その25 表現方法について思うこと
小説やエッセイを書いていく中で、格好良い表現方法を使って『あっ、真浦塚真也って文才があるんだなぁ』と思われたいという、どうしようもないナルシスト具合が少なからず顔を出してしまいます。えっ、そんなナルシスト具合なんか出さなくていいから、さっさと上手な作品を書き上げろって?ハイ、ごもっともでございます。
まぁ、そんなこんなでいろいろな表現方法を使っているんですけど、そこでこんな感情が浮かんできました。
『この表現方法を初めて使った人は、まぎれもない天才なんじゃないか』と。
皆さんも浮かんだことないですか、この感情。僕はしょっちゅう浮かんでしまうんです。そこで、今回はその中でも特に感動した表現方法を、2つばかし紹介したいと思います。
まずは、こんな表現方法です。
『盆と暮れが一緒に来たような忙しさ』
いやぁ、巧い。巧すぎですよね。目の前にてんやわんやしている当事者の姿が目に浮かびます。
でも、この表現方法を初めて使った人はどれくらい忙しかったんでしょうね。
だって盆と暮れですよ。高速道路が車で埋まる日ですよ。その人数にご先祖様が加わるんですよ。
だいぶ忙しいですよね。もしも日本最大のテーマパークでこの人数が来園したら、大変なことになりますよね。もしかしたら、ホントもしかしたら、0.00001%ぐらいの確率で、あの親切な従業員さんからあのキラキラした笑顔が一瞬消えてしまうかもしれませんね。
まぁなんにせよ、この表現方法を初めて使った人。グッジョブ!
そして、もう一つの表現方法ですが、これはもう凄いです。見てもらったほうが早いでしょう。こちらです。
『苦虫を噛み潰したような顔』
いやぁ、この表現方法を初めて使った人、天才でしょう。もう『表現の王様』と呼んじゃってもいいんじゃないですか。少なくとも僕は呼びますよ。ヨッ、表現の王様!
何がすごいって、その勇気!
だって『苦虫を噛み潰した顔』ですよ。この表現方法を初めて使った人、確実に虫食べてますよね。確実に虫噛み潰してますよね。
虫を食べることはもちろん、その味を吟味して、食べた瞬間の顔を自分で瞬時に観察して、『あっ、この顔はこういう時に顔に似ているな』と考えて、実際に使ってみる。
いやぁ、この表現方法を初めて使った人。あんたは偉い。グッジョブ!
とまぁ、いろいろ書いてみましたが、皆さんも言葉の生まれた背景をいろいろ考えてみてはどうでしょうか。もしかしたら、皆が使っている表現方法にも、隠れたドラマがあるかもしれませんよ。
よし、僕もへりくつエッセイの中から、何か新しい表現方法を考えてみようかな。『刺身にマーマレードをつけて食べたみたいな顔=美味しくないものを食べた表情・思い』なんてどうでしょう。えっ、そのままだって?そうですよね、考え直してみます。
長々とへりくつ失礼致しました。
またお会いできたらお会いしましょう。
失礼します。
御覧頂き有難うございます。評価・感想等頂けたら嬉しいです。