途中に思い付いたのがあったから、それを買ってあげようかなって」

〔何?〕

「ん? ・・・天然パール」

〔て、てんねん・・・ぱぁる・・・?〕

「うん。ソレのネックレスとか、イヤリングとか・・・。あっ、リオ『淡水パール』って、もの分かる??」

〔ま、まあ・・・。何となく・・・〕


『淡水パール』とは、その名の通り淡水で生活するイケチョウガイなどから作られる、天然真珠のことである。

淡水真珠には、貝から取り出したままのイビツな形のものや、加工によって美しい丸い形にされたもの。

成分によって淡い黄色に染まったものや、薄紫色に染まったものなど、その模様は様々。


また淡水以外にも、海水で生活するアコヤガイやマベガイなどから採取された真珠も、その多くは天然パールと呼ばれる。

中でもクロチョウガイから取れる黒真珠や、ピンク貝から取れるコンクパール、別名ピンクパールなどは、古くから最高級品真珠とされてきた。


そんな天然真珠を使ったアクセサリーを、未佳は母への誕生日プレゼントにしたいのだという。

実はそれには、こんなワケがあったのだ。


「お母さんね。前々からずっと『真珠のネックレスが欲しい!』って言ってたの。でもお父さんそういうのよく分かんないし・・・。お母さんも、もう昔みたいにデパート行かなくなっちゃったから」

〔持ってないの? 真珠のネックレス・・・。いくら『高い』って言っても、さすがに一つぐらいは持ってるんじゃ・・・〕

「生憎・・・。実家うちにあるのは安物真珠なの・・・。天然ものはないのよ」

〔あぁ~・・・〕


要するに未佳の母親が持っているものは、人工的に作られた、通称『貝パール』と呼ばれているもの、ということだ。

そもそも真珠は、真珠を作る貝の中に、土台とも言える薄っぺらい貝殻に似た成分の核板を入れ、それを長い時間を掛けて、貝が不純物などの成分を塗り重ねていくことにより形成される。

貝によって真珠の形や色などが大きく変わるのは、この不純物の成分によるためだ。

また先ほど述べた最高級品のピンクパールは、この人工核板が入れられないものが多いため、半分以上は完全な天然ものとなるためである。


一方この『貝パール』と呼ばれるものは、アコヤガイなどと同じく人工の核板を使用し、そこに、人工的に作り出された貝の成分と似た塗料を幾重にも塗り重ねて真珠元を作り、最後に職人の手作業によって磨き上げられた真珠のこと。

もちろんこちらも、一つの真珠を作り出す際での手間隙に関しては変わりないが、貝から作り出されたものよりはかなり値が下がる。

ある意味庶民的には手を出しやすい価格の真珠ではあるが、大事な席の場などでは、少々使用しがたいところ。


特に現在60歳目前ともなっている母親には、この先色々な場面で使用する機会が増えるかもしれない。

現に今、自分もその位置の一人に立っている。


「だから買ってあげようと思って・・・。どうせなら、ネックレスの他にイヤリングとかのセットになってるものの方がいいでしょ?」

〔あぁ~。一式揃えるってことね〕

「そう。・・・いくら天然真珠で2セットだとしても、5万円超えるほどはしないだろうから。・・・・・・するのかな・・・?」


ちなみに今回未佳が購入しようと考えているのは、どのような場所でも身に付けられるような、白くて丸い普通のタイプの天然真珠だ。

珠の大きさやデザインなどに関しては、現物をいくつか確認した後に決める予定である。


〔でもパッと見・・・・・・。この階じゃなさそうだね〕

「結構ジュエリー系は1階に集中しやすそうなんだけど・・・・・・。ここは2階なのかしら」


そう思い上りエスカレーターの近くに設置されていたフロア案内を見てみると、どうやら2階がその手のフロアであるらしい。


「2階だ・・・。よしっ」

〔? 『よしっ』?〕

「じゃあ2階上がる前に1階見ちゃお♪」



ズルッ!!



