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セブンスアビス  作者: レイタイ
死霊魔術師と神槍編
63/90

デレさせゲーム part2

「良い天気ね…………」

「そうだな…………」


 今日も今日とて庭の窓を開けて日向ぼっこ。 俺はネティスに膝枕されながらそれらを楽しんでいた。

 頭の中には『至福!』の2文字が。 まさしく幸せな時間だ。


「気持ち良い風ね…………」

「それにネティスの膝枕も最高だな…………」


 人類の至宝と言ってもいい。 程よく冷たく、更には柔らかくて気持ち良い。 見上げる景色も大きな胸と超絶美人という最高の組み合わせだ。


「…………見事なだらけ具合」

「王様らしくはないな…………ちょっと可愛いけどな」


 だらけているのが可愛いらしい。 そうなのか?


「このまま昼寝してもいいわよ? 何なら胸に顔を埋める?」

「それをしたら止まらなくなりそうだから遠慮する…………」


 最近のネティスはもう可愛すぎる。 そして綺麗すぎる。 怖い。

 このまま一生ネティスに溺れて生きていくのだろうか。 何それ最高だな。


「そ、そう…………。 そういうことはその…………ベッドでね……」


 そしてエロい! 以前と比べると何やら恥じらいというものを覚えたみたいだがそれでもエロい!

 相変わらず胸元は開いて谷間は見えてるし、すらっとした長い足も相変わらず露出している。 残念ながら足フェチではないけどな。


「最近ルナさんずっとネティスさんに甘えてます。 …………ちょっと寂しいです」

「私もよ。 なんだか色々と物足りないのよね…………」

「…………そう? 夜中はよく侵入してる」

「そ、そうなのか!?」

「そういえばこの前ルーちゃんの部屋からセリーヌさん出てきたね…………」


 へぇ、そんなことが。 なんで俺が知らないんだろうな? 何もなかったから別にいいんだけど。


「…………寝てても勃つ」

「何が!?」

「……ルナのあそこ」


 俺っていつの間にか襲われてたらしい。 怖い怖い。 というかなんで俺はその時に起きてないんだよ!


「どうせでしたらまたデレさせゲームやりますか?」

「え、あれ心折られるじゃない」

「で、ですが…………またルナさんにお姉ちゃんと言われたいです」


 なんだその目的。 もうちょっと何かあるだろ。


「そ、そう…………仕方ないわね」


 仕方なくないよ? 全然仕方なくないよ?


「ルーちゃん、またやろう?」

「俺は別にいいけどよ」


 言いながら上体を起こす。 ネティスが微笑みながらその様子を見ていた。


「ん?」

「え? いえ、なんでもないわよ?」


 なんでもないらしい。 でも何か愛おしいものを見るかのような目をしていたような。 気のせいか?


「あ、でも心を閉ざさないでよ? その……私あんまりメンタル強くないんだから」


 フェシルに心を閉ざすのを封じられてしまった。 なら次はどうしようか。

 流石に全員の言葉にデレるわけにはいかない。 …………いや、そんなことないのか?


「順番を逆にしましょう? エイラから行きなさい」

「えぇ!? う、うん…………」


 どうやら前とは逆の順番で行くらしい。 確かにその方が平等だろう。


「すぅ……はぁ…………行くよ?」

「あぁ」


 以前よりはまともになっているだろうか? こいつら全員いざという時は駄目駄目だからな。


「ルーちゃん、抱っこしてにゃん♪」

「よしきた、ばっちこい」


 俺は言われた通り抱っこしてやる。 恥じらいながら両手で猫の手とか破壊力抜群すぎる。

 ちなみにこれは可愛い子や美人がやるから絵になるのであって普通の人がやればドン引きだ。


「ルナさんのキャラが崩壊しましたよ!?」

「普段ばっちこいなんて言わないものね…………」


 どうやらデレすぎてキャラ崩壊したらしい。 自覚は全くないんだがな。


「キャー! ルーちゃん力持ち!」

「お前1人くらい軽いもんだ」

「ルナ、落ち着きなさい。 と、とりあえず次行きましょう?」


 次、ということはネティスか。 何を言われるんだろう。 すっげぇドキドキする。


「月くん…………」

「はい?」

「…………愛してる」

「っ!?」


 好きではなく愛してる…………? それって既にもうそういうことですよね!?


「つ、月くん?」

「…………」


 ネティスが遠慮がちに顔を覗き込んでくる。 若干染まった赤い顔が綺麗過ぎて目が離せない。


「つ、月くん? どうしたの?」

「ネティス」

「は、はい?」


 俺は両手でネティスの手を包み込む。 あ、柔らかい。


「一生そばにいてくれ」

「…………はい」


 よし、きた! このままハネムーンへ!


「ちょっと待ちなさい! どこ行く気よ!?」

「どこって、幸せな世界だろ。 お前らも来るだろ?」

「何よその世界!? 嬉しいのは分かったから落ち着きなさい!」


 フェシルに両頬を引っ張られてようやく冷静になる。 いかんいかん、ついネティスとゴールインしちまうところだった。 別に問題ねぇけど。


「ネティスさん、大丈夫ですか?」

「…………」

「ネティスさん?」


 シルヴィアが声を掛けるも、ネティスからの反応がない。 もしかしてドン引きさせ過ぎて言葉が出ないとか?


「…………幸せに浸ってる途中。 邪魔しない方がいい…………」

「あ、そうなんですか。 じゃあいいんですが」


 ネティスは頬に手を当ててポッと染める。 何この可愛い生き物。 半端ないんですけど。


「次は私よね。 ルナ、覚悟しなさいよ?」

「おう、今なら何が来ても嬉しいと思うぞ」

「それはゲームにならないじゃない…………」


 だって実際嬉しいんだもん。 愛してるんだぞ?


「ルナ、前は膝枕は駄目だったわよね?」

「ん、そうだな」

「なら…………おっぱいならどう?」

「それは是非」


 あ、つい本音が。


「ふふ……最初からそうやって素直になっていたら、なんでもやらせてあげるのに」


 なんでも…………だと? フェシルさん、それは男に言っちゃ駄目な台詞ですよ?

 フェシルに抱きしめられ、胸が押し付けられる。 柔らかいし暖かいし気持ち良いしで最高じゃねぇか。


「このまま眠れたら最高だな…………」

「あ、それは駄目よ? まだ3人残っているんだから」


 そうでした。 これから幸せなことが3連続で続くんだった。 セリーヌは怪しいけど。

 名残惜しいが仕方なくフェシルの胸から顔を離してセリーヌに視線を向ける。 セリーヌは何やら怪しい笑みを浮かべていた。


「…………ルナ」

「ん?」


 セリーヌは両手を広げる。 何する気だ?


「…………私を好きにしていい」

「へ?」

「ん…………脱がし放題ヤり放題」

「マジか」

「マジ」


 真面目にやり放題らしい。 おかしいな、どこかで妙なフラグが立ったか。 しかしこのビッグウェーブ、乗るしかないだろう。


「セリーヌ、おいで」

「ん」


 セリーヌを手招きして座らせる。 その後ろに座ると後ろから抱きしめてやる。 暖かいし柔らかいし良い匂い。 流石はセリーヌだ。


「さっきからルナさんがおかしいです! 普段のクールな雰囲気が欠片も感じられません!」

「そ、そうね…………どういうことなのかしら」


 どういうことかと言われても、これが今の俺のテンションだとしか言えないわけで。


「よし、クロエとシルヴィアもどんとこい」

「う、うん…………」


 次はクロエだったな。 さて、何をしてくれるのか。 楽しみだ。


「る、ルナくん…………その……」


 クロエはモジモジしている。 何やら言いにくいことがあるらしい。


「わ、私はその…………いつでも…………その…………」

「…………?」

「その…………ルナくんを受け入れる準備が出来てるぞ?」

「っ!?」


 それってつまりはそついうことですよね!? いいんですか、マジで。


「…………今日は私とクロエ?」

「それはズルいわ。 するなら私も参加するわよ」

「わ、私も! さ、最近ルーちゃんあんまり相手にしてれないし…………」

「え? エイラさん、この前あんなに激しく…………」

「わぁぁ!!!! それは言っちゃ駄目ぇ!」


 シルヴィアのは言っちゃ駄目なことらしい。 そういえばあの時も『イッちゃうらめぇ』とか言ってたな。


「クロエ、おいで」

「え? う、うん…………」


 右側にクロエが寄ってくる。 俺はそれを抱き寄せるとシルヴィアに視線を向ける。


「最後シルヴィアだな」

「は、はい…………。 なんだかルナさんが怖いです」


 どこが怖いというのだろうか。 そもそも俺は全員の愛を確かめているだけだ。


「え、えっと…………ルナさんって普段のわたくしのこと、どう思っていますか?」

「え? 優しくて頼りになって甘やかし上手で胸がでかくて尻尾が気持ち良くて大好きだ」「あ、ありがとうございます…………。 それでわたくし、考えたんですけど、普段の行動をすればルナさんはデレるのではないかと思いまして」

「ほう?」


 発想の転換というやつか。 なるほど、悪くない。

 それでシルヴィアの普段って?


「ですのでルナさん、膝枕で耳かきはどうですか?」

「あぁ、あれか!」


 そういえば以前やってもらったな! 何それ嬉しい。


「ふふ、ソファでしましょう? 床に寝転がると痛いですよね?」

「別にどこでも平気だがシルヴィアがそうしたいならそうしよう」


 2人を離してソファに座る。 シルヴィアも横に座ると膝枕してもらう。


「じゃあ始めますね?」

「よろしく頼む」


 シルヴィアに耳かきをしてもらう。 やっぱり男なら誰だって憧れるよな! 女の子に膝枕で耳かきしてもらうとか!


「ルナさん、どうですか?」

「気持ち良い…………癒される…………あと眠い…………」


 瞼が重くなってくる。 やっぱり無理しすぎただろうか? しかし仕方ないだろう。


「あ、あれ? ルナさん寝ちゃいました?」


 いや…………ギリギリまだ起きてる…………。 口に出す力はもう残っていないが。


「…………昨日寝てないから」

「え?」

「…………氷魔法の練習してた」


 おいおい、セリーヌ。 バラさないでくれよ。 こいつら勘が良いんだから。


「だから妙にテンションが高かったのね……。 徹夜明けだったから」

「もしかして…………ネティスさんの為ですか?」

「え? わ、私…………?」


 ほら、シルヴィア気付いちゃったよ。 この様子だと全員に気付かれたな。

 しかし、もう眠い。 流石に徹夜に慣れてはいない。 エッチの時はよくしているが。

 俺は心の中で、全員におやすみと伝える。 間違いなく伝わっていないことだろう。 しかしそれでも、俺は自己満足に浸りながら意識を手放した。

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