行軍
デュランは現在軍から離れアイリスと藤明三人で行動していた。
「マスターここの先に生命反応です。結構多いですね。注意してください」
「分かった。藤明も十分気を付けろ」
「分かりました主」
三人で木の枝から木の枝へ忍者のように移動していた。
「道三様これなら今の私たちの先遣隊でもあの部隊を殲滅出来そうですね。どうですか今からでも襲撃して尾張を手に入れますか?」
「せっかく来てもらっているのだそんなことはせんよ。それにしても兵士が少ないのぉ。そう思わんかね他所者よ」
「バレてたか。道三どうしてこんなところに居るんだ?正徳寺にもうとっくに着いてると思ったんだがな?」
「曲者!」
光秀がデュランと道三の間に入りデュランに剣を向けようとしたが道三が止めた。
「ふ、ただ単に信長の兵士を見ようとしただけだ」
「いや違うね。道三はの信長が正装で最初から戦闘が発生しないと油断していないかを見ているんだろ?」
「そうだな。儂のことが遠くからでもわかる兵士が居る事はその心配はないようだな。どうだ、一緒に正徳寺にでも先回りしないか?」
「お願いする」
道三たちは近道をし正徳寺に着いた。信長たちが正徳寺に到着したのはデュラン達が着いて数分後だった。
「デュランあんたどうして私たちより先に居るの!?この総大将の私を抜き去って道三の配下に入れてもらおうとしてたんでしょ!」
「いや、違うんだ姫様」
「あんたなんかに姫様って呼ばれる筋合いは無いわ!」
「信長よよく来てくれた。どうぞ座っておくれ」
「道三すまないけど部屋を貸してくれる?」
「どうぞ」
信長が丹羽を連れて奥の部屋に向かった。その場にその場に残されたのは道三、光秀、柴田、デュラン、ロンメル、ラインそしてアイリスその待っている時間は静かにけれど早く過ぎて行った。
「待たせたわね道三!」
勢いよく襖を開け部屋を開けた信長はさっきまでの鎧の姿とは違い道三に敬意を称して着物を着ていた。
「美しい」
道三の口からそのような声が漏れた。信長は道三の目の前に置かれていた座布団に座った。
「それで今回はどのようなお話で?」
「単刀直入に言うわ。美濃の岐阜城を譲ってくれない?」
「どうしてだ?」
「私の父が作った楽市楽座をあそこに作るの。あそこは物流が凄いからからこの制度を導入すれば収益は今の何倍にもなると思うの。それに美濃を得れば天下統一に他の国よりも頭一個飛び出せるからね」
「そうか。しかし、その要望を受けることは出来ぬ。儂も天下を統一するからの。だが、代わりに同盟はどうだ?これならお互い損することも無いだろう?」
「そうね。その案に乗ったわ。けどね私は絶対に美濃を取りに行くわ。なんてたって美濃を制する者は天下を制すと言うからね」
「ふっふっふ。いつでも受けて立つぞ」
「待った!」
ここで飛び出したのはロンメルだった。デュランとラインは止める様子はない。柴田が襟を掴み床に押し付けた。光秀も反応し刀を抜いた
「謝るのだ。今すぐ謝れ!」
「何をしているのだ?」
「道三、俺にはよぉわかるんだ。生い先がみじけぇこともよぉ自覚してるんだろ?なら争いをする事なく信長に自分の夢を託せばお互い損もなく得する。天下統一の一歩手前で死んじゃぁ元も子もねぇ。だからよぉここは若い信長に任せた方がいいと思うんだがどうなんだ道三!」
ロンメルの放った言葉に周りが静かになる。道三は考えた。
「ふっ確かにそうだな。ここは若者の爆発力に任せるとしよう。私は家臣と話を付けに行く」
「待ってくれ道三俺も一緒に連れてってくれ」
ロンメルが立ち上がった道三に言う。柴田もこの発言には相手を不愉快にさせることを考慮しロンメルを黙らせた。
「よかろう、おいぼれどうし共に行くか」
「ありがとうございます」
ロンメルはデュラン達に必ず戻って来ると合図を送った。正徳寺に残されたのは信長達だけになった。
「姫様私たちも帰りましょう」
「そうね。この件はあの人に任せて私たちは帰りましょうか。丹羽着替えるの手伝ってね」
「分かりました、姫様」
信長が着替え終わって出てくると直ぐに城へ帰った。
「帰ってきて早々だけど評定を開くわ」
「今日のお題は?」
「今回は岐阜城が手に入ったときあそこがもぬけの空だった大変でしょうから西方生存圏と北方生存圏を拡張しようと思うのだけど今は今川とその同盟国が邪魔をしてくるから攻勢と防衛にどう分けるかなんだけど」
「ここは私が攻勢を務めてもよろしいですか?」
柴田が挙手をし立候補した。
「ダメだね柴田と丹羽には防衛に当たってほしい」
「分かりました」
柴田が落ち込み俯いた。けれど評定はどんどん進んで行く。
「それで、攻勢の方だけど私は確定であと一人はどうしようかなって思ってるんだけど」
その時、柴田の目がデュランを見た。いや、柴田だけではなく全員が見ていた。
「デュランどう?やってみる?」と柴田が聞いてきた
「やらせていただきます」
「次の話がまだあって、、、」
この評定は夜まで続いた。鉄砲隊は防衛に回し、弓矢隊と武士たちが攻勢の配置となった。デュランは評定が終わると城から夜景を眺めていた。
「となりいいかな?」
そう言ってやってきたのは信長だった。デュランは信長の分のスペースを作った。
「今日は疲れたな。なんて、部下の目の前では言えないよなぁ。今日はまだ身の知らない君が任されて私は心配だけど、私の足を引っ張らないでよね。そう言えば君は何処の出身なの?」
「未来のここかな?」
「ん?君自分が未来人って言ってるの?私は神様も仏様の信じないのよ。ましてや未来人なんて誰が信用できるの?」
「冗談だ。三河で生まれた。この歳であいつら二人と出会ってあそこをプラプラしてたら今川軍と出くわして切っていたらたまたまお前と出会ったんだ。これは天下に名を刻むチャンスと思って志願しただけだ。けどどっちにしろお前が天下統一してくれないと名前が残らないけどな」
「ちょっと、自分の大将に向かってお前は無いでしょ。もっと信長様とか織田様とかあるでしょ?」
「そうだったな。俺は信長の為ならなんだってやってやるよ。例えそれが自分の命が掛かっていても」
「ふぅん。なら南蛮式の約束でもする?外の国では部下が忠誠を誓うときは手の甲にキスするって聞いたわ」
そう言って信長は手の甲をデュランに向けた。デュランは膝を付いて手の甲にキスをした。
「これで君と私は忠誠誓いで結ばれてるから勝手に死なないでね」
「分かったよ。信長」
「ほんと、そのため口は治らないね」
「もともと、直す気もサラサラ無いさ」
「ふふ。もし私が変な道に進むときはちゃんと止めてね」
「分かったよ。面倒ごとの対処は人一倍て練れてるかなら」
「ちょっと待ってその言い方だと私がまるで問題児じゃない!」
「だって現にそうじゃないか」
デュランはそこから飛び降り下の階の窓を掴み離脱した。
「ちょっと待ちなさいよ!あとで絶対に後悔させてやるからね!」
「お好きにどうぞ」
デュランは久しぶりに楽しいという感覚を思い出したような気がした。
電撃戦ドクトリンだ。この作品は一部の武将の名前や追加されている人物がいるので勉強の役に立ちません!それと、道三はおじいさんです。そこんところよろしくお願いします!