〔ぉ、おいっ! お母さんのが先じゃなかったのかよ!! ・・・・・・・・・聞いてないし・・・〕


リオの呼び声を無視していたのか、それとも聞こえていなかったのか。

どちらにしろ、リオをその場に置いたままスタスタと向かって行ってしまったのは、1階の約半分以上を占めているシューズ売場であった。

ちなみにここだけの話、未佳の自宅にはブーツが5足、サンダルが3足、その他スニーカー系の運動靴が2足ほどある。


「う~ん・・・・・・・・・」

〔別に靴なんて今困ってないじゃん。また買うの?〕

「だって新作とか気になるじゃない。・・・・・・あっ」


ふっといくつもの靴が並べられている棚を物色しながら、未佳は気になった1足をそっと手に取る。

未佳が手にしたのは、ライトブラウンカラーが目を惹くヒールパンプスであった。

しかも春物商品であったのか、靴の中地は薄黄色の布が使われ、桜の花柄が付けられている。


「う~ん・・・。ちょ~っと私には可愛すぎるかな・・・? このデザイン・・・」

〔パンプス?〕

「そっ。春はね、ブーツがない代わりにパンプスのシーズンなの。私パンプス1足も持ってないから・・・。手頃で履けそうなのがあったらと思って・・・」


しかし一度履いて試してみると、デザインの可愛さとは別に足首辺りが当たる感じがし、履いてからたった2、3歩ほどで、そのパンプスは棚へと戻されてしまった。


「10100円・・・。でも履いてすぐに『痛い』って感じる靴はダメね・・・。当たり前だけど・・・」

〔あんな感じのが欲しいの?〕

「ん? あぁ~・・・・・・。そうね。ピンヒールみたいな尖った感じのやつでなければ・・・。あと、あんまりこんなトコじゃ無いとは思うけど、合成革とかエナメルとかも没」

〔何故?〕

「合成は色落ちと蒸れがヒドイの。私前にその手の買って実感した・・・。エナメルは破けたり割れたりするからダメ。・・・見た目もちょっとちゃっちいしね」

〔ふ~ん・・・。色とかは?〕

「ブラウン系かぁ~・・・。もしくは黒。・・・でもその辺は見て決める。デザインも含めてね?」

〔うぅ~ん・・・・・・・・・・・・! アレとかは?〕

「ん?」


ふっとリオが指差したのは、棚ではなく靴を置くための透明なプラスチック台に乗せられていた、茶褐色系ヒールパンプス。

デザイン的には少し前に流行った、様々な色に染まった布を継ぎ接ぎに繕ったようなもので、先ほどのライトブラウンのような色の他に、ダークブラウン・ブラック・カーキなど、パッと見で4,5色ほどのカラーが見受けられた。

