由々しき問題
「いや、ウチの悪魔共は賢いから俺関係なくね?とりあえず菓子くれよグラトニー。」
「なーに言ってんだ。俺の部下の方が賢いっての。てかグリードずるくね?俺にもくれよグラトニー。」
「お前らどっちもどっちだからな?悪いがこの菓子は全部俺が食べる。」
「「はぁ?」」
「やかましいな…私の菓子をくれてやるからそれでも食べて黙っていろ。」
「流石プライドだぜ。一言多いが優しいよなお前。」
「それな。俺もプライドみたいに器をでかくしたいわ。」
「お世辞はいい。黙って食え。」
「はーい。」
「へいへい。」
「俺も食べたい……」
「「「お前はもうあるだろうが!」」」
なんとも気の抜けた話をしている。会議とはなんなのか。
「お前ら少しは静かにしろ。喋るなら何か案を出せ。」
「悪魔共の頭を良くする方法なんてポンポン出てくる訳ないだろ?これでも考えてるっての。」
「そーだよ。そもそもなんであいつらを賢くしようとしてんだ?」
「それは私も気になっていた。説明してもらおうか。」
「そうだな。…ここ最近、悪魔達が人間の魂を持ってきていないのは知っているな?」
グラトニーを除く3人は頷く。
「実は人間共が上手く悪魔を騙しておるようでな。都合よく利用されているようだ。」
「それは…」
「ほーん…」
「許せないな。」
「美味いなこのラスクって菓子。」
悪魔は何も食べなくても空気に漂う魔素で生きていける。しかし人間の魂を食べる事で悪魔としての格が上がるのだ。その頂点がここにいる王達である。
「悪魔は人間の上に立つ者だ。人間が悪魔を上回ることがあってはならん。そこで今回の議題だ。」
「成程な。確かにそれは問題だ。」
「人間も賢くなったってことか。コレはぶちのめさないとなぁ?」
「同意見だ。私も出来る限り案を捻り出そう。」
怠惰の王が居なくても会議は進む……