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11.大雨のあと

〔未佳さん! 起きてよ! 仕事の時間!!〕

「ふぁ・・・?」


3月を迎えたこの日、未佳は初めてリオに起こされた。

リオと共に生活し始めて、早5日目。

こんな風にリオに起こされるのは初めてだ。


しかし、肝心の未佳の意識は、まだ眠りの中。

『これでもか』とリオが体を左右に揺するが、まったくベッドから起きる気配がない。


実はあのあと、未佳はリオと同じベッドで仮眠を取ってしまい、そして起きた後にまた作曲作業を行っていたのだ。

それも、眠くならないのをいいことにかなり遅くまで。


そのツケがこれだ。

リオは呆れつつ、目覚まし時計のベルを未佳の耳元で聞かせる。

するとここでようやく、未佳がもそりっと起き上がった。


「も~う・・・。もう少し眠らせてよ・・・。今日は少し遅めなんだから・・・」


昨日栗野から掛かってきた電話によれば、今日の仕事は2時40分からで、2時に栗野が迎えに来る予定になっている。

だからもう少し寝させてほしいというのが、今の未佳の希望だったのだが、リオは相変わらず未佳を起こすことを止めない。


むしろそればかりか、リオは未だに鳴り続ける目覚まし時計を乱暴に掴み、未佳にしっかりと見せつける。


〔今何時だと思ってるの? 未佳さん・・・〕

「えっ・・・? まだ8時05分じゃない・・・」

〔本当に8時05分?〕

「えぇ? だってその時計が差してる数字・・・」


と言いかけた未佳は、ふっと視界に映った目覚まし時計の針を慌てて見直す。


寝ぼけ眼で見てしまえば、確かに時計の針は8時05分を差しているように見える。

しかしよくよく見直してみれば、時計の長針と短針が示している数字が逆だ。


「えっ?・・・・・・!! ヤバイッ!!」


ようやく今の時刻が1時40分だと気付き、未佳は慌ててベッドから飛び起きた。

そんな未佳を見つめ、リオは重い溜息を吐く。


〔3回も鳴ってたのに・・・〕


リオが半分呆れながら言っている間に、未佳は服を着替え、バナナを一本口に頬張り、冷蔵庫に入れていたミルクティーで一気に流し込む。

完全に今までの中で一番マズイ朝食メニューだ。


〔一気食いに一気飲みって・・・。アーティストとは到底言えないね〕

「うふふぁい!(うるさい!)」

〔飲み込んでから喋りなよ・・・〕

「っ・・・! なんでもっと早くに起こしてくれないのよ!」

〔!! ・・・起こしたよ!!〕


そうこう言い合っている暇もあまりなく、未佳は歯を磨き終えると、素早くメイクをし、髪をお決まりのポニーテールにまとめる。

髪をまとめ終えると、未佳はカバンをガシッと掴んで、そのまま玄関へと走り出した。

リオの存在なんて、すっかり忘れてしまっている。


〔置いて行かないでよ!〕

「えぇっ!? ・・・もう! リオ、早く!!」

〔未佳さんが遅刻し掛かったんじゃん・・・〕


そう呟きながら、リオが慌ててドアを擦り抜けて外に出てみると、まるで叩き付けるかのような雨音が耳に響いた。

昨日の夜中が一番激しかったようだが、今もまったく軽い方とは言えない。


現に一足早く玄関から外の通路に出てきた未佳も、そのあまりにも高音な雨音に一瞬驚き、しばしその雨が降り注いでいる外を見つめた。


「しつこい雨ねぇ~・・・。昨日の夜中よりはマシだけど、でもまだしばらく降りそうね」

〔そうだね・・・〕

「リオ、昨日の夜中の雨音、気が付いた?」

