Episode5 犯人
俺が教室に入ると皆の視線か俺に集まる
俺は大きなため息を付き授業担当の先生の前で
「すいません、保健室で色々ありました。
詳しい事は先生から聞いてください。」
そう言い、俺は自分の席につき授業の準備をする
クラスはザワついたまま一向に静かになる気配が無い
すると先生がパン!っと手を叩き一瞬で静かにさせてみせる。
先生はこちらを向き
「今から授業を一旦終了し、今朝のことに着いて議論する、異論はあはか?」
と少しドスの効いた声で生徒を黙らせる
「よし、異論は無いようだ、それでは始めよう」
そう言うと先生は今朝の写真を黒板に貼っていく
写真は計3枚入、全て俺と結月先輩が写っている
先生は皆の方を向き
「俺は面倒臭いのが苦手だ、だから皆には正直に言って欲しい。
何か心当たりがある奴がいるんじゃないか?」
当たり前だが、クラスは相変わらず静まり返ったまま、誰一人として声を出そうとしない。
先生は大きなため息をつくと
「分かったみんなの前では手をあげにくいよな、それじゃあ心当たりがある人は今日中に言ってくれ。」
そう言うと写真をしまいそそくさと教室を出ていってしまった
残されたクラスメイトはガヤガヤとしはじめる
俺はため息を付きカバンを持って教室を出て保健室へ向かう保健室には先生も戻ってきており俺は保健室の先生に
「すいません、今日は帰らせてもらいます。
担任には体調が優れないので帰っと伝えてください。お願いします」
とだけ言い残し俺は下駄箱まで向かう
すると
「流一くん!」
と背後から俺の名前を呼ぶ声が聞こえた
俺は後ろを振り向き安堵したように
「やっと出てきてくれたか犯人さん」
と言葉を零しその女に近づく
「えぇっと犯人ってなんの事ですか?」
と目線を右往左往させながらしらばっくれる女
「で、お前名前は?学年は?」
俺は目の前の女にそう問いかける
とびっくりした顔で
「まさか名前覚えられてなかったんですか?
流石陰キャクラスの事を全く把握していない···」
と訳の分からない事を言い出す
「私の名前は桜望結流一君と同じクラスの2年3組流一君と同じクラスだよ」
望結と名乗る女は俺と同じクラスだったらしい。
俺は喋った事も無ければ多分視界に入れて認知した事も無いだろう。
俺は1度深呼吸をして望結に
「お前が今朝の盗撮の犯人なのか?」
俺がそう聞くと望結は俯き無言を返す
「ん〜まぁ良いけどよ、俺は別に気にしてねぇし」
「何でそんなことやったのかも聞く気はねぇよ
こうして俺に着いてきたって事は悪い事したって自覚はあったんだろ?」
「まぁ結月先輩がどう言うかは知らねぇがな」
俺はくるりと後ろに振り返り
「そんじゃ俺帰るから、結月先輩なら保健室だ」
そう言い残し下駄箱へと足を進めようとするが
「ちょ、ちょっと待ってください」
と望結に制止させられ足を止める
「連絡先くらい教えてくれてもいいと思うんですけど」
そう言うと望結は携帯を取り出し俺の前へ突き出す。
俺ははぁっとため息を付きスマホを取りだし連絡先のIDを表示させ、望結に渡す。
望結はニコッと笑い俺からスマホを受け取りIDを入力する。
数秒後ピポーんっと音と共に望結が「出来た」
と発する
俺は望結からスマホを受け取りポケットに突っ込み
「それじゃ俺本当に帰るからな」
と言い再び下駄箱へ向かい歩き出すのだった