第3話~全体集会と宣戦布告~
俺達が、というか俺が体育館に入ったら一斉に視線をもらった。殺意、興味、警戒心と様々な感情を感じる。あんなニュースが出ればこうなるか。やはりもっと慎重にするべきだった、クラスメイトに迷惑かけるつもりはなかった...それは違うか俺達のエゴでこの学園の全員に喧嘩を売るのだから今以上に迷惑をかけてしまう。一海達はこういう目は慣れていると思うが他のみんなは居心地が悪いはずだ。
「あいつがAクラスの横溝倒した奴か」
「今年の1年は血気盛んだな」
「俺もやったるわ」
「殺す殺す殺す!!!!」
最後のはきっとさっき凍らした奴だな。全身包帯になって俺に呪詛を投げつけている。俺は気にせず前を見ていた
「荒川君ってすごいね」
前を見た瞬間に後ろの方からそう聞こえた。後ろは確か池林夏美だったか。
「な、何がだ?」
「だって実力が上のAクラスに喧嘩売れるんだもん。私だったら怖くてできないや」
「...そ、そうか」
「えぇ?その感じ、どうしたの?」
少し苦笑いで池林は俺を見てきた、すぐに弁明すればいいか?
「す、すまない、俺は少し人と話すのが苦手でな」
「え?でも宮川さん達には普通に喋ってたよね?」
「あいつらとは幼馴染なんだ。」
「あっ、だからね!これから1年一緒だし、下の名前で呼んでよ!私も戦兎君って呼ぶし!」
俺は思った、なんというコミュ力の高さだと、そういや美空達もこんな感じだったな、俺が一人でいるとあいつらはすぐに来てくれていた。
「よろしく頼む。夏美」
俺は後ろを向き握手をしようとした...
『こらぁ!!!そこの二人!!イチャイチャしてないでこっちを見やがれ!』
聞き覚えのある先生の声が大音量で聞こえたマイクに近づけすぎたのかキーーーンとなっていた
「「すいませんでしたぁぁ!!!」」
俺と夏美は謝った、そんなことがあったが何とか全体集会が始まった。まずは校歌を歌ってから、生徒会長の挨拶だった。生徒会長はすごい美人だった真紅の髪にきつめの猫目、そして何より何と言わんがでかい。
『生徒会長の峯山春香。皆様。本校武良忍学園に、ご入学。おめでとうごさいます。この学校は実力重視の学園であるにも関わらず、全国魔道大会では毎年ライバル校の不死川学園に負けている。今年こそは不死川学園を打ち負かし、武良忍学園を1位にしたいと思っている、それと今年の学年バトルを制した組には私から褒美をあげる事になっている。心して挑め、以上だ』
ん?一瞬俺の方を見たぞ。俺は別に生徒会長と知り合いではないはずだが?次は学園長の挨拶だ。……生徒会長と違って知り合いだから嫌な予感するが
『えぇーー私はこの学園の学園長の荒川静江だ。今から言うことは事実だ。さっき凍らしたバカがいる、その凍らしたバカとさっき女子おイチャイチャしていた男は同一人物でな。そこにいる間抜け面がその渦中の人物だ。そして私の息子で荒川戦兎というんだが...実は下剋上を考えているので気を付けるように』
……母さんがそう言った瞬間各方面から殺意やらなんやらが一斉に来た。何かを仕掛けてくると思っていた。朝ここに来る時ニヤついてたからな…あんのくそばばぁ。間抜け面っていうなよ
『くそばばぁ、と思ったお前に今日の夜特別訓練を行使するのでそのつもりでな』
「何でわかるんだよ!」
『私はお前の親だからだ』
「「「「クスクス」」」」
後ろから笑い声が聞こえた。クラスメイト達に笑われたじゃねぇか!たくっ、母さんといると調子が狂う
『では諸君。頑張りたまえ』
そう言って母さんは奥に入って行った。はぁ...まぁ母さんなりの激励か。俺は学園のシステムが嫌いなだけで学園そのものは嫌いじゃないここは姉さんや母さん、親父の母校だ。だからこそ俺は走りだした。
「先生」
「来たか、ほれ」
来ていたのを予測していたのか、マイクを渡された。
『さっき、学園長から紹介された者だ。』
俺が前に立つとGクラスを除いた奴ら全員が睨んできた女子も漏れなくな。俺は一瞬たじろいだが、気を引き締め、こう発言する
『まず、1年Gクラスの皆には謝っておく俺の個人的な理由でこの学園全員を敵に回すことになる。他のクラスに友達がいる者は本当にすまない。一緒に付いてきてくれる者は前に出てくれ』
これを言うのはクラスで言うつもりだった。だが学園長に焚きつけられて俺は止まれなって、ここで言うことになった。それにクラスの子にはきっと他のクラスに友人がいる。そいつらと敵対しろと今日初めて会ったやつに言われて、黙ってる奴なんていないと思ったからだ。だがクラスメイトの顔を見ると。
「私は気にしないわ。ここに入った時点で他のクラスは敵よ」
伊藤昌が前に立ち凛とした顔立ちでそう言った
「「うちらも!!」」
伊藤昌が前に立ったことで華原花林神原昴も前に立った。それに他のみんなもそうだった。思わず目柱に雫が上がりそうになった。男子のように盛り上げ立てて、調子に乗せることは簡単だ。女子はそうもいかないし、何より男子より人一倍大人だからヒカリから聞いた時は女子クラスで不安だったけど、前に立ってくれた一海も、美空も、大河も、ベルナデッタも、真夜も、ヒカリもな
『すまない、そしてありがとう。では…』
俺はマイクを外し、息を大きく吸い込み…
「我々1年Gクラスはこれより全生徒の敵になる蹴落としてやるからそのつもりで」
俺はマイクを先生に渡してからクラスメイト達と共に体育館から出て行った。これからが大変だ。
「上等だ!」
「叩き潰してくれる!」
俺達が出て行った、体育館はこれ位以上なく、騒がしくなっていた。
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「これは去年以上に面白くなりそうだ」
戦兎の宣戦布告を受け、体育館中が騒ぎ出したのを見て一人の少女…峯山春香は楽しく笑っていたのだった
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