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ゲーム始めました

 「『another world online』の世界へようこそ。私は貴方様のガイドをさせていただくカメリアと申します」


 『another world online』の世界に入ると、ゴスロリメイドの少女に迎えられた。見た目の年齢は小学生低学年くらいだろうか。亜麻色の髪に柔らかな顔立ちがとても可愛らしく、けれど子供のような見た目に反した美しい所作が、ただの可愛らしい少女以上の魅力を湛え、ようするにこの子めっちゃかわいいよぉ! 抱きしめたい!


 「はじめまして、私は友井夏奈(ともいなつな)。こちらこそお願いいたします」

 「え、えぇ。お願い致しますわ」


 ん、なんか反応がおかしいぞ。可愛い顔が、少し引きつっている。これは世界の損失だ。一体誰のせいでこんなかおを…………。


 「あの、手を離していただけませんか……?」

 「あぁ、そうですね。申し訳ありません」


 私のせいだった。あまりの可愛さについ両手を握り締めてしまったらしい。しかも、思いっきり身をのりだしている。名残惜しいがゆっくりと離れる。途端に、少女、カメリアちゃんがほっとした表情を見せてくれる。

 あああぁ、怖かったんだね。ごめんよぅ。もうしないから仲良くしてね!


 「えぇと、友井夏奈さまで」

 「ナツでいいですよ。仲のいい方はそう呼びますから」


 ぜひ、カメリアちゃんにはそう呼んで欲しい。


 「……ナツ様、早速ですがナツ様のアバターを作っていきましょう」


 ナツ様! ナツ様だって。きゃぁ~。すっごく嬉しい。これだけでこのゲームを始めた意味があるよぉ。本当嬉しすぎ。


 「……ナツ様?」


 カメリアちゃんのジト目が飛んでくる。可愛い子はジト目でもかわいいなぁ。でも、嫌われるのは嫌だからちゃんとしよう。


 「はい。すみません。カメリアさんがあまりにも可愛らしいので、つい見惚れてしまいました」

 「あ、ありがとうございます」


 心を込めて謝れば、カメリアさんは少し顔を赤くして受け入れてくれた。やっぱり素