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ぼくら  作者: 神田春希
1/5

no.1

 ぼくらは、細く長い道をただひたすら歩いていた。

 特に行く当てもなく、ただただ、ひたすら歩く。

「もう、やめないか? 」

 誰かが言った。

「やめて、どうするの? 」

 もう一人が言う。


 ぼくらは、どうしていいのか分からなかった。

 今までは、只レールの上を何も考えずに進んでいればよかった。

 そう、何も考えずに。

 そして、その何も考えない生活が続いていたある日、

突如として、ぼくらのレールが無くなってしまった。


 ずいぶん長い間考えることをしなかったぼくらは、

考えるということが、出来なくなっていることに気が付いた。


 ぼくらは、アレにゆるゆると支配される生活にどっぷり浸かりすぎたのだ。

 ぼくらという存在は、とても空虚だった。

 大体にして、「ぼくら」ってなんだ?

 自分ってなんだ?

 とりあえず、生物学上での生き物だということは分かる。


 だが、それが何だかわからない。


 ぼくは急に『不安』というものに襲われた。

 多分、そうだと思う。

 不安なんて、数世代前の『ニンゲン』と言われていたぼくらの祖先が味わっていたものだ。

 ぼくらには、安らぎも、不安も、苦しみも、憎む、ということもない。


 完全に管理されていたからだ。


 そう。

 すべてにおいて。


 良いとか悪いとか、そんなことは分からないけど。

 とにかく、ぼくらは生まれるときからアレの管理下にある。



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