牛革製であるのか、靴全体の生地には独特のテカりがあったが、それ以上にその展示の仕方が何処そとなく怪しい。


「デザイン的には好きだけど・・・・・・。こういうのってスッゴイ高いんじゃ・・・」

〔とりあえず近くで見て履いてみたら?〕

「・・・・・・・・・」


確かに『履いてみる分までは別にいいだろう』と思い、未佳は先ほどよりも背伸びしながら、その靴を手に取ってみる。

履いてみると、先ほどのような足に当たる感じは特になく、思いの外よく足に馴染んでいた。

おまけに履いたばかりであることも多少はあるだろうが、かなり歩きやすい。


「あっ! コレいい♪♪ ヒールなのに全然踵に負担感じないもん! しかもめっちゃ歩きやすい!」

〔へぇ~。・・・いいところの靴なのかな?〕

「えぇ~っと・・・。ブランドはー・・・・・・。4・・・South・・・。ん?! ちょっと待って! 『4South』・・・!?」

〔? どしたの??〕

「『4South』って・・・! 革靴の超高級ブランドメーカーじゃない!! ・・・ってことはこの靴っ・・・!」


もはやブランド名のみで予期できた話ではあったのだが、一応気になった未佳は靴の履き口にぶら下がっていた値札をめくってみる。

表示されていた金額は予想通り、後ろの丸が一つだけ多い。


「えっと、8千、違うっ・・・。8万・・・780円・・・・・・。コレで80780円ッ?!」

〔『コレで』って・・・、未佳さんそれなりに気に入ってたじゃん〕

「うわぁ~・・・。次元が違うわ。次元が・・・」


『私には一生無い無い』と最後にブツブツ呟きながら、未佳は靴を元あった場所へと戻す。

これだけの金額を出すのであれば、もっと他のものに出したいものだ。


「もっと普通のでいいんだけどなぁ~・・・。普通にちょっとオシャレな感じのパンプスで・・・」

〔そういう人は普通にデパートじゃない?〕

「まあそれはそうなんだけど・・・・・・・・・。ぁっ・・・」


ふっと、先ほど同様、靴が並べられている棚を見つめていた未佳は、ちょうど自分の目線と同じ位置に置かれていたパンプスに目を止めた。


視界に止まったパンプスは、ライトではなく普通のブラウンカラーで、ヒールも今までのと同じ5センチほどの厚めヒール。

とりわけデザインも一般的なパンプスに近く、唯一決め手となっている部分と言えば、微かに履き口から見える、赤のタータンチェック柄の中地ぐらいだろうか。

ある意味意識していなければ確実に見過ごしてしまいそうなそんなパンプスに、未佳はそっと手を伸ばす。


中に書かれているメーカーブランドは、まるで聞いたことのない名前。

値札の方に書かれている値段も9098円と、これまでのパンプスに比べてかなりの破格だ。

赤タータンが用いられていることなども考えると、もしかしたら冬モデルのものであったのかもしれない。

その証拠と言えるかどうかは分からないが、値札には元値を書き替えたような跡が見られた。


(今月にオープンしたばっかりなのに・・・。冬モデルのなんか売ってたんだ・・・)


とりあえず『物は試し』と履いてみると、意外なほどに足の馴染みに関しては悪くはなかった。

履き心地的には、少々『パンプス』というよりは『ブーティー』を履いているのに近い感覚だろうか。

特に歩いてみても痛みや締め付けを感じるような箇所はない。


ただ、問題はその見た目の印象だ。


「どう? リオ・・・。履いた感じはすっごくいいんだけど・・・」

〔『どう?』って聞かれても・・・〕

「なんか印象とか、感想とか」

〔・・・・・・でも今まで未佳さんが履いてたのよりはフツーな感じだよ? 特にデザインが可愛いわけでも、凝ってるわけでもないし・・・。あえて言うんなら『シンプル』かな〕