〔窓が閉まってるのにあんなに音が響くんだもん。普通気付くよ〕

「・・・そうよね」


実際の話、この雨音も未佳が寝坊した原因の一つだ。

ただでさえ仮眠を取って眠れないというのに、この叩き付けるような雨音も聞こえてきていたおかげで、余計に眠れなかったのである。

そればかりか、逆にベランダにあるバラの植木鉢が割れやしないかと、そっちの心配に意識が向いてしまい、到底眠れるような状況ではなかった。


「家が音漏れしない設計になってるのに、そんな家の中にいて雨音が響くなんて、かなりのものよね」

〔きっと普通の家で暮らしてる人達は、昨日は余計に眠れなかったと思うよ〕

「そうね・・・。あっ、傘! 傘!」


未佳はそう言ってドアを再び開けると、玄関に置いてあった傘立ての中から、ピンク色の細めの傘を取り出した。

傘には焦げ茶色の色で、まるでレースのような模様が描かれている。

見るからに女性ものの傘だ。


〔傘忘れてたの?〕

「そうじゃなくて・・・。ほら。行き帰りは車だけど、降りて歩く時には使うかなぁ~って思ったから」

〔あぁ~・・・〕


二人はそのままエレベーターに乗り込み、いつも車がやってきていた1階へと向かう。

未佳達が1階に下りたのと、栗野が車の下に到着したのは、ほぼ同時だった。


「未佳さん、おはようございます」

「もう時間的に『こんにちわ』だけどね・・・」

「乗ってください。それにしても・・・、嫌な雨ですね~・・・。昨日の夜かなり五月蝿くて、少し寝不足気味なんですよ~・・・。未佳さんは?」

「同じく」


そう言ってる間にも、雨はまた一段と激しさを増した。

一応天気予報では、明日は晴れることになっているのだが、ここまで雨足が強いと逆に疑いたくなる。


大雨の中を走り出した車内で、再び栗野は雨音を聞きながら口を開いた。


「明日は晴れるといいですね・・・」

「えぇ・・・。みんなも事務所でそう言ってるんじゃないですか?」

「実は私、まだ今日事務所に行ってなくて・・・」


その栗野の意外な答えに、未佳は『えっ?』と聞き返す。

他のメンバー達が事務所に集まっているのだから、てっきり未佳は、栗野がそこから自宅にやってきたのだと思っていたのだ。


「実は優衣さんを病院に連れていってて、それからこっちに」

「優衣・・・。あぁっ! 小屋木こやき優衣ゆいさんね」


『小屋木優衣』とは『CARNELIAN・eyes』とほぼ同時期に入社した女性アーティストで、CARNELIANと同じくらいの人気があるシンガーアーティストだ。

また彼女のライヴなどで、未佳はコーラスを。

長谷川はサポートギターを。

厘は作詞提供を。

手神はキーボードを担当したりしたこともある女性だ。


ここまで人間が揃っていると違和感を感じるだろうが、実は『CARNELIAN・eyes』が結成したきっかけは、皆が彼女のライヴ演奏等に携わっていたから。

そこで初めて今のメンバー達と出会い、意気投合したのである。


「えっ・・・? 病院って? 彼女何かあったの?」

「実はライヴの練習中のひな壇で、階段を踏み外したんです。それで、右足首を軽く捻挫」

「えぇっ!! じゃあライヴは!? 大丈夫なの?」

「あっ、はい。ライヴ自体はまだ1ヶ月以上ありますし、それまでには確実に完治するそうなので・・・」


栗野の話によれば、小屋木は今年の4月に控えていたライヴに備え、時前に会場内を確認しようと出向いた際、実際に本番で上り下りを行う予定だったひな壇でバランスを崩し、上から落ちた時に右足を捻挫したとのこと。

