Episode7 告白
俺は大きくため息を付き、肩を落とす。
俺はポケットに手を突っ込み、ある人物とのチャット欄を開く、そして『遅い、結月先輩はもう着いてるぞ』と打ち込みスマホを閉じる。
するとすぐさまピロピロっと俺のスマホがなる。
スマホを再度開きチャット欄を確認すると、『あと10分で着くから待ってて!』と打ち込まれていた。
結月先輩はこちらに視線を向けてニコっと笑
「まだ望結遅れるの?
遅れるんだったらちょっと飲み物とか買ってくるよ?」
気を利かせてなのかそう言ってくれる。
「自分は大丈夫ですけど、結月先輩なんか飲みたいんですか?」
「いや、そこまで何か飲みたいって訳じゃないんだけどね」
そう言うと顔を俯かせてしまう結月先輩。
俺はどうしていいか分からなくなりポリポリと額をかいていると
「ねぇ、私さ告白されたんだけどどーすれば良いかな?」
と衝撃の告白をされるが、別に珍しい事では無い、結月先輩は普通に可愛いの部類に入る人種だ。
だからこそ告白だの、恋愛だのそう言う事には近い方なのだろう。
逆に今こうやって陰キャと2人で遅刻してる野郎を待ってる方がよっぽどイレギュラーな状況だろう。
俺は少し頭を抱え
「その人の事が好きなら付き合えばいいし、好きじゃ無いなら付き合わないでいいんじゃ無いですか?」
「自分恋愛した事ないんでわかんないっすけど」
俺は視線を青い空へ向けてそうつぶやく
すると元気な声で
「ごめん待った〜?」
とこちらに手を振りながら走ってくる人影があった。
「遅いぞ」
遅刻してきた奴ははぁはぁと息を荒らげながら顔を俯かせている
「ちょ、タンマ、急いで来たから少し休憩
の、飲み物〜」
俺は憐れむような視線を望結に向けて
「それじゃあ俺飲み物買ってくるけど望結は何がいい?」
「お茶〜冷たい、キンッキンに冷えた麦茶〜」
「結月先輩は何かいります?」
と結月先輩に声をかけたのだが反応が無い。
俺は再度結月先輩の名前を呼ぶが反応は無い。
不審に思ったのか望結がこちらの方を向いて疑問符を浮かべている。
俺はため息を付き結月先輩に思いっきしデコピンをする。
俺のデコピンが効いたらしく額を抑えてん〜ん〜っと唸っている。
「それで、結月先輩は何か飲みますか?」
何事も無かったかのように告げる。
「ん〜まだおでこがピリピリする〜
ん〜っと望結と同じので
ってか私が行くよ、流一君に任せるのも悪いし」
「別に良いですよこんくらい、結月先輩は望結と先に回っててくれても良いですし、飲み物買ったら追いつくんで」
そういい俺は体を翻し、コンビニへ急ぐ。