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憑きづきし  作者: 金子よしふみ
第二章
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朝食の後

 朝食の後、両親は予定通り出かけ、祖父母も用があるといって外出してしまった。

 母に言った通り気だるさは残るものの、前日よりからはわずかばかり熱っぽさはないように感じられていた。祖父にきいてみたら葛根湯があったので、飲んでいた。

 自室にテーブルを用意し、入学予定の高校から春休みの課題として出された問題集にシャープペンを走らせた。頭を使うような設問を解く気にはなれなかったので、単純作業ができる数学の計算問題や国語の漢字の読み書きを進めた。

 気が付いて時計を見ると、一時間半ほどが経っていた。背伸びをしてから、休憩を取りに立ち上がった。

 居間に入る。チコはソファに座ってテレビを見ていた。志喜が言っておいたとおりに大人しくしていたのである。

「勉強、終わった?」

 チコは画面から視線を離さずに訊いてきた。

「あともう少し」

 志喜は答えながら冷蔵庫を開けた。スポーツドリンクはなかった。お茶やコーヒー、紅茶で一息という手もあったが、六畳の部屋でのストーブの威力のせいか、火照りを冷ますものが欲しかった。

「チコ、ジュース買いに行くか?」

「行く」 

 テレビを消して、立ち上がる。まるで術をしたような素早さだった。

「いいか、くれぐれも耳は出すんじゃないぞ」

「うん、分かった」

 部屋に戻り、コートに腕を通し、近くのスーパーに出かけた。日は照っていても、まだ風は前日と同じで寒かった。


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