落ちた理由は、間隔の狭いひな壇の階段をヒールの高い靴で降りたこと。

そして演出上の関係で、足元を見ないようにしていたためだ。

またその日の照明が暗かったことも、転倒した原因の一つだろうと予想された。


「でもひな壇降りる時は、絶対に前を見てないといけないし・・・。私なんか普通の階段から落ちてあれだったから、正直何とも言えないわね」

「ええ・・・。一応本番では、今回は段数の少ない小さなひな壇を使うことになったみたいですよ。まあ・・・、こんなことが起これば当然ですけど・・・」

「でもひな壇なんて、女性アーティストは特に上りたがるものでしょ? ・・・他人事っていうものじゃないわよね・・・」


実は『SAND』に所属するアーティスト達は、女性ヴォーカルが大半を占めているのである。

そのため当然、ライヴなどでひな壇を使いたがる女性ヴォーカル達も多い。


現に未佳も一度、過去のライヴでひな壇を使用したことがある。

あの時は、最初の方はワクワクドキドキ気分だったのだが、それらに完全に慣れてしまうと、今度はひな壇の注意事項などをスタッフ達などに散々言われ、あまりライヴでは気分良くひな壇を降りた記憶がない。

ようは、いい思い出がないのだ。


「それにしても・・・。雨しつこいわねぇ・・・」

「ええ。今頃長谷川さん、みんなにいじられてるんじゃないですか?」

「そうかもね~」


などと、未佳達が呑気に栗野と話していた。

その時だ。



ピリリリ・・・

ピリリリ・・・



「あれ?」

「携帯・・・?」


突然車内から、携帯の電子音が鳴り響いた。

普段栗野の携帯は、車のラジオ設定などの近くに取り付けられている携帯入れの中に入っている。


未佳は後ろの座席からその携帯入れを確認したが、栗野の白い携帯はピクリとも動かない。

でも電子音は鳴り続いている。


「未佳さんの携帯なんじゃ・・・」

「私の?」


そう栗野に言われ、未佳がカバンの中に手を突っ込んでみると、案の定、未佳の白い携帯がピカピカと光っていた。


「あっ・・・。私のだった。でも、誰? ・・・・・・手神さん・・・?」


二つ折りの携帯を開いてみれば、そこに映し出されていたのは『手神広人』の名前。

栗野を通してではなく、直接未佳に掛けてくるのは珍しかった。


「はい、もしもし? 坂井です」

『あ、坂井さん? 手神です』


電話に出てみると、やはり電話の相手は手神だった。

その後ろの方からは、微かに厘のキーボードの音が聞こえてくる。


「手神さん、どうかしたんですか?」

『実は・・・、長谷川くんがまだ事務所に来てないんだけど・・・。坂井さん。長谷川君と一緒にいる?』

「えっ? いいえ・・・。その前に『事務所に来てない』って、確か待ち合わせ時間・・・、いつもと同じ、朝の10時20分なんでしょ?! なんでこんな時間まで!」


あの何でもこなし、言われたことは全て素直にやり通す長谷川にしては、これは到底考えられない遅刻時間だった。

もちろん、長谷川がこんな時間になるまで遅刻したことは一度もない。

そればかりか、長谷川は遅刻すらめったにやらない人なのだ。


『だからこっちも「どうしたのかなぁ」って思って・・・』

「電車は? その・・・、何処かの駅で止まってるとか・・・」


長谷川の自宅は、事務所のある西長堀駅の隣り駅、西大橋駅の近く。

そのため、普段長谷川は電車一本でやってくるか、あるいは車の2パターンだ。

今日は昨日のような残業の予定はないので、おそらく交通ルートは電車で一駅の方だとは思う。

となると遅刻する原因として考えられるのは、長谷川が乗る予定の電車が止まっていること以外に考えられなかった。

だが・・・。


『ううん。電車は普通に動いてるし、遅れも何も起こってないんだって。それに長谷川くんなら、そうなった時は自分の車でやってくるか、あるいは電話を掛けてきてくれるはずなんだけど・・・。さっきから何回掛けてみても、コールが鳴るだけで・・・』


手神が言うには、朝10時半あたりからかれこれ6回ほど電話を掛けていたのだが、どれもコールが鳴ったまま繋がらないのだという。

先ほど厘も電話を掛けたらしいのだが、結局長谷川が出ることはなく、未佳なら何か情報を知っているのではないかと思い、電話を掛けたとのことだった。


(どうしたんだろう・・・)

