その2 県の名産品について思うこと
先日、ある方と初めてお話する機会があったんですが、その時に感じたことをお話したいと思います。まぁ、その『感じたこと』って言うのはお互いの自己紹介の際のことなんですけどね。
皆さんは初めて会った方とどんな話をしますか。実は私は、初めて会った人と話すってことがかなり苦手なんです。第一印象を悪くしてしまう自信は、100%あるっていうくらい苦手なんです。
だからその日もはっきりいって苦痛でしたよ。相手の方は自分よりも2倍近く年上で、地位も断然上で、そのくせ私に対してさん付けで、しかも敬語で話してきて…。これ以上僕を苦しめるんですかって思っちゃいますよね。しかも、相手の方も自分から話そうとしない。あぁもう。なんてたちが悪いんでしょう。
だから、必死で話題を探しましたよ。でも思いつかないんですよ。自分の心の引き出しにパンツ一枚すら入っていないんですよ。
しばらくの重苦しい沈黙の後、しょうがないんで本日2回目の自己紹介をすることにしました。しょうがないでしょ、話題がないんだから。
「すいません。改めて挨拶させて頂きます。〇〇と言います。よろしくお願いします。」
「まぁ、ご丁寧にありがとうございます。ご出身はどちらになられるですか。」
おぉ、まさかの食い付き!!この機会を逃すわけにはいきません。
「えっ、あっ、はい。茨城です。」
「あぁ、茨城ですか。私は東京なんですよ。いいところですよね、茨城って。」
「そうですか。でも何にもないですよ。自分が住んでる地域は田舎なんで。」
もう、茨城を『いばらぎ』って呼んでることなんかこの時ばかりは気にしていられません。流れを乱すわけにはいかないんです。まぁ、()付けで表記しているくらい本当は気にしているんですが。皆さん、茨城は『いばらき』です。間違えないでくださいね。
「へぇ、そうなんですか。水戸のほうとかは私が行ったときには賑わっていたようでしたけどね。」
「水戸は賑わっていると思いますよ。」
「そうなんですか。そう。茨城ご出身なんですか。ってことは、毎日朝は納豆を召し上がったりなさるんですか。」
出ました。『茨城人=毎日納豆を食べる人』イメージ。まぁ、仕方ないんです。茨城人は納豆と水戸黄門と霞が浦のイメージからの脱却は不可能なんです。それが茨城人としての宿命なんです。嵯峨なんです。
まぁ、そう言っている私ですが実際に納豆をよく食べるので、正直にこう答えました。
「えぇ、まぁ週に3、4回くらいですかね。」
「そうですか。まぁそうですか。ねぇ。やっぱりねぇ。」
なんですか。この満足してます態度丸見えの返答は。これで、この方には『茨城人は納豆大好きな人種」というイメージが完全に付いてしまったことでしょう。
言っておきますけど悪いのは私ではないですよ。強いて言えば、週3で食べたくなる納豆を開発した日本文化が悪いのです。
まぁ、だからと言って、納豆がないと私の朝が困ります。これは茨城人としての意見でもあり、納豆のある日本文化を愛する日本人としての意見です。
その後も、その方からこう質問されました。
「朝に納豆はやっぱり基本なんですね。ってことは、おやつにはやっぱり甘納豆を召し上がるんですか。」
滅多に食べませんよ、はっきり言って。
と言うか、甘納豆ってそんなに頻繁に食べるものなのでしょうか。
私にとっての甘納豆は、おばあちゃんの家のお茶菓子を入れる箱の中でピーナッツや海苔煎や氷砂糖等と一緒に入っているものというイメージがあります。
そんなどこか懐かしい感じのするものを、茨城人だからといって毎度おやつに食べるのでしょうか。もっと茨城県を主張するのならば、毎度おやつにMAXコーヒーを飲みながら、甘納豆を食べるのでしょうか。そう言われれば、そうではないと思いませんか。
第一、県の名産のお菓子がその県民のおやつの定番になっているかと言えば、そうではないと考えられます。
京都の八橋、鎌倉の鳩サブレー、東京の東京バナナ、北海道のジンギスカンキャラメル等のような関係のように、茨城にとっての甘納豆も県民とはある程度の距離をとったお菓子なのではないでしょうか。
その方は、そんなことを考えている私を尻目に10分ほどお話を続けられまして、東京へとお帰りになりました。
あの方は一体私に対して何を話しに、わざわざ茨城まで足を運んだのでしょう。今になって考えても、私にはよく分かりません。
とまぁ、ここまで散々言ってきましたが、私自身、小学生の頃は『北海道の人は毎日カニやイクラを食べられていいなぁ』と本気で羨ましがっていました。
今更になって考えてみれば、そんなわけはないんですけどね。カニやイクラにも旬ってものがありますし。それに、毎日食べてたとしたら北海道の人はどれだけリッチなんだってなりますよね。痛風もひどそうです。
皆さんも県の名産品とはうまく付き合っていきましょう。
長々とへりくつ失礼しました。またお会いできたらお会いしましょう。
失礼します。
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