「そう・・・・・・・・・」


ある意味『包み隠さない』と言うか『思ったことはすぐに言い放つ』と言うか。

少しばかり遠慮もしてほしいとは思いつつも、こうしてハッキリと告げる辺りがリオらしいなと、未佳はふっと笑いながら思った。


その後、そのリオの発言が理由であったのかどうかは分からないが、未佳はそのパンプスも特に購入しようとはせず、元の棚へと戻してしまった。


〔あれ? 結局買わないの??〕

「うん。ちょっと見たかっただけだし・・・。やっぱり他のトコも見てから決めようって。・・・さっ。そろそろ2階に行こ?」


一応一通りの気になる箇所は見回ったらしく、未佳は周りに気付かれぬように右手を『おいで』の仕種に動かす。

そこからほぼ一直線上にある上りエスカレーターを目指し歩き出した、その時。


「坂井? ・・・坂井やないか?!」

「えっ・・・?」

〔ん?〕


ふっと背後から聞こえてきたその声に、二人はゆっくりと声のした方を振り返ってみる。

するとそこには、リオにとってはまったく見覚えのないスーツ姿の男性が、こちらに小走りで向かってくるところであった。


男性の顔立ちは『爽やか系』と言うべきか『イケメン系』と言うべきか。

とにかく目鼻の位置や髪形などがキレイに調った感じで、女性からは一目で好印象を持たれるような雰囲気がした。

おまけに体型も細身で、身長も厘とほぼ同じくらいはある。

上下セットになっているスーツを着ている点や、胸に止めている名札、首からボールペンを下げているところからすると、どうもここの従業員のようだ。


そして、何よりも一番にリオが気付いたことは、その男性のおおよその年齢。

顔立ちから予想するに、この男性は未佳と差ほど変わらない歳のように思えた。

とするならば、自ずとこの男性が未佳とどういう関係なのか、大体の見当はつく。


「えっ・・・? ・・・優輝くん・・・? もしかして優輝ゆうきくん??」

「あっ、やっぱり坂井だ! せやせや、俺! 芹澤。芹澤優輝!」

「!! アハッ! 久しぶり~っ!! 何年ぶりやろ~?? 卒業して以来ちゃう?!」


『卒業』という単語を聞いて、リオの『予想』は『確信』へと変わった。

何処の時期なのかまではまだ分からないが、やはり未佳の学生時代の同級生であるらしい。

おまけに懐かしさのあまり口調の縛りも吹っ切れたのか、会話がモロに関西弁だ。


「聞いたで~? 今バンド組んで歌手やってるんやろ?!」

「遅いぃ~っ!! ・・・もうじき10年目やのに、最近知ったん?」

「いやいやっ。聞いたのはうんっと前やったけどな?」

「ふ~ん・・・。ひょっとしてここで働いてるん??」

「ん? あぁ。今メンズ用のリクルートスーツやとか、背広やとか、ネクタイとか・・・。そういうのの売り場受け持ってんねん」

「えっ!? スゴ~イ♪♪ 水泳部エースのチャランポランが出世したやん!!」

「『チャランポラン』・・・。若干15年ぶりに聞いたわ。そのあだ名・・・」

「ハハハッ」


『15年ぶり』ということは、あの大阪公演の時に出会った由利菜や綺花達と同じ、高校時代の友人なのだろうか。

そんなことをリオが思っていると、ふっとその『芹澤』と名乗った男性の右手に視線を移した未佳は『あれ』と呟く。


「もしかして・・・・・・優輝くん、結婚したん? その指輪・・・」

「えっ?」

「それ・・・ペアリングで有名なやつじゃ・・・」

「あっ、あぁ、まあ・・・。『結婚』やなくて『婚約』の方ー・・・やけどな?」

「えぇ!? あめでと~う♪♪ 相手は誰? 誰??」

「えっ?! えぇ~っとぉ~・・・・・・。ファッション関係やってる・・・人やけど?」

「うわぁ~・・・。これまた女子力高そ~う・・・」

「そう言う坂井の方はどうなん? ええ感じの男とかおらへんのか?」

「えっ・・・」


正直、それは何とも言いにくい内容の話だ。

そもそも未佳達の事務所では、アーティスト側での恋愛・結婚等は、契約上全面禁止となっている。

原因はどうも過去のアーティストが起こしたトラブルによるためだそうなのだが、その関係もあり、未佳達はそう言ったものには一切関われない。


ちなみに事務所に入る前からの結婚、もしくは事務所退職引退後からの恋愛・結婚等に関しては、契約違反には値しないことになっている。


「ゴメン・・・・・・。私の事務所ー、そういうの無しなの・・・。全面禁止だから・・・」

「えっ!? 嘘やん! ・・・そんな坂井別に、アイドルなわけやないのにか?!」