『坂井さん、何か知ってる?』

「ううん、何も聞いてないけど・・・。あっ、なんなら私、さとっちの家に寄ってみます。寝坊だったら、家で欠伸掻いて寝てるだろうし・・・。見てきます」

『えっ!? 本当に? すみません、わざわざ・・・。じゃあ・・・、坂井さん、お願いします』

「あっ・・・、はーい。じゃあ、失礼しまーす」


未佳は手神との会話を終了すると、最後部座席から右腕を伸ばし、勝手に栗野の車のカーナビを、事務所設定から長谷川の自宅住所に切り替えた。

いきなり設定を変えられた栗野は、運転しながらただただ驚くばかり。


「ちょっ・・・、ちょっと、未佳さん!」

「さとっちの家に寄って。まだ事務所に来てないんだって。・・・ちょっと心配だから・・・」

「電話は?」

「出ないのよ。だからちょっと寄って」

「・・・分かりました」


栗野も、未佳の元に掛かってきた手神の電話の内容を悟ったらしく、すぐさまハンドルを左側へときり、長谷川の自宅の方へと向かった。

長谷川の自宅ルートは、途中までは未佳と同じ方角。

つまり、未佳が自宅から向かった方が、事務所から長谷川の自宅へ向かうよりも近いのだ。


しばし車に揺られること10分弱。

辺りに5階までしかないアパートが立ち並び始めた場所で、車は止まった。

未佳に続いてリオが車から降りてみると、目の前には白い5階建てのアパートが一つ、ひっそりと建っていた。


〔もしかして・・・、ここ?〕

「そう。これでも一応、外に楽器の騒音とかが漏れない造りにはなってるのよ」

〔未佳さんの家とはまるで違うね・・・〕

「それは余計・・・」


ふっと未佳は、アパートの真下にある駐車場の方に目を向けてみる。

もし長谷川が自宅にいるとすれば、ここに長谷川の黒いワンボックスカーが止めてあるはず。


だがいくら見渡してみても、長谷川のものらしき黒い車は何処にも見当たらなかった。

だが入れ違いになったようには思えないし、今更連絡もなしに事務所に向かったとも考え難い。

現に未佳の元に、手神や厘からの長谷川到着報告はきていなかった。


未佳は、車を止めて降りてきた栗野の元へと走り寄る。


「車がないのよ。何処にも・・・」

「でも、まだいないとは限りませんし・・・。確か4階でしたよね? 長谷川さんの自宅」

「はい。その階の・・・、右から3番目の部屋だったはず・・・」


半分曖昧とも取れる記録を頼りに、未佳と栗野、そしてリオはアパートの階段を上っていった。

このアパートには、面倒なことにエレベーターがない。

そのため、上り下りは全て階段なのだ。


4階に上り着くと、未佳達は通路を歩き進み、右から3番目のドアの前で立ち止まった。

上の方にある名札には、しっかりとマジックで『長谷川』と書かれている。


「ここ・・・、ですねぇ・・・」

「明かりは・・・、点いてないみたいね・・・」


部屋の明かりなどを確かめながら、栗野はとりあえずインターホンを1回押してみる。

『ピンポーン』というお決まりのコールが、3人の方にも大きめに鳴り響く。


「すみませーん! 未佳さんのマネージャーの栗野です! 長谷川さーん! 居ますかー?」

「もしもーし? さとっち? みかっぺだけど・・・。いるのー?」

『・・・・・・』

「もしもーし?! 長谷川さーん!?」

『・・・・・・』


いくら二人が呼び掛けてみても、部屋からの返事は一切返ってこない。

ただただ、静寂と沈黙だけが返ってくるだけだった。


「・・・これだけじゃ分からないから、部屋に入った方がいいかも・・・。栗野さん。さとっちの部屋の合鍵とかって・・・」

「あっ! 車の中のポーチに・・・。すぐ取ってきます!」

「あ、はい」


未佳の返事を聞いたのかどうかは分からないが、栗野は合い鍵を取るべく、大急ぎで階段を下りていった。

