表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】  作者: 星野林


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/91

鍋と3日目?終了

 広場に戻ると皆料理の準備を進めていた。


「金田と中園さん遅かったね」


 声をかけていたのは委員長の前園だった。


「川の上流の洞窟を探索してきた。髪と腕に着けているのは戦利品だ。後で詳しく話すわ」


「了解。お疲れだったね。今日は鍋が作れそうだよ」


「鍋?」


 見ると窯の上に亀の甲羅が乗っており、お腹の部分がくり抜かれ、中に食材がいろいろ入っていてグツグツと煮込まれていた。


「鍋と言っても出汁があるわけでも無いから美味しいとは限らないが、今できる食材を煮込んでいる形だ。これで湯煎ができるから内臓系も茹でて食べることができる」


「なるほど……どこに亀が居たんだ?」


「梶原さんと桑原が泳いで湖の真ん中にある島に行ってきたんだ。そこには沢山の亀みたいなモンスターが生息していたらしい。象亀くらい大きくカジキの様な角が生えていたし、攻撃すると電撃を放ってきたらしい。電気ウナギならぬ電気亀だな」


「2人は無事なの?」


「感電したらしいが麻痺のスキルを上げたら大丈夫になったらしい。あとは宝箱があって魔法のヘアバンドが20本入っていた」


「魔法のヘアバンド?」


「まぁ詳しくは後で話そう。煮詰め終わったみたいだから食べよう」


 俺と委員長が話していると豪炎寺が調理が終わったらしく、木製のお玉で木の器に鍋をよそい始めた。


「ほいよ、金やん……なんだ髪飾り着けて……似合ってるじゃねえか」


「やめろよ恥ずかしい……後で詳しく話すから許してくれよ」


 鍋の他にも今日は全員に1個の牛乳ココナッツにピンクバナナが配られた。


 恐竜討伐組はまた首長竜を討伐して鍋の具材に使われたらしい。


「いただきます」


 まずはスプーンでスープから飲む。


「んん、鶏ガラみたいな蛋白な出汁が出てるじゃん」


 牛乳ココナッツを少し入れたらしく、まろやかかつ首長竜の皮を炙ってから煮込んで出汁を取ったらしい。


 出汁が無いと言っときながら良いスープ作ってるじゃんか……流石豪炎寺だ。


 スープの具材は首長竜のモツと首長竜の皮、アク抜きした野草と湖の底に生えていた昆布の様な水草を少々……あと探索者組が見つけた里芋擬き少量ながらが入っていた。


 普通に普通に美味い……なんならこの世界に来て一番美味い料理かもしれない。


 フルーツも食べ終わり、皆木のコップにピンクバナナの種をすり潰したコーヒー擬きと牛乳ココナッツを割った飲み物を飲みながら今日の報告会を始める。


 まず委員長の班は5ポイントで取れる浮遊のスキルを取ったらしい。


 そのおかげで体を浮かせて高いところにあるココナッツを人数分以上に収穫できたのだとか。


「ただあくまで上に浮かんで緩やかに落ちる事のできるスキルだから空を飛び回る事は出来ない。それは浮遊の次の10ポイントで取れる飛行のスキルになってくるだろうし、風魔法を使えばより速く飛行することができると思う」


 委員長の話を聞いて飛行魔法を覚えておけばモンスターから逃げる時に空中に逃げれるし、空から一方的に土の塊を投げて攻撃できたりするなと思った。


 風魔法は置いておいて取っても良いかもしれない。


 前田先生と野村の班は戦闘をメインで行い、首長竜を集団で倒したり、動く木の伐採をしていたらしい。


 お陰で動く木の丸太の山ができていた。


 和田さん達女子組は糸紡ぎに苦戦したらしいが手芸部の子がスピンドルという木製の駒みたいな糸を紡ぐ道具を提案し、それを余っていた角材を加工して人数分作り、糸紡ぎすることに成功したらしい。


 ただ和田さんの班に参加していた8人の女子達でも半日かけて糸の束を40個作るのが限界だったらしい。


 それを更に編んで紐にして今後はエコバッグみたいな手さげカバンを作るのが目標なのだとか。


「フェルト(本来は羊毛等の毛を固めた物 今回はバロメッツの木綿で代用)も作れたから、紐を編んでバックの基礎の形を作って、フェルトで隙間を埋めれば木の実とかをもっと運べるようになると思うの。ただできてもマフラーとかが限界で、洋服とかを作ったりは出来ないって先に言っておく」


「それでも助かるよ! ありがとう!」


 委員長や前田先生が女子達を褒めると女子達は照れていた。


 続いて梶原さんと桑原の遠泳組で、亀の多く居た島で電気亀と戦ったことや宝箱があり、開いてみると魔法のヘアバンドが20本ほど入っていたらしい。


 見た目は色とりどりのヘアバンドで髪に結ぶと色ごとに効果が変わり、1本当たりステータス1種が50ほど上がるらしい。


 どれも着けると自然治癒(小)というスキルが増えるらしい。


 再生というスキルの下位互換に見えるが、着けておいて損は無いだろう。


 最後に俺と中園さんの番になり、バロメッツの群生地の奥の洞窟について説明する。


「進んでいくと更に広い地底湖のある場所に出て、新しい階層みたいになっていた。天井も10メートルくらいの高さにあり、洞窟の中という印象が強くなる。周りには光る苔が生えていて夜目というスキルを取っておけば暗くてよく見えないってのも回避できると思う」


 その階層にはゴーレムと機械人形がうろついていてゴーレムは石や土製で5メートル以上の大型の物から2メートルくらいの小さいのまでおり、頭が弱点と説明する。


 機械人形は瞳の宝石が弱点で、首をもぐか宝石をどうにかして外す事ができれば体が崩れると説明。


 そして4時間程度歩いた結果宝箱も2つ見つけることが出来たと説明した。


「宝箱からは腕輪が2つと髪飾りが5つ入っていて、髪飾りはさっき梶原さんと桑原が説明していた様に色で効果が変わる」


 そう言って俺は髪飾りと腕輪を目の前に並べた。


「あとは機械人形が持っていたミスリルと思われる金属出てきたカトラス、ゴーレムと機械人形の頭に入っていた宝石が戦利品だ」


 宝箱がそんなにあるなら地底湖のあるフロアで探索した方がレベルアップできるのではないかと声が上がる。


「戦利品なんだが腕輪だけ持っていちゃ駄目か? 俺も中園さんも気に入ってるんだけど」


 そう言うと周りは別に良いんじゃねという雰囲気になる。


 前田先生も


「金田君と中園さんが手に入れた戦利品なのでその一部を所有したいというのはごくごく自然。皆さんも食材を除いて欲しい物の自己保有は認めても良いとおもいますが」


 委員長も


「前田先生の言うように金田と中園さんも全ての戦利品を独占したいとかではなく、一部が欲しいだけなら僕も良いと思うんだけど……それにそのエリアで宝箱が多く見つかるなら他の人も宝箱を見つけるチャンスがあると思うんだよね。それでいちいち所有権で揉めるのも馬鹿馬鹿しくない?」


 と至極真っ当な事を言う。


 なので俺と中園さんは腕輪は保有して良いということになり、中園さんを見ると大切そうに腕輪を撫でているのであった。


 そして前田先生が


「今日戦ってみて分かったといいますか、金田君の話しを聞いた限り私達は今ダンジョンと呼ばれる空間の中に居る可能性が高いと判断しました。で、ダンジョンであれば出口が何処かに必ずあると思います」


「今日含めて3日探して更に地下に繋がる道がある可能性は低く、上を目指していかなければならないと思います」


「上に行けば金田君の言うような強い機械人形みたいなモンスターが出てきたりするかもしれないので全員戦える術を身に着けた方が良いと判断しました。なので最初は比較的安全な動く木で戦い方を模索し、慣れてきたら上の階層でゴーレムを倒せるようになりましょう。あと1人で戦う必要は無く、誰かと一緒に戦う様にしましょう」


 と方針を言われた。


 皆戦闘が出来るようになることと外に出ることだ。


 外があると思う理由はスキルにある異世界語の翻訳や聞き取り等の異世界の言語に関するスキルがあるということはそれを使う民族が居ると言うこと……ダンジョンの中に町があるのかもしれないが、上に行けば何かわかるかもしれないし、ダンジョンの外がある可能性が高いと判断した。


 俺はミルクコーヒーみたいな飲み物をグッと飲み干すと、戦闘が得意な野村達元運動部のメンバーにゴーレムの動きや機械人形と出会った時に注意する点を伝え、1日を終えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