表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食堂店主vs転生者  作者: nekorovin2501


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/5

第2話:繰り返しの死と町の影

1. 店の裏での初対決

翌朝、カイルは「鉄の胃袋亭」の裏手に立っていた。町の朝市が賑わう中、露店から漂うパンの香りと、馬車の轟音が周囲を包む。裏手は狭い路地で、木箱が積まれ、猫がのんびり日向ぼっこをしている。

「よし……ガルドの奴、何を仕掛けてくるか……」

カイルは転生特典のスキル「無限適応」を思い浮かべた。少しずつ強くなるはずだ。昨日の一撃は見えなかったが、今日は違う。

ガルドが現れた。普段のエプロン姿ではなく、シンプルな革鎧を着込み、手には何もない。

「ルールは簡単だ。お前が俺に一撃入れるか、俺がお前を殺すまで。始めるぞ」

ガルドの言葉が終わると同時に、カイルは剣を抜いた。転生時のボーナス武器だ。

「いくぜ!」

カイルが突進する。剣を振り下ろすが、ガルドの体は風のように避け、手刀がカイルの首に触れた。

次の瞬間、カイルの視界が暗転した。


2. 二度目の復活と女神の忠告

「またかよ……」

カイルが目を開けると、女神の空間だった。

「ふふ、今日も瞬殺ね。ガルドさん、容赦ないわ」

女神が笑う。

「どうやって!? あいつ、動いてすらいなかったぞ!」

カイルは苛立つ。映像を見せられ、手刀が首筋を軽く撫でただけだと分かる。だが、それが致命傷だった。

「彼の技は『一触即死』。触れただけで生命力を奪うの。あなた、もっと基礎を鍛えないとね」

女神の言葉に、カイルは悔しがった。

「分かったよ……次は勝つ!」

光に包まれ、カイルは町の広場に戻った。


3. 町での情報収集

広場は朝の活気で満ちていた。商人たちが野菜を並べ、子供たちが追いかけっこをし、冒険者たちがクエストボードを眺めている。カイルは体を確かめ、近くの鍛冶屋へ向かった。

「オヤジ、ガルドの弱点知ってるか?」

鍛冶屋の親父はハンマーを止め、目を細めた。

「ガルドさんに弱点? ないよ。あの人は町の守護神みたいなもんだ。昔、魔王の軍が町を襲った時、一人で撃退したんだぜ」


次に、酒場「月影の休息所」で剣士に聞いた。

「ガルドさんの鍛錬? 聞いたことねえな。でも、最近店の裏で妙な音がするって噂だ。お前、絡んでんのか?」

剣士たちはカイルをからかいながらも、町の噂を教えてくれた。ガルドは引退した英雄で、静かな生活を望むが、才能ある者を見ると放っておけないらしい。

カイルは思った。「あいつ、俺を試してるのか?」


4. 二度目の挑戦と死

夕方、カイルは再び店の裏へ。ガルドは待っていた。

「良し来たな。

ガルドの内心では、昨日見た復活の光景が頭にあった。鍛え甲斐がある。だが、伝えるつもりはない。ただ、殺すだけだ。

カイルが剣を構える。今回は防御を固め、ガルドの動きを観察した。ガルドの拳が飛ぶ。避けた! だが、次の蹴りが腹に当たり、カイルは吹き飛んだ。

「ぐあっ……」

視界がぼやけ、死んだ。


5. 繰り返しの始まり

その日から、カイルの日常は変わった。朝にクエストをこなし、町で情報を集め、夕方にガルドと対決。そして死ぬ。復活後、女神に文句を言い、再挑戦。

三度目はガルドの拳をかわし、剣でかすめたが、反撃で首を折られた。

四度目は魔法を試したが、ガルドの気圧で潰された。

町の人々はカイルの姿を不思議がった。「あの新入り、毎日死にそうな顔してるな」

だが、カイルは気づき始めていた。体が軽くなり、動きが鋭くなる。「無限適応」が発動している。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