その7 ダイエットについて思うこと
本当にどうでもいい話なんですが、先日母親がついにバナナを買ってきて、僕にこう宣言しました。
「お母さん、今回は本気だからね。」
そうです。ダイエットです。
早朝ジョギング、寒天、納豆、水を入れる軽いダンベル、レコーディング、ビリー、エドはるみ、鍋、サウナスーツ、ヨガ、家事をしながらでもできる3分くらいのエクササイズ、腹をありえないくらい振動させるベルトみたいな機械、玄米と何種類かの野菜でできたモソモソとした食感のビスケット…。
どれも長続きせず、時には一回試しただけでやめてしまうような母親が、ついに新ダイエットに挑戦です。まぁ、多分これも長続きしないような気がしますが。
そもそも、何でここまでダイエットに関するものって爆発的ヒットを飛ばすのでしょうか。
例えで挙げるならば、寒天とか納豆とか今回のバナナですかね。まぁ、納豆はあれかも知れませんけど。 これらの商品って、その効能が発見されて、メディアに取り上げられた翌日から突然市場から姿を消しましたよね。まるでオイルショックのときのトイレットペーパーみたいに。
寒天や納豆やバナナがあれよあれよと減っていく。スーパーの店長さんからしてみればガッツポーズものですよね。
でも、多分寒天からしてみればびっくりですよね。
日頃は多分こんな話をしていたに違いないでしょう。
「おい、増えるワカメの坊っちゃん。お前、ここに来てどれくらいになる?」
「えっ、俺ですか?そうですねー。2ヵ月くらいですかねー。」
「あぁ!?2ヵ月?甘いねぇー。まだまだ青二才だねぇー。」
「ハッ!?じゃあ、偉そうな口きいてるあんたは、ここに来てどれくらいになるんですか!」
「あ?俺か?そうだなぁ、俺はー。んー。確か1ってとこかなぁ。」
「ハ?1ヵ月ですか?そんなくせに偉そうな口を叩いてんじゃねぇよ!」
「…だよ。」
「ハ?もっと大きい声出さねぇと聞こえねぇよ!寒天じじぃ!!」
「…年だよ。」
「…えっ?も、もしかしてあんた…。」
「1年だよ。」
「い、1年!?あっ、あ…。」
「ねぇ、増えるワカメのお兄さん。これからどうかよろしくお願いしますねぇ。まずは、そのふてぶてしい態度をご講義願いますかねぇ。」
「ひっ!す、すいませんでした!や、やめてください。や、…ぎゃあー!!!」
…いやぁ。
恐いです。恐すぎます。
多分長年のご足労が寒天さんをこんなにも変えてしまったのでしょう。
でも、そんな寒天さんにもついに光が射したんです。
そう、あの一大ブームを巻き起こした『寒天ダイエット』です。いままでスーパーの隅っこに追いやられていたベテランが、ついに店頭のお立ち台に上り詰めるときが来たんです。
多分こんな感じの会話がなされていたんでしょう。
「みなさん、おはようございます!この度、こちらの〇〇スーパーに入店させて頂きました、寒天です!まだ右も左も分からぬ若造ですが、どうぞよろしくお願いします!」
「ケッ、よしてくれよ寒天さん。あんたみたいなスーパースターが俺等なんかが頭下げないでくださいよ。」
「そ、そんな事言わないで下さい。僕はあなたの活躍に憧れてこの店に入店したんです。」
「ふっ、よしてくれよ。俺の活躍なんざ、夏のシーズンで終わりよ。今の時期なんて温麺になるしか能のない、しがないただの素麺よ。」
「そ、そんな…。」
「ふっ、意外そうな顔だなぁ。だがなぁ坊主。俺は逃げるわけじゃあないぜ。来年の夏にはまた主役に返り咲いてみせようじゃあねぇか。それまでに腕を磨くしかねぇんだよ。」
「…。」 「ケッ、熱く語っちまったようだなぁ。おっと、寒天さんよ。もうご指名らしいぜ。」
「えっ…、あっ、はい。すいません、お先失礼します。」
「…おい、坊主。」
「あっ、はい。」
「…頑張れよ。」
「あ、ありがとうございます!!素麺さんと話せて、俺、本当に俺、光栄でした!俺、頑張ります!素麺さんみたいに頑張ります!本当にありがとうございました!!」
「ふっ、俺も、まだまだ頑張らなくちゃなぁ…。」
…いやぁ。
渋いです。
渋すぎます。
俺も素麺さんみたいな大人になりたいです。
あれっ、ところでこれって何の話でしたっけ?
そうそう、ダイエットの話です。
上で紹介したように、寒天さんの立場は劇的に変化しました。それで、今はどうかといえば、皆さん承知の通り、またまた苦労人のベテランさんに逆戻りです。 まるで、どこかの一発屋芸人さんみたいな人生ですね。大変な人生です。
そもそも、そんな人生を寒天さんや芸人さん達に味あわせていいのでしょうか。
というか、テレビ業界のサイクルは早すぎます。
元々力のある芸人さんなのに、出る番組、出る番組、同じようなネタばっかりやらせて、飽きたらポイですか!?
そりゃあ、飽きるでしょうよ。同じようなネタばっかりじゃ。
じゃあ、何ですか?あなた方は、毎晩毎晩ヒレステーキを召し上がって飽きないのですか!?
ヒレステーキは1年に1、2回食べるからこそ、ヒレステーキなんです。そんな有り難いヒレステーキを毎晩毎晩召し上がったら、罰が当たりますよ。胃もたれだって起きるでしょう。
だからこそ、ヒレステーキは年に1、2回がベストですし、それくらいが財布にもやさしいんです。
すいません。話がだいぶそれましたね。話を戻します。
つまり、僕が何を言いたいかと言いますと、『一発屋にならないようにダイエットを継続して頂きたい』ということなんです。
寒天は別として、バナナと納豆は、僕にとって好物の1つに分類されます。
それが、ダイエットによって店頭から消えて、お前どこのメーカーだよっていう商品までが登場したりするんです。
そんな、ダイエットとは関係なく、好きで食べている人から食物を奪うんですから、そういったダイエットをなさる方には、是が非にでも成功して頂きたいのです。痩せて頂きたいのです。真浦塚真也はダイエットをなさる方を応援します!
えっ?あんたの母親はどうなったって?
あー、多分ダメですね。
だって、食後にバナナを食べてるだけですもん。ただのデザートじゃねぇかよってね。どうやら、趣旨をあんまり理解していないようです。
皆さんも、自分に合った健康法を進めていきましょうね。
長々とへりくつ失礼いたしました。 またお会いできたらお会いしましょう。
失礼します。
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