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怠惰の王は努力する  作者: りとかく
5/10

少年との出会い

「ぐ、グラトニー。スコーン持って来たよ。」


「おお、心の友よ!やはり持つべきものは友だな!本当にありがとう!」


スコーンで大喜びする暴食の王。


何故か?

悪魔は食事の必要が無いため、魔界には食物は当然、菓子も無いのだ。なので地上の菓子類は嗜好品として貴重な物になっている。


(本当…羨ましい。軽々しく友なんて呼んでしまって。)


「じゃ、じゃあ僕はまた地上行ってくるから…皆に……よろ、よろしく。」


「もぐもぐ」


怠惰の王は枕を持って地上に現界する。



最初に目に飛び込んできたのは遠くで燃え盛っている炎だった。


「何だ…?」


怠惰の王は枕で浮きながら燃えている場所へゆっくりと向かう。


段々と見えてきたのは人間の小さな集落だった。


そこには戦ったのか血が飛び散り、武器は投げ捨てられ、死体は1箇所に集まって燃やされていた。


(何だ…ただの小競り合いか。

…しかし何故こんな貧相な場所で?武器は見る限り整えられている。都市からかなり離れている小さな集落に鍛治なんてあるだろうか。死体の数も多い。)


(そして周りに人間の気配も無い。

恐らく何かを隠蔽、保護していたが、見つかり殲滅されたのだろう。しかも迅速に。)


冷静に分析し始める怠惰の王。意外にも人間の事情にやたら詳しい。


(まぁ、僕には関係ないからほっとこ。)


ふよふよと拠点に戻っていく怠惰の王。部下の2人が怠惰の王が休憩できるように小屋を作ってくれていたのだ。本当に頼りになる部下である。


戻っていく途中、何か魔法で隠れている者を見つけた。


その魔法は稚拙で、頭を抱え込んで震えているのを怠惰の王には見えてしまっている。


(何だろアレ?意外と魂美味しそうだし食べちゃおうかな。)


怠惰の王は隠れていると思い込んでいる者をつつく。


「ひゃぁ!?もう許して!いい子にする!いい子にするからぁ!」


隠れていたのはまだ幼い白髪の少年だった。必死に怠惰の王から逃げようとしている。

が、コケてしまった。


「あぅ!うぅ…」


「あーあー、もう逃げられないねぇ?どうするの?」


「助けて…助けて…!誰か!」


そこで少年はやっと怠惰の王を見る。普通ならSANチェックの1つでも入るが


「僕が助けてあげるよ。恐怖か……」


「お母…様!お母様!会いたかったよぉ!」


「ぶべっ!」


格好良くセリフを決めようとしたが、少年から抱きしめてきて遮られてしまった。


「お母様…やっと迎えに来てくれたんだね…僕、頑張ったんだよ?でも逃げる事で精一杯で…最後は見つかっちゃって…僕は逃がされたけど結局…でもお母様と会えるならそれでいいや……」


「ちょ、ちょっと離れろ!服が汚れるだろ!」


「お母様…お母様…」


「このぉ、いい加減に……と気を失ったか。じゃあ、いただこうとするかな。」


怠惰の王は手をつけようとする。


が、まだ食べれていない。


(何故だろう…こいつは食べようとすると食欲が無くなる。それにさっき抱きついてきた時、僕は魔法を使って殺そうとしなかった。…しかもこいつ僕を見て発狂していないぞ。)


「……備蓄として持っていくか。」


これが怠惰の王と少年の出会いであった。

人間の魂の食べ方


・そのまま食べる。


・殺した後、魂が出てくるのでそれを食べる。


・あんなことやそんなことで搾り取る。


注意点


・殺す場合、魂が出てきてすぐ食べないと天か、地へ行ってしまう。


・老化や自害によって出てくる魂を食べても効果は無い。


・出てきた魂は魔素で保管できるが、時間が経つにつれ効力は少なくなり、3日経つと消滅してしまう。天界と魔界に居る魂は消滅しないので注意。




これが分かれば悪魔になってもすぐに格が上がるよ!やったね!

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