Episode2 友達の定義
俺は屋上で安定の1人飯をしていた。
すると屋上の扉がグギギっと音を立てながらゆっくりと開いた。
そこには昨日屋上で出会った女が立っていた。
彼女は1歩前へ出ると俺に気づいたのか俺の方を向きニコッと笑う。
俺は少し目を細め弁当へ視線を落とす。
彼女は俺と人2人分位離れたところに座り込む。
俺は昨日の事を聞こうと彼女の方に少し体を傾け話しかける
「あの、ちょっと質問いいですか?」
「ん?どーしたの?」
彼女もこちらに体を傾け応答する
「えぇっと昨日の昼どうして1人でここにいたんですか?」
昨日からずっと疑問に思っていた事を率直に聞くことにした。
すると彼女は少し困ったような顔をし俯くと
「ん〜ちょっと色々あってね」
濁すように答える。
俺は何かいけない事を聞いてしまったと思い
「なんかすいません」
申し訳無さに言葉を残し再び弁当に手をつける
すると重い空気を悟ったのか
「ねぇお互い自己紹介して無かったよね?
私は3年2組咲真結月よろしく」
唐突に自己紹介を始める結月
俺は慌てて合わせようと同じように自己紹介をする
「俺は2年3組冴島流一こちらこそよろしくお願いします。」
先輩だという事を初めて知って改めて敬語を使う俺に対し
「別に敬語じゃ無くてもいいよ」
っと敬語で話さなくて良いと許可してくれる
「それじゃあ学校以外で話す機会があればタメ語で行かせてもらいますね」
学校で先輩にタメ語を使ってるのを先生に見られと注意されるため、学校以外でタメ語を使うことにした。
「そうだ冴島くん」
「流一でいいですよ、どっちかと言うと咲真先輩の方が先輩なんですから」
「そう?じゃあ冴島?流一かな、あと咲真じゃ無くて結月の方がいいかな」
「分かりました、それで結月先輩何か言いかけてませんでした?」
俺が制止してしまい、話が途中で終わっていたのでその続きを再開させる
「そうだ、連絡先交換しない?」
そう言うと結月先輩は携帯を取り出し俺の方へと差し出す。
俺も同様に携帯を取り出し友達追加の画面に誘導する
ピロン!っと言う効果音と共に画面に結月っと名前が表示される。
俺は友達追加されたのを確認し携帯をしまう。
俺はともいた場所に戻り腰をおろす
結月も同時に腰をおろす。
結月はこちらの方をチラリと見ると
「友達ってさ何処からが友達なんだろう?
私って友達って言うのかな?
それとも先輩 後輩の関係のままなのか」
結月は瞳をウルウルトさせ俺に視線を合わせたまま質問をしてくる
俺は結月の表情と質問の内容に頭を抱えながらも
「友達ってのはお互いに必要として初めて友達って言うんじゃないですかね?
って友達がいない人が言うセリフじゃありませんね」
結月から視線を外しそう答える
そしてお昼休みが終わるまでの15分間俺と結月は一言も言葉を交わすことは無かった···