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その34 究極の選択について思うこと

一応前書きしときます。


今回の『へりくつエッセイ』には、多少お下品な表現が含まれています。お下品な表現な苦手な方、嫌悪感を感じる方は黙読するのはお控え下さい。また、音読するのは絶対にお控え下さい。音読することによって、貴方が世間から植え付けられたイメージについては、僕は責任をとりません。







『選択』。

人間は人生を送る中で何らかの選択をしなければいけません。就職、結婚、家の購入等の大きなものから、今日の夕飯は蕎麦にしようかうどんにしようか、目玉焼きに醤油をかけるかソースをかけるかといった小さなものまで、人生は本当に選択の連続なのです。

そんな『選択』の中にも、『究極の選択』と言われるものがあるのを、皆さんはご存知でしょうか。『選択』の中でも忽然と輝く、『究極の選択』と言われるものがあるのを、皆さんはご存知でしょうか。それは、この選択です。




「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ、食べるならどっち?」




もうね、なにが凄いって、これを『究極』と言えてしまう日本の発想能力。凄いですねぇ、日本人。まだまだ捨てたもんじゃないですねぇ。

でも、実際この選択を投げ掛けられたらなんて答えればいいんでしょうね。まぁ、僕だったら『そんなもん食えるかっ!』って有りったけの関西気質で、まぁ、地元は茨城なんで曖昧関西で突っ込みたいと思います。でもまぁ、断れないでしょうね。多分こんなこと言ったら、『あー、真浦塚くんダメなんだぁー、どっちか食べないといけないんだよ!いーけないんだ、いけないんだ!先ー生に言ってやろ。』と無駄な先生プレスをかけられてしまいそうです。まぁ、一番迷惑なのは先生なんでしょうけど。

そもそも、この『うんこ味のカレー』と『カレー味のうんこ』ってなんなんでしょうか。なんでこんな得体の知れない物を食べることが『究極の選択』なんでしょうか。いや、『究極の選択』に長年君臨するくらいです。なにか特別な『うんこ・カレーヒストリー』があるに違いありません。例えばこんなふうに。







ーとある小学校ー

井上少年(以下井上)「あっ、田中くんおはよう。」

田中少年(以下田中)「あっ、井上くんおはよう。」

井上「はぁーあぁー(意味深な溜め息)」

田中「ど、どうしたの、井上くん。」

井上「聞いてよ、田中くん。日曜によねっちの家行ったんだけどさー。」

田中「あっ、そういえば日曜よねっちの誕生日会だったんだよね。僕、塾でいけなかったんだ。どうだった?」

井上「どうもこうもないよ!最悪だよ!」

田中「え?なんで?」

井上「いやぁ、よねっちの母ちゃんが誕生日会だからってカレー作ってくれたんだけどさ。」

田中「えっ、カレー?いいなぁ、僕、カレー大好きなんだ。いいなぁ、行きたかったなあ。」

井上「いいことなんかあるもんか!凄い不味かったんだよ!」

田中「えっ、何が?」

井上「カレーがだよ。カレー、が!本当に不味かったんだから。あれは本当に不味かったよ。うんこみたいに。いや、もう、うんこだね!うんこ味のカレーだね。」

田中「えっ!井上くん、うんこ食べたことあるの!?」

井上「は?」

田中「えっ、だって『うんこみたいに不味い』って…。」

井上「違うよ。例えだよ。アンモニアを嗅いで『腐った卵』って言うみたいなもんだよ。」

田中「えっ!井上くん、腐った卵嗅いだことあるの!?」

井上「だから、例えだって言ってるだろ!」

田中「…ごめん。」

井上「いいよ、別に謝らなくたって。あぁー、でもよねっちの家のカレー不味かったなぁー。」

田中「そうだね。たべるなら美味しいカレー食べたいよね。」

井上「そうだよなぁ。あっ、そういえば田中くんのお父さんってホテルのコックさんじゃなかったっけ?」

田中「う、うん。」

井上「いいなぁ、カレーも美味しいんだろうなぁ。」

田中「う、うん。いっつもホテルで作ってるみたい。」

井上「いいなぁ、幸せじゃん。」

田中「う…うん。」

井上「ん?どうしたの?」

田中「う…うん。カレーは美味しいんだけどさ。最近1ヶ月、朝晩ずっとカレーなんだ。」

井上「えっ!田中くん、インド人だったの?」

田中「ううん、日本人。」

井上「…分かってるよ。冗談だよ。」

田中「…ごめん。」

井上「…いいよ、謝らなくて。でも、なんでカレーばっかりなの?」

田中「うん。なんかホテルでカレーフェアやるんだって。それで毎日試作品作ってて…。」

井上「そっかぁ、それも大変だなぁ。」

田中「うん。飼ってるジョンも毎日カレー食べさせられて可哀想なんだ。」

井上「えっ!ジョンってインド犬なの?」

田中「ううん。秋田犬。」

井上「…だ・か・ら、冗…。」

田中「ごめん。」

井上「…いいよ、喰い気味に謝らなくて。でも大変だね、ジョンも。」

田中「うん。フンもカレー臭くて参っちゃうよ。」

井上「うわぁ、それ最悪だなぁ。いや、でも、そんなにカレーばっかり食べてたら、ジョンのうんこも美味しくなってるんじゃないの?」

田中「えー、そんなことないよ。だってうんこだよぉ。」

井上「いや、そこそこイケるんじゃないかな?少なくとも、よねっちの家のカレーよりは美味しいと思うよ。」

田中「いや、でも…。」

井上「田中くんは、よねっちの家のカレー食べたことないからそんなこと言えるんだって。本当に不味かったんだから。じゃあ、一緒に行ったハッシーに聞いてみようよ、どっちを食べるか。もしかしたら、ジョンのうんこ選ぶかもしれないよ。」

田中「えっ?…でも、よねっち可哀想だよ。」

井上「大丈夫だって。」

田中「えっ、…でも。」

井上「いいから、いいから。おーい、ハッシー。」 ハッシーと呼ばれた少年「ん?どうしたの。」

井上「いやぁ、実はさぁ…。」





ストォーップ!!

ダメです。これ以上はよねっちくんがあまりにも可哀想です。このイジメの火種となりそうな会話をやめるにはどうしたらいいか。それは、今回の『へりくつエッセイ』をお開きにする以外に方法はありません。皆さん、くれぐれもこんな残酷な質問を真似しないようお願い致します。真似していいのは、冗談が通じない田中くんの生真面目さのみです。


皆さんも、もう一度『選択』について考えみてはいかがでしょうか。実は、もう貴方の中で答えが出ているのかもしれませんよ。


長々とへりくつ失礼しました。

またお会いできたらお会いしましょう。

失礼します。

ご覧頂き有り難うございます。評価・感想等頂けると嬉しいです。

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