残存勢力
武田は信玄を失った事により、徐々に有力な武将らが離れていき衰退していったが、代わりに多くの農兵や足軽を雇い、何とか伊達家や北条家に対抗できるようになっていた。
信長達は兵力不足を補うために、既存の兵士たちの再訓練を休養が終わったデュランに行わせていた。時々、信玄が顔を出しに来るときはデュランと共に兵士の訓練を行った。
キュリスたちはこの少しの平和の間に一度、母国のドイツに戻った。そして、二週間後何事もなく無事に二人とも戻って来た。
ライン、ロンメルは集中力を高めるため、滝行を行うために至るところの寺院などをめぐり、寺業も行う予定だった。しかし、出発して三日ほどで帰って来た。理由としては主に二つあり、一つが暗殺されそう。二つが寺院を巡るのが面倒くさいとの事だった。
兵士らの再訓練が終了した信長らは今までの疲労を回復させるために、全員で温泉に向かう事になった。その中には信玄も含まれている。今回は今川も参加している。
ある程度の内政が終わり、国民が安定した暮らしを送れるようになるのを確認した後に、信長達は下呂温泉へ向かった。
馬車を用いた移動は一定間隔の振動、ゆっくりと移り変わる景色、共に移動する者同士の少し一変した会話、この三つが馬車で移動するときの醍醐味と言ってもいいだろう。
デュランは光秀、信玄、楪、信長、デュランのポケットにアイリスの五人と共に馬車に乗り込んで下呂温泉に向かっていた。デュランを除くすべての人は着物姿となって温泉を満喫する気満々だった。
移動中、みんなはデュランが何故今も通常通りの服を着ているかを聞いた。理由は領内でも襲われる可能性を考慮した結果との事だった。
今回は旅館での宿泊も行う予定だった。
旅館に着くと、男女に分かれ部屋に入った。デュランはいつもと変わらず、ロンメルと道三。信長は丹羽とライン、楪、キュリス。信玄は柴田と光秀、アイリス、ハーキュリーだった。
荷物を全て部屋に置き、それぞれの脱衣所に向かい服を脱ぎ温泉へと入った。なお、デュランは自分の服を除くすべての装備を風呂場に持ち込んでいた。
以前と同じように信長は家臣の胸を凝視し吟味し、その聞こえる声ではロンメルは満足できず、またしても壁に穴が無いか探し、デュランにチクられてそそくさと風呂場を後にした。その後、顔が腫れるまで殴られたのは言うまでも無かった。
腫れた顔をしたロンメルの心配をせず、広間で食事を開始した。
信玄が日本酒をバンバン頼み、一人で飲み干していく中でデュランは素早く食事を終えて誰にも見つからないように外の警備を行った。
食事から宴会に変わった広間は腫れた顔のロンメルと酷く酔った信玄らで埋まっていた。しかし、周囲の警戒を怠らず、朝日が訪れるまでずっとデュランは旅館の辺りを警戒していた。
朝日が昇ったのを合図にデュランは広間で眠っている信長達をそれぞれの部屋に運んだ。しかし、一晩たってもロンメルの顔は腫れた状態だった。一通り運び終わると全員を起こした。
一番手が掛かったのは今川だった。“あと十分、あと十分”とずっと繰り返していた。仕方なくデュランは今川に水を掛けて起こした。飛び起きた今川はデュランにジト目をしていた。
それぞれが着替えをして、それぞれの部屋で朝食を済ませて広間で合流した。
荷物をまとめて全員が帰る準備を済ませて旅館の前に用意してある馬車に乗り込み旅館を出発した。
帰り道、デュランは不穏な空気を感じ取った。盗賊が草や木に隠れこちらの様子をうかがっている事、しかも、その大半の者が武田の敗走兵たちの慣れの果てだと言う事。
「ちょっと気分が悪くなったからここで降ろしてくれ。俺は歩いて帰る」
デュランはそう言い走っている馬車から降りて刀に手を掛けた。敵も躊躇なく馬車が見えなくなった時に飛び出したと同時に上半身と下半身。あるいは、首と体。四肢が全て切断されたりした。しかし、一人だけは四肢が全て残っていた。
その男からアジト、盗賊の数を聞き出すと首の骨を折った。
すべての気配が無くなるのを確認すると刀を鞘に入れてゆっくりと鼻歌を歌いながら木々の中に向かって歩き出した。
数十分もしないうちにさっき襲われた盗賊たちのアジトを発見した。数十人で警戒を厳にしてだれも侵入できないかと思っていたが一つの欠点が存在した。
警備の者が数人の仲間と楽しく会話していた。それに加え、交代時間に外に出ている警戒している者たちが洞窟内に入っておおよそ9分の間代わりの者が出てくるのが遅かった。
デュランは隙が最も大きい交代時間が訪れるまでその場で待機をした。
お久しぶりです。クソ雑魚ナメクジのまきゆづです。久しぶりの更新で読者様からあくしろよとか、読者ですけど、ま~だ時間掛かりそうですかねぇ等の言葉が投げかけられそうですね。