そんな栗野の背中を見送り終えた未佳は、ドアの前で腕を組みながら、ただただ部屋自体を睨み付ける。

その気になれば、今にもドアを蹴り破りそうだ。


「さとっち~!! いつまで家の中にいる気ぃ~!?」


もちろん、大声で問い掛けてみても返事はない。


今日は大事な仕事の時間を割いてまで、こんなところにやってきているのだ。

少しはこちらの苦労や迷惑も考えてほしい。

未佳はそう思いながら、またしてもイライラを募らせた。


「出てこないのなら・・・! 無理矢理このドアを開け」


未佳はそう言い掛けながら、徐にドアノブに手を掛ける。


すると微かに、ドアノブの方から『ガチャッ』という音が聞こえてきた。

何かの聴き間違いだと思った未佳が、下げたドアノブをゆっくりと手前の方に引いてみる。


するとドアは、未佳がドアノブを手前に引く早さに比例するかのように、ゆっくりと未佳の方へと動いた。

信じられないことに、長谷川の家の鍵が開いていたのである。

いつもならしっかりと閉まっているはずの、玄関のドアの鍵が。


「るわ・・・、よ・・・。・・・・・・えっ・・・? なんで開いてるの・・・」


少しだけ開いたドアを見つめ未佳は、ふっと疑い眼でリオの方へと首を向ける。

するとリオは、そんな未佳の顔を見返しながら、何度も首を横に振った。


〔僕・・・、開けてないよ〕


リオのその返事に、未佳は『ホントに?』と、口の動きだけで聞き返した。

だがリオの返事は変わらない。

やがてその回答が偽りでないと理解した未佳は、再びゆっくりとドアを引き開けた。


「さとっちぃー! 入るよぉー?」


中へ入ってみると、見覚えのある靴が目に飛び込んできた。

焦げ茶色の柄のないヒモ靴。

長谷川が普段履いている靴だ。

心なしか、少し濡れているようにも見える。

『ならば』と傘立ての方に視線を向けてみれば、傘立ての中ではなく、ズブ濡れのまま玄関に転がる紺色の傘が一つ・・・。


(家の中にいる・・・)


未佳は僅かながら、そう確信した。


『梅』

(2003年 3月)


※事務所 オフィス。


みかっぺ

「ねぇ♪ 見て! 見て! さとっちと二人で、梅の枝拾いしてきたのー♪(^_^)」


さとっち

「梅林のところに沢山落ちてたんですよ~(笑顔)」


「うわっ、すごーい!」


手神

「二人ともよく両手いっぱいに拾ってきましたねぇ(笑)」


栗野

「春らしいですし、何なら楽屋にでも活けましょうか」


「あっ、待って!!」


みかっぺ・さとっち・手神・栗野

「「「「えっ?」」」」


「さとっちの抱えてる枝・・・。一つだけ梅の花やないよ?」


さとっち

「えっ? ・・・あっ、もしかしてこの紅色のやつ?」


※ふっと、一本だけ花の色が違う枝を厘に見せるさとっち。


みかっぺ

「ほら~っ! やっぱりコレ梅じゃなかったじゃなーい!! だから私『違くない?』って言ったのに(ーー゛)」


さとっち

「だって『紅梅』っていうのもあるし・・・」


栗野

「ところでコレって・・・」


さとっち

「えっ? 種類分かるんですか?」


「うん。コレ手神さんみたいな名前の花なんやけど・・・」


手神

「?」


みかっぺ

「えっ? 何ていう名前なの?」


「ボケ(木瓜)」


バコッ!!(殴)


さとっち

「痛・・・っ!! ちょっ・・・、ちょっと手神さん! なんで僕が手神さんに殴られるんですか!(涙目)」


手神

「聞かずに状況読んで! 長谷川くん!!」



ま、まあ・・・、厘さんを殴るわけにもいかないしー・・・。

ここは拾ってきたさとっちが悪いということで(酷ぇー)


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