人間達の様子
「んぅ…ん?ここは……?」
「起きたか。お前にはいくつか質問したい事がある。まずは1つ、あの集落に何が……」
「お母様、ここは天国なのですか?それとお母様、その格好は少し、破廉恥というか……」
「黙れ。僕はお前の母では無い。人違いだ。そして僕の質問に答えろ。あの集落に何があった?」
「やはりお母様怒っていらっしゃるのですね……ごめんなさい。こんな出来損ないで……」
「あぁぁぁ!そーゆーのいいから!僕の!質問に!答えろぉぉぉぉ!」
「アケディア様!何か問題が!?」
「大丈夫ですかアケディア様!?」
ちょうど部下2人が戻って来る。
「う、うわああああ!悪魔だ!悪魔が来たよお母様!助けてえええ!」
「大丈夫だ。何も問題は無い。(2つの意味で)」
「そ、そうですか。その、アケディア様、その人間は……?」
「拾った。僕のだから食べちゃダメだよ?」
「承知致しました。しかし、その……少し馴れ馴れしいというか…」
「おい、そこの人間。アケディア様に近づきすぎだ。」
「ひっ、ひぃぃお母様あああ!」
2人が睨みつけると少年は抱きつきながら失神してしまった。というか、悪魔を見て即失神しない方がおかしいのだ。
「あー、気にしなくていいよ。それよりどうだった?人間の様子は。」
2人は少年の態度に納得はいかないものの調査の報告をする。
「はい。人間の勢力は3つに別れ、その内の2つが悪魔達を利用しているようです。」
「それでね、残る1つの勢力は何か特別な者を召喚しているみたいなんです。」
「特別な者?」
「はい。見た目は人間なのですが、恐ろしく魔素に適していて並大抵の悪魔以上に魔法が使えるようです。」
「ふーん。それで残り2つの勢力が躍起になって悪魔を使い、立場を均衡にしようとしてるのか。」
「はい、恐らく。」
「文化の方についてはね、その特別な者が特殊な技術をもたらしているみたいなんだ。」
「私達もこの目で見ましたが、理解は出来ず……役に立たず、申し訳ありません。」
「ふーむ。君たちでも理解出来ない技術か。そこの勢力ぶっ潰そうか。」
「ですが悪魔達は利用されたままになってしまいます。全ての人間を選別するしか……」
「むむむ…面倒臭いな。」
「お母様…お母様…」
少年は気絶しても怠惰の王を離さずにいる。
「あぁ、そうだ。ここに来る途中炎が見えただろう?」
「はい。」
「見ました。」
「そこで小競り合いが起きていたみたいなんだがどうも引っかかる点があってね。アルバ、調べてきてくれるかい?」
「承知致しました。」
「オルベは魔界に行って、調査の報告をしてきてくれ。」
「あいあいさー!」
「じゃあ僕は日向ぼっこするから。あとは頼んだよ。」
少年は離れないので仕方なく一緒に昼寝した。