「う、うん・・・。決まり・・・やから・・・・・・。引退・退職したら、いつでもOKなんやけど」

「ほなこと言うてたら坂井・・・。あっちゅう間に40間近のおばちゃんになってまうで? 冗談抜きに・・・」

「そ、そうだね・・・。でも私、今普通に音楽活動できてるだけで、それでええから」

「あ・・・、相変わらず辛抱強いなぁ~。坂井・・・。高校ん時とちっとも変ってないで?」

「アハハハ」

「ま、まあええわ・・・。ほんなら坂井、またな。あんまり仕事無理すんなや~」

「ん~! ありがとう、優輝くん。またね~♪♪」


どうやら彼には任されていた仕事用件があったらしく、芹澤はそう言って手を振ると、スタッフ用扉の奥へと消えて行ってしまった。


残された未佳も、芹澤が扉の中へ入ったのを見届けると、再びエスカレーターの方へと向き直る。

そんな未佳に、リオは未佳のエスカレーターの段の隣に立ちながら話し掛けた。


〔今の人・・・高校の同級生?〕

「そっ。芹澤優輝くん。高校2年と3年の時、クラス一緒だったの。水泳が上手くて、水泳部の部長やってたぐらい」

〔ふ~ん・・・・・・・・・。なんか妙に話弾んでたね〕

「だって久々だったんだもん。15年ぶり? ・・・だよね。それくらい・・・」

〔本当にソレだけ?〕

「・・・えっ? 何? どゆこと??」

〔もしかして未佳さ~ん・・・。昔、“コレ”だったとか?〕


そう何ともいやらしい顔をしながら尋ねてくるリオに、未佳は半分冷ややかな表情を浮かべ返す。


「あなたそういうの誰から・・・」

〔そうなの? 当たってる??〕

「なワケないでしょ!? 単なる高校時代の同級生!! おまけにもうじき結婚するし・・・!」

〔でもその割には仲良さそうだったけど?〕

「アレは学生時代にワケあって一緒にいることが多かったからよ!! 言っとくけど私、あんな熱血キャラは全然タイプじゃないからねぇ~?! 好みの人間には悪いけど・・・!!」

〔ソコでそんなキレなくても・・・〕

「第一アイツ・・・・・・綺花の元カレだし・・・」



・・・・・・・・・・・・。



〔・・・エ゛ッ!?〕

「もぉ~う・・・。あの当時泣いて頼むから、私が代わりにラブレター渡してあげたのに・・・。あの二人ったら2年後には破局ってんだもん・・・」

〔どっちがっ!? どっちが泣いて、らっ・・・! ラブレター頼んだの?!〕

「そんなの綺花の方に決まってんでしょ!!」


そんなことを狭いエスカレーターの段差でギャアギャア言い合いながら、二人は2階のジュエリーフロアへと向かうのだった。


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『180回目の朝明けに・・・』挿絵第2弾UP&130話突波記念!

   作者:歌音黒 & 作中登場者:リオ の

       ☆インタビューコーナー☆


歌音黒:

「どうも~! 『180回目の朝明けに・・・』作者の歌音黒で~す♪♪(^^)」


リオ:

「作品内にて出させていただいております! 『謎の少年』こと、リオでーす!」


歌音黒・リオ:

「「Yeah~!!(ハイテンション)」」


歌音黒:

「って、ちょっと待て(ーー゛)」


リオ

「はい・・・(苦笑)」


歌音黒:

「・・・『はい』じゃねぇだろ?」


リオ:

「(笑)」


歌音黒:

「ごめん。なんでコレ(インタビュー)やってんの?(爆)」


リオ:

「・・・えっ?(・・・苦笑)」


歌音黒:

「いや『えっ?』じゃなくて・・・(ーー゛) 確か前回さ。『200話目にやる』っていう話になったよね??」


リオ:

「ま、まあそうですね・・・」


歌音黒:

「何故に今回やってんの??(爆)」


リオ:

「いや、もうそれはタイトルの方にもあるじゃないですか\(^0^;) “挿絵イラスト第2弾UP記念!!”(ジャジャーン!) 1弾目は逃したんでね? 機会を・・・(苦笑)」


歌音黒:

「だけ?」


リオ:

「えぇっと、あとはー・・・。あっ! ちょうど今回のお話で、130話目突破いたしました! この小説は99話で100話なんでね?(確認) それもあります」


歌音黒:

「他には? ・・・たぶん一番の理由が出てないよね?(睨)」


リオ:

「・・・・・・・・・もう少し出たかったからです・・・(赤裸々)」


歌音黒:

「最初に素直にハッキリとそう言えばよかったっしょ~?!(説教)」


リオ:

「~っっっ!!(汗)」


歌音黒:

