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領土を持たない系の渡邊帝国はアメリカ合衆国で外交上承認されるのか (5)

   シコルスキー・ボーイングSB-1デファイアント

   ダイカー・ビーチ・ゴルフ・コース高度一五〇メートル ブルックリン区 ニューヨーク市

   昭和一四(一九三九)年 七月一日


『渡邊帝国の皇帝が、ニューヨークを非公式に「親善訪問」する。そして、アメリカに、渡邊帝国を公式に国家として承認してもらうんだ。それから、渡邊帝国とアメリカで国交を結ぶ。ほら、どこにも穴はない』と、もう一人の光が、二〇二三年に言っていた。


「‥‥ゴルフボールよりも穴だらけな気もするけど。そのせいでまっすぐ飛ぶなら、それはそれでいいのか?」と、一九三九年の光は、誰にも繋がらない右手のスマートフォンを握りしめた。



 ガバナーズ・アイランドへの出発前に、光は、セセ-1の船尾付近で、何に乗るのか色々と比較検討した。


 最初に召喚したデファイアントは、二重反転のメイン・ローターではあるが、普通のヘリコプターの外見だった。


 次に召喚したベルV-280バローは、左右にメイン・ローターが二つもあるせいか、どうにも大きく感じられた。そして、ベル・ボーイングV-22オスプレイは、エンジンを垂直に立てていると蟹のように見えた。


 最終的に、デファイアント以外選択の余地はなかった。光には、スバルUH-2は選べなかった。


 召喚コストは一緒だったからだ。見た目で選んだことになる。



 光を乗せたヘリコプターは、セセ-1とガバナーズ・アイランドを最短距離で結ぶ飛行ルートを取っていた。右下に見えたゴルフ場にある池をあっという間に通り越して行く。左下には、隣接しているフォート・ハミルトンも見えた。


「この辺りに、殺人株式会(Murder,Inc)( .)があるのか‥‥」


 光は、右側のガラスに顔を押し付けるようにして、振り返るように、後ろへと流れていった海岸沿いを眺めた。大規模な道路工事中の線が、コニー・アイランドを抜けるように遠くまで蛇行していた。

 

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