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その56 冷凍食品について思うこと

いやぁ、もう年末ですね。早いものですね、月日の流れというのは。そんな年末の忙しい中、皆さんはどうお過ごしでしょうか。大掃除、餅つき、おせち作り、買い物、仕事…。さぞかしバタバタと動かれていることでしょう。そう言っている僕もなんだかんだでバタバタしており、顔に似合わず意外とスピーディーに行動しています。まぁ、『顔に似合わず』といったところで、僕の顔を知っている人はほとんどいないと思いますが。アイドルのスラッとしたフェイスに泥を塗って、それを小一時間ほど水に付けて、葱や生姜の入った寸胴鍋で一日中煮込んだ顔、要するに目もあてられないへっぽこフェイスを想像してください。それに檸檬を絞って、パセリを散らしたのが僕の顔です。

さて、そんな師走のくそ忙しい時期に我々を助けてくれる強い味方がいるのを、皆さんはご存知でしょうか。そうです、『冷凍食品』です。片手間で冷凍庫から取り出し、蛇足で電子レンジに入れ、勢い余って時間をセットし、煩悩に取り付かれながら時間が来るのを待つ。そんな適当な成り行きでも美味しい温かい食べ物が提供される、いやぁ人類は偉大な発明をしたものですね。皆さんもこの冷凍食品の温かい気配りに何度か助けられたことでしょう。いやはや冷凍食品万歳ですね。

しかしながら、私真浦塚真也、今回はこの『冷凍食品』に一言もの申したいと思います。『なんだって、こんなに良くしてくれている冷凍食品さんに向かってもの申すだって。なんて奴だ。なになに真浦塚真也だと。くそぉ変なペンネームで人のことをおちょくりやがって。よーしネットを使って攻撃だ。』と、思った方もいらっしゃるかと思います。 ただ皆さん、今は年末ですしここは無礼講ということで一つよろしくお願いします。それではいきましょう。僕がもの申したい一言とはこれです。


『冷凍食品さん、あなた最近自分のキャパを越えようと必死すぎやしませんか。』


あぁ、言ってしまった、ついに言ってしまったよ。パンドラの箱を開いてしまったよ。怖いよ、あぁ炎上が怖いよぉ。あの匿名という名のもとに、対象者の人格・人権を既読スルーしてよってたかって攻撃する、当事者達と観覧者の気持ちの温度差でヒートショクしそうな、あのネット内の奇祭が起きてしまうかもしれないよぉ。某観光名所県の成人式のような無秩序空間で行われる悲惨な現場を目の当たりにするかもしれないよぉ。でも年末だものね。無礼講だものね。よし、ここは全部言ってしまおう。ちゃんと伝えよう。『ありのままの』言葉で伝えないと。『ダメよー。ダメダメ』なのだから。

と、いうことで本題に入りたいと思います。皆さんも感じたことは無いでしょうか、この『冷凍食品のキャパ』問題。最近の冷凍食品によくみられる現象なので、皆さんも肌で、いや口で感じられていると思うのですが。そうです。最近の冷凍食品は『美味しすぎる』のです。やれ本格〇〇とか、名店〇〇の味を再現とか、まるでその場で炒めた・蒸した等、もうお店や家庭で出される料理となんら変わりなくなっているのです。

それのなにが悪いのだ、美味しいのだから良いではないか、とおっしゃる方もいるかもしれません。しかし僕が思うに、冷凍食品には冷凍食品ならではのクオリティがあると思います。唐揚げと言いながらほぼチキンナゲットのような食感。酢豚のケチャップ色のソース。ピラフといえばピラフだしチャーハンと言われれば確かにチャーハンな味付きご飯。それこそが冷凍食品のクオリティであると思うのです。 しかしながら、最近の冷凍食品は美味し過ぎるのです。成長の過程が早すぎます。完全にキャパを越えています。もし冷凍食品が成長期の少年だとしたら、その成長痛の酷さで夜もまともに寝ることができないことでしょう。

では何故このようなことが起きてしまったのでしょうか。多分、それには最近の『クレームに恐れすぎる日本企業の風潮』が関係していることと思われます。

どういうことかと言えば、多分その企業の偉い人の耳に、以前までの冷凍食品の評判が入ったのだということです。『なになに。唐揚げと言いながらほぼチキンナゲットのような食感…。酢豚のケチャップ色のソース…。ピラフといえばピラフだしチャーハンと言われれば確かにチャーハンな味付きご飯…だと。大変だ、クレームだ。消費者が怒っているぞ。改善だ、直ちに改善だ。早くしろ。早くしないとネットの攻撃が始まるぞ。スレッドタイトルに我が社の名前が載ってしまうぞ。早くしろ、さぁ改善だ。早くしないとネット内で変なあだ名で呼ばれるぞ。あぁ怖い。さぁ、早くしろ、改善だ。』といった具合でしょうか。

でも企業の偉い人、勘違いしないでほしいのです。上で挙げた冷凍食品に対する事柄は、必ずしもクレームではないのです。ああ言いながらも心の中はニンマリなのです。その冷凍食品クオリティに満足しているのです。いわゆる『好きな女の子のスカートをわざと捲る理論』なのです。だから企業の偉い人、クレームなんか既読スルーで、いつまでもその冷凍食品クオリティはある程度受け継いでほしいのです。ネットなんか気にしないでいただきたい。まぁ、炎上するかもしれないという可能性だけでワーワー言っていた僕が言うのも馬鹿げた話ですが。


皆さんも冷凍食品のキャパについて思いを寄せてみてはいかがでしょうか。無くなってから気付く存在が、案外一番尊い存在かもしれませんから。


長々とへりくつ失礼しました。

またお会いできたらお会いしましょう。

失礼します。

御覧頂き有難うございます。評価・感想等頂けると嬉しいです。

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