「前回ので味を占めてしまった??(笑)」


リオ:

「・・・少々(苦笑)」


歌音黒:

「少々? 嘘吐け!!(爆)」


リオ:

「(笑)」


歌音黒:

「明らかにめっちゃ味占めとるやん!!(キッパリ)」


リオ:

「(・・・苦笑) えぇ~っと・・・(笑) まあインタビューの方に入る前に・・・。前回のこの、インタビューコーナーから、早8ヶ月ほどが・・・経過しました(早)」


歌音黒:

「早いね。・・・もうそんな?(驚)」


リオ:

「はい、経ってます。で、ですねぇ~・・・。その間歌音黒さんのプライベートではどのようなことがあったのか・・・。少し僭越ながら、僕の方から入手した情報で話させていただこうかと思います」


歌音黒:

「はいはい」


リオ:

「まずですね。・・・『歌音黒』さんと言えば“あのアーティストの方々”が一番に脳裏を過る話なのですが(笑) 今年の3月・・・来月ですね? 来月に最後のアルバムライヴツアー映像を会場で上映するという『フィルムコンサート』なるものが行われるらしいのですが・・・。歌音黒さん、こちらは?」


歌音黒:

「もちろん行きます(即答) もうチケットも購入して・・・当選も確定です」


リオ:

「さすがです。抜かりないですね(ビシッ)」


歌音黒:

「何の話だよ(笑)」


リオ:

「(笑) ちなみにこちらは東京と大阪で行われるそうですが、歌音黒さん両方だそうで・・・。旅費結構来ませんか?(爆)」


歌音黒:

「ソコッ?!(驚)」


リオ:

「(笑)」


歌音黒:

「ソコ聞くんだ(笑) ・・・違う質問で構えてたわ(苦笑) はいはい、まあ・・・。掛かると言えば掛かるけど・・・頑張って今貯めてます(爆) 家の手伝いとか、出来るだけ料理作ったり」


リオ:

「相変わらずおこずかい制ですか?」


歌音黒:

「結構バカにできない・・・。だって5日で1000円以上は貰えるもん」


リオ:

「おぉ~っ! じゃあ頑張れば1ヶ月6000円とか?」


歌音黒:

「行く時はー・・・・・・行くかな? うん」


リオ:

「なるほど・・・。話戻りますけど、コレは『GARNET CROW最後のイベント』とも言われてるんですよね?」


歌音黒:

「そう。でもメンバーはやってこないから・・・これはある意味、ガネファンさんとの最後の顔合せに近くなるかもしれない。もちろんこの先も顔を合わせる機会のある方達もいるけど、そうでない人も多いと思うし・・・。そういう意味では、大切な最後のイベントかな・・・?」


リオ:

「そうですか。・・・・・・あとですねぇ~・・・、ちょっと僕の方から入ってきた情報なんですけれども・・・。歌音黒さんと大阪の方でご一緒される方についての内容はよろしいですか?」


歌音黒:

「(失笑) えっ・・・?(汗) ソレどっから仕入れた情報?!(苦笑)」


リオ:

「ちょっとソースについてはお話できません(爆)」


歌音黒:

「なんで?!(爆笑) ダメ! NG! NG!!(拒否)」


リオ:

「ダメですか?」


歌音黒:

「作者NG!!」


リオ:

「『作者NG』?!(爆)」


歌音黒:

「(爆笑)」


リオ:

「いつの間に『作者NG』なんて単語使える立場になったんですか?(笑)」


歌音黒:

「(大爆笑) ソレ言ったらリオこそ・・・! アンタ『僭越』とか『ソース』とか何処で覚えてきたの?!(笑)」


リオ:

「(笑)」


歌音黒:

「ウチ吹き込んだ覚えないんだけど?!(爆)」


リオ:

「(爆笑) ・・・じゃあまあ、この内容については話さないでいただきたいと?」


歌音黒:

「そう。NG!! ダメ!!(禁止)」


リオ:

「そうですか(残念) 分かりました。・・・・・・現在4ヶ月目だそうです(しれっ)」


歌音黒:

「ちょっ・・・! オイッ!!(怒)」


リオ:

「(笑)」


歌音黒:

「言った! 言った!!(爆) コイツ今言った!!(爆)」


リオ:

「(笑) ・・・それからですね、あともう一つ。これは特にmixi関係の方から得た情報なんですが」


歌音黒:

「ハイハイ、何~?(苛)」


リオ:

「(・・・苦笑) 歌音黒さん、最近・・・なんかある漫画に異常にハマり出したそうで」


歌音黒:

「あっ!(思出) ・・・そうなの。ちょっと最近ね」


リオ:

「ちなみに何という漫画で?(尋)」


歌音黒:

「あのね。『黒執事』っていう漫画なんだけど」


リオ:

「ハイハイハイハイ!(理解) 前月でしたっけ? 実写公開しましたよね?」


歌音黒:

「あっ、映画は見てない(苦笑)」


リオ:

「映画は見てない?(orz)」


歌音黒:

「映画はちょっと・・・設定が違い過ぎるのと好きなキャラが出てこないから見てないんだけど・・・。つい最近原画展東京で見に行って、そっから一気にね」


リオ:

「火が点いたと?」


歌音黒:

「そう。いやね? 元々好きな漫画ではあったの。アニメも全シリーズ見てたし、漫画も一部ながらも買ってたし・・・。ただ・・・自分の中で思いっきりハマってる感じにはならなかったの。その当時は」


リオ:

「あっ。つまり『好き』ではあったけど『覚醒』はしてなかったんだ?」


歌音黒:

「そうそう。だったんだけど、原画展見に行ってから『ガラッ!』って変わって・・・。もう枢やなさんの画力もヤバイなと・・・(圧巻) 今じゃ漫画全巻揃えたし・・・。ハマるにハマってミュージカルDVDやら画集やら買ってるからね?(爆) あとね。大阪の方の原画展も足運ぶ予定(※あくまで予定)」


リオ:

「いやでも意外・・・。ガネ一筋だったあなたが漫画の」


歌音黒:

「いやいやいやいやいや!!(遮) リオ、あのね? 私『二次元』と『三次元』は別に考えてる人間だから(キッパリ) 『黒執事』と『GARNET CROW』は違う!!(否定)」


リオ:

「・・・・・・・・・仮にそうだとしても『怪盗キッド』とは二股ってことですよね??」


歌音黒:

「(爆笑)」←(撃沈)


リオ:

「アレはどう考えても『二次元』ですよ?(笑) ちなみに『黒執事』一番好きなキャラは?(問)」


歌音黒:

「・・・・・・セバス・・・(※セバスチャン・ミカエリス)」


リオ:

「こともあろうに主役だし!(笑) こりゃキッド様負けたな(爆)」


歌音黒:

「(撃沈)」


リオ:

「しかも歌音黒さんってこれまで・・・漫画でハマったの『名探偵コナン(まじっく快斗)』と『デスノート』と『黒執事』だけらしいですよ?(爆) 何気に小中学生男子が出しゃばってる系の漫画が好きらしいですよ?!(爆)」


歌音黒:

「!! ホントだぁ~っ!!(気付)」

(名探偵コナン:江戸川コナン デスノート:メロ&ニア 黒執事:シエル・ファントムハイヴ)


リオ:

「しかも何気に僕もその一人という・・・(180回目の朝明けに・・・)」


歌音黒:

「全然気付かなかった・・・(笑) ・・・・・・ところでコレ本題行けるの?(尋)」


リオ:

「行きましょう! 話し過ぎた!!(失態)」


歌音黒:

「(笑)」


リオ:

「えぇ~・・・(苦笑) 本題の『挿絵イラスト』の件なのですが、ざっと現在こちらのお話で、歌音黒さん作の挿絵が入っております」

・第0話『終わりと始まり』 New

・第12話『3月の病人』

・第18話『カフェでのこと』 New

・第33話『追憶の屋上』

・第84話『そこで何してる!!』

・第88話『長い一日の終わり』 New

・第96話『Go For It!!』

・第99話『車窓の外から見えたもの』 New

・第104話『さとっちのデコメ画像』

・第105話『移動中の最中で』 New


リオ:

「『New』となっているのが第2弾でUPされたものなのですが・・・。こちらのイラストは歌音黒さんが描いてらっしゃるんですよね?」


歌音黒:

「はい。大学の図書館とか、カフェとかで。その都度思い付いた描写で描いているので、話の順番もバラバラ。場面もバラバラなんです(笑)」


リオ:

「どのようにして描いてるんですか?」


歌音黒:

「すっごいアナログ! ・・・まず普通のスケッチブックに下書きを描いて・・・。その線をボールペンでなぞった後に、プリンターで印刷。今度はその印刷した用紙の裏をシャーペンとか鉛筆で黒く塗って、本番用のケント紙にトレーシング。トレーシングペーパーと違って、描き写した線を消しゴムですぐ消せるから、そっち使ってる・・・。そんでトレーシングした線をボールペンで丁寧になぞって、ネオピコっていうカラーマーカーで塗ってくの。最後にパソコンに取り込んで、はみ出たトコとかゴミとかを消して、投稿!」


リオ:

「結構な作業ですね」


歌音黒:

「うん。・・・でもやってる方としては楽しい。だから続く」


リオ:

「なるほど。ちなみにこちらに投稿した挿絵の中で、気に入ってるものとかって、あったり?」


歌音黒:

「あんまり自分の絵だから、正直どれも・・・(汗) ただ、自分の中で『上手くいったかな?』って思ってるのは『追憶の屋上』」


リオ:

「おぉ~・・・。一番グロいやつですか(爆)」


歌音黒:

「別にそういうわけじゃ・・・(苦笑) ただこの飛沫血痕に関しては、わざと色水散らした跡とかをトレースして、結構色々と凝ったよ? あとはみかっぺの眼球が、もう少し驚いてる感出せればよかったんだけど・・・(^_^;) なかなかね」


リオ:

「なるほど。逆に一番苦労したのとかは?」


歌音黒:

「『カフェでのこと』かな? とにかくパソコンの手直し工程が長くって~・・・(汗) 軽く3週間ぐらい掛かった(orz) それでこの出来(爆)」


リオ:

「いやいや・・・(-_-;) あと一部の方から『3月の病人』の挿絵に色々とツッコミ点があると聞いたんですけど・・・。まあ僕も見てて思うところは(爆)」


歌音黒:

「コレはねぇ・・・。もうねぇ・・・。遊んだ(爆) 特にポスターね?(笑) あれ写実も構成も似てるし、おまけに『ing』って描いてあるから『「flying」やん!』ってなりそうになるトコとか(笑)」


リオ:

「えっ? ならないの??」


歌音黒:

「だってあれ『Timing』だもん(笑)」


リオ:

「あぁっ!(笑)」


歌音黒:

「あと『広辞苑』さんの自己主張とか、CDとか、飾ってあるオブジェとかね?(笑) ギターケースの置き場所も酷いもんだけど(笑)」


リオ:

「アレ一応ご自分が描かれているんですが??(爆)」


歌音黒:

「(笑) でもそんなツッコミどころの箇所は他の絵の中にもソコソコありますので、機会があったら是非チェックしてみてください♪(^^)」


リオ:

「はい(^_^) ・・・では少々お話も長くなったので、この辺りで閉めようかと思います」


歌音黒:

「コレまた近々やる気でしょ?(ーー゛)」


リオ:

「・・・・・・・・・どうする?(苦笑)」


歌音黒:

「せめて今度は『50話記念』とか『連載開始3周年記念』とかにして(爆)」


リオ:

「はい、検討させていただきます・・・(ボソッ)」


歌音黒:

「はい。・・・それでは!」


歌音黒・リオ:

「「I’ll be back!!」」



(※本日はお二人のトークが長引いてしまった関係により『後書きコント』は延期といたします)


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