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兵器とかの名称が全く決まらなかったのでめちゃくちゃ時間がかかりました。
結局良いのは思いつかずそのまま投稿することに・・・
クオンは咄嗟に手を突き出しジャストガードを成功させるとすぐさま自身を加速させ、レーダーの赤点へと向かう。
1キロはある距離をわずか一秒で詰めると、そこに居たのはミサイルポッドの付いた約5メートルのドローン一機のみであった。
クオンは勢いを殺すことなく双頭槍を構え斬り上げ、クルリと一回転し距離を取る。
ドローンは両断され、爆発を起こしパーツが落ちていく。
向かってくる欠片を槍で弾き飛ばし、爆発時の熱を感じて眉を顰める。
「熱?」
今まではどんなに熱源に近寄ったってダメージを受けるのみで熱を感じたことは無かった。そして、匂いや風が肌を撫でる感覚などゲームをやってきて微塵も感じたことの無かったものだ。
どんなにアップデートを重ねたところで実装されることの無い機能であり、どう考えてもおかしい。
ここで一つの仮説を立てる。
それは自分がゲームの世界に転移をしてしまったというものだ。
有り得ないとは解っていても、その仮説を否定することができない。
実は先程からログアウトを試そうとするが、メニュー画面が一切出てこない事等から可能性は高くないが、転移してしまったと言える。
そして、実は先程の二人に関して覚えがある。
それはゲームのチュートリアルで出てきた真っ先にやられてしまう兄妹と見た目や話し方などがそっくりなのだ。
そしてこのフィールドはチュートリアルの場所と同じである。
つまりは彼らのホームである航空戦艦が控えているはずだが確認することができないため、時系列で言えばチュートリアルの前なんだろうか。
そんなことを考えながら彼らの元へ戻ると、リンと呼ばれていた女性はまるで亡霊を見たかのように顔を蒼白させる。
彼女にジン兄と呼ばれていた男性はこちらをチラリと確認すると一言「良かった」とだけ言う。
「ひっ!お化け・・・!?」
それは酷くないか?とリンの言葉にクオンは心にダメージを負う。
まあ、彼らからしたらこの機体の性能あり得ないぐらい高いからさっきのミサイルで死んだのだと思ったのだろう。
「お化けじゃない。ちゃんと生きてる」
「そ、そう。それより気を付けて。レーダーに映らないけどミサイルを撃ってきた敵がまだ居るかもしれないから!」
リンと呼ばれていた女性はそう言って銃を構え、あたりを見渡している。
ジンは背中を預ける形で警戒しながら何処かに連絡を取っているようだった。
「それならもう倒した。でも貴方達のお仲間が取り逃がした敵はあの一機だけじゃない」
まあ、そもそもお仲間の殲滅部隊は全滅してるのだが。
「僕達の仲間って殲滅部隊の彼らの事かな?彼らが敵を取り逃がすとは思えないんだけど?そもそも、どうして君がそれを知っているの?」
ジンは構えを解き、こちらに向き直るとそう返す。
心なしか顔が強張っているようにも見える為、ジンはこちらをネメシスの手先と思っている可能性がある。クオンは言葉を間違えたかな?と冷や汗を流す。
様子を見守っていたリンはレーダーを確認するとバッと顔を上げ、勢いよくジンの方を向く。
「ジン兄!敵対反応多数確認!方位は南西5キロ地点よ!」
「この数は不味い!一旦母艦まで撤退しよう!クオン、君も来て」
ジンの言葉を無視しクオンもレーダーを確認すると直ぐ様レールガンを構え発砲。同時にフォトンレンザーによる薙ぎ払い攻撃も合わさる。
遠くに居るため一機だけだとゴマ粒のようだが、おそらく万は越えている為黒い帯のようになっている。その所々で爆発が発生し、敵対反応は次々と消滅していく。
その間にも敵は近付いてきており、姿がハッキリとわかるようになった。
敵は人型機械兵で、多数の銃器を装備した砲撃型、刃物を装備した近接型、細かく言えばもっと型はあるが、それらの背中には等しくスラスターがあり、高速で飛来してくる。
凡そ1キロまで近づいてきた当たりで攻撃を止め、レールガンを前に突き出すと持ち手を残してポリゴンとなり、集束。双頭槍が生成される。
体をかがめ前傾姿勢となると6対の翼が甲高い音を上げる。瞬間、目にも止まらぬ速さで加速したクオンは敵陣のど真ん中へ突っ込む。
人型機械兵がまるで池の鯉のように群がって来てクオンの視界を塞ぎ、太陽の光すら届かない位まで集まった。
それを薙ぎ払いながら突き進み、暫くすると開けた空間に出た。
そこは台風の目の様にポッカリと空いていて、巨大な目玉の様な球体が浮いている。
直径50メートル程はあり、全体的に黒く、赤い角膜のようなものが見受けられ、瞳孔の部分は穴が空いている。
時折機械音が鳴り響き、ゆっくりと前進している。
これが数多の機械兵を指揮するボス、『ネメシス』の内の一体、黒星である。
黒星のレンズがクオンを捉えるとが淡く赤く光り、マナがレンズの前へ集まっていく。
5秒もかからずに第二の太陽が生まれたかのような光が発生し、それと同時に赤黒く太い光線が放たれると人型機械兵が作り出した壁に命中する。
瞬間に途轍もない爆音、衝撃、熱が発生し、台風の雲の様に集まっていた人型機械兵は黒眼の後ろにいた一部を除いて破片すら残さずに蒸発していた。
クオンの姿もなく、遠くから見守っていたジンやリンのレーダーにも反応は消えていた。
ネーミングセンスをください
あと文才
黒星読みはそのまんまくろぼしです