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セブンスアビス  作者: レイタイ
出会い編
11/90

甘々でイチャイチャ♪

「…………〜♪」


 綺麗な口笛の音を聞きながら目を閉じる。 もちろん口笛を吹いているのは俺ではなくフェシルだ。

 ここ数日、フェシルの機嫌が物凄く良い。 何か裏があるんじゃないかと思うくらいに。

 

「ルナ」

「ん?」

「大好き♡」

「お、おう…………」


 にっこりと微笑んで告げられた告白は俺を赤面させるには充分な破壊力だ。

 そんな俺の様子を見て、フェシルは楽しそうに笑った後に俺の横に座って抱きついてくる。

 温かく、柔らかい感触が全身を包んでくれているようで気持ち良い。


「なんだ? 今日は甘えたい気分なのか?」

「いえ…………こうしていられるのも今だけだから」

「ん?」

「神と戦って分かったけれど、私達は今のままだと力不足でしょう? なら仲間を入れるしかないじゃない」

「んー、まぁそうなるな」


 これからも神との戦いは激化していくだろう。 もちろん相手はそれだけじゃない。

 他にも魔物がいたり、人間以外の種族から狙われる可能性もあれば、他のセブンスアビスに目を付けられるかもしれない。

 そうなれば間違いなく2人じゃキツい。 どれだけの力を持っていようが2人じゃ限度がある。 フェシルもそれを深く分かっているようだ。


「なら私がルナを独り占め出来るのは今のうちよね? 男はあまり入れたくないし……気持ち悪いから。 でも女を入れれば間違いなくルナに惚れるもの」

「なんだその決定事項は」

「自分で美形だって自覚、ある?」


 俺が美形? いやいや、そんなことあるはずないだろ。 高校でもラブレターとかは貰った……覚えは2回くらいしかないしな。


「やっぱりないでしょ?」

「いや、俺が美形なわけないだろ?」

「美形よ。 それに優しくて素敵な性格してるもの。 世界一格好良い男の子よ」


 おおう、ベタ褒めされてる。 恥ずかしくなってきた。


「でも優しすぎて1人を選べないタイプよね?」

「…………」


 俺ってそんなタイプだったの? 自覚無いから全然分からない。


「仲間に入れた女の子があなたのことを好きになって。 断れば気まずい空気になるとか色々考えて結局その……身体を重ねてしまうでしょう?」

「え、いや、そんなことは……」

「それに押しに弱すぎるわよ。 私の時も断れてなかったし」

「……そうですね」


 反論出来なくなっちまったよ。 だって事実なんだから。

 フェシルは少し不満そうな表情で俺の膝に頭を乗せる。 膝枕というやつだ。


「それに今も抵抗しないし。 本当に王様なのか疑いたくなるほど無防備よね」

「逆にフェシルはガードが固そうだな」

「当たり前よ。 ……あなた以外の男が襲ってきたら股間のモノを撃ち抜くわ」

「同じ男としてそれはやめてあげてくれよ…………」


 想像しただけでゾッとした。 ちょっと打撃を加えられただけでとんでもないことになるのに。


「だから男は駄目よ。 ルナ以外みんなケダモノなのだから」

「俺は例外なのか」

「そんな度胸もなさそうだもの」


 辛辣ですね。 いや、まぁ事実なのでなんとも言えないけど。

 返答に困っているとフェシルはくるりとこちらを向いて妖艶な笑みを浮かべた。


「フェシル?」

「ん…………」


 そして自然と唇を重ねられる。 首に手を回されて逃げることも出来ない。

 いや、逃げることは出来るのだろうが逃げたくないというべきか。 俺もこの関係が気に入ってしまっているのだろう。

 エッチの時のような深いキスではなく、愛を確かめるような短いキス。 フェシルは少し顔を離すと幸せそうに微笑む。


「抵抗しなくていいの?」

「する理由もないだろ?」

「そう……ならもう1度」


 再び唇を合わせる。 今度は少し長めに。

 首に回された腕にギュッと力が入る。 より深く繋がっていたいというフェシルの感情が身体に現れているのではないだろうか。

 長いキスを終え、体勢が苦しくなったのか再び膝枕のように膝に頭を乗せられる。

 俺はゆっくりとその頭に手を乗せて、梳くように撫でる。


「ん……気持ち良い」

「そうか? やったことないぞ」


 しかし記憶には残っている。 セブンスアビスって無駄な知識も多いよな。 頭の撫で方なんていつ使うんだよ。 あ、今か。


「本当に初めてなの? 上手いわよ?」

「記憶は持ってるからな」

「あぁ、そういうことなのね」


 納得したように目を閉じるフェシル。 しばらくの間頭を撫で続ける。


「眠たくなったらこのまま寝てもいいぞ」

「そんな魅力的な提案して来ないでよ…………甘えたくなっちゃうじゃない」


 文句は言いながらも口元は笑みを隠し切れてなかった。 本当に嬉しそうだ。


「でも駄目よ。 やるなら逆の方がいいわ」

「逆?」

「えぇ。 私が膝枕をして、ルナが寝る」

「なんでそっちの方がいいんだ……?」


 何か特権はあるのか? 甘やかしたいという気分が満たされるだけでそれ以上のものはないだろう。


「私は家臣なのだから甘えるより甘やかした方がいいでしょう?」

「そんなの全く気にしてないんだが」

「ルナはそうでも私が嫌なの。 王様なんだからちゃんと甘えなさい」


 王様って甘えるものなのか? いや、甘やかすのもおかしいんだろうけど甘えるのもおかしいような。

 フェシルは上体を起こすとにっこりと微笑んで手を広げる。


「ほら、おいで?」


 …………その発言は破壊力強すぎです。 甘えたくなってつい膝に頬を預けてしまう。


「ふふ、可愛い……」


 そして子供扱いされながら頭を撫でられる。 なんだこの一連の流れは…………。

 しかし不思議とこの体勢は恥ずかしくも安心感があるものだ。 このまま耳掻きとかされてみたいなとボーッとしながら考えているとフェシルの指先が俺の頬をつつく。


「ん?」

「これでもいいけど、やっぱり顔を見たいわ」


 うつ伏せなのが気に入らないらしい。 俺がくるりと回転して仰向けになるとフェシルはだらしなく頬を緩めた。


「やっぱり可愛い」

「そんなに可愛いか? そんなこと言われた事ないんだが……」

「えぇ。 特にこっちに全部身を任せてゆっくりとしてくれる姿なんて母性本能をくすぐられるわ」


 マジか。 俺にそんな能力があったなんて。 とか思ったけど実はフェシルが俺の事好きすぎるだけじゃないか? まぁフェシルに気に入られて悪い気はしないが。


「本当、傷だらけなんだからゆっくりしなさいよ?」

「…………」


 実は俺の傷がまた開くかもしれないからと楽な体勢にしてくれた、ということらしい。

 今までの一連の流れにそんな意味があったとは。 全然気付かなかった。

 フェシルは痛ましいものを見るように俺の右腕の包帯に軽く触れる。 手当てをしてくれたのも全てフェシルだ。

 ありがたいと思う心はあるのだが、今が幸せ過ぎるのと、仰向けになったことで見える大きな出っ張りのせいか感謝出来ない。


「どうしたの?」

「い、いや、なんでも…………」


 恥ずかしくなって視線を逸らす。 わざわざ気遣ってくれる相手に何してんだよ俺は。


「その…………触りたい?」

「へ?」


 いや、ん? いきなり何の話ししてるんだ? 触りたい? 何を?


「その…………おっぱい」

「っ!?」


 わぁー…………ガン見してたの気付かれちまってたよ…………。 でもこの体勢だと意識するだろ普通…………。


「さっきからずっと胸元見てたでしょ?」

「いや、この体勢だと自然と目が行くというか…………男の性だから気にしないでくれ」

「そうはいかないわよ」


 いや、なんで? そうはいくだろ。 いや、そうはいかないか。 流石に胸をガン見されるのに膝枕はしたくないか。

 俺が諦めて上体を起こそうとするのと同時に頬に手を添えられた。


「…………?」

「ん…………」


 そして本日何度目かの唇が奪われる。 え? 今俺キスされてる?

 そのまま啄ばむように唇を吸われ、舌を絡ませられる。 や、やばいんですけど。

 口を離した時、糸を引いた。 初体験の時に数回経験したとはいえちょっとまだドキドキする。

 ゆっくり顔を離したフェシルの目はトロンとしていた。 そのまま胸元のボタンを外していく。


「ふぇ、フェシルさん?」

「今日はこの体勢のまましましょう? その…………吸ったり揉んだりしてもいいから…………」


 そう言って俺の下腹部に手を添えられる。 あー、うん、ですよね。


「ふふ…………大きくなってる」

「そ、そりゃあんなことされたら誰だって…………」

「じゃあ今日はこのまま楽しみましょう? また傷が開いちゃうからあんまり激しくは出来ないけれど…………」


 この子1度経験してからエロくなってませんか!? そんな俺の心のツッコミが口に出されることはなくどんどんと行為は進んでいく。

 終始嬉しそうなフェシルにリードされて俺は2度目の大人の階段を登ってしまった。 気持ち良すぎでハマりそうなのは変態に思われそうなので内緒だ。

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