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ぼくら  作者: 神田春希
4/5

no.4

 男は右手に何かの機械をもって、僕たちの腕にあるマイクロチップにかざした。


 ピピッという電子音が響き、部屋の中央辺りにあるモニターにデータが映し出される。


「グリーデルダ、45367G番を治療施設に」

「45215A、こいつは、カンデライ地区Rの8757Wだ。」


 男は次々とぼくらの行く先を決めていく。

 ――殺されるのでは、ないのか?

 



 ついにぼくの番になった。

 ぼくの左腕を無造作に掴むと、マイクロチップをスキャンして、男はモニターに目をやった。


「――おや――? 」


 首を傾げて、もう一度ぼくのマイクロチップをスキャンする。


「おかしいな」

 そう言うと彼は面倒くさそうに呟く。

「グリーデルダ。間違ってこいつを呼んだだろ」

「そ、そんなこト、ありませんヨ。

このリストに載ってルやつらヲつれてきたんですかラ……」

 グリーデルダは少し慌てて、胸のポケットから小さめの機械を取り出した。


「――ほラ。ご主人さマ。

54832Tって書いてありますシ」

 グリーデルダはそう言って、またひげをヒクヒクと動かす。


「おかしいな。――まぁいい。

54832Tは、元の場所に送り返しておけ」

 男はそう言うと、ぼくらの顔を一瞥して言う。

「おい、グリーデルダ。

こいつらは絶滅危惧種なんだからな。丁寧に扱えよ」

「わ、わかってますっテ。食ったりしませんかラ……」

 グリーデルダはそう言うと、ちらりとぼくを見た。


 ――その目は牙を抜かれた肉食獣のようで、ボクは背筋が凍った。

 ……ぼくを食べるつもりだったのか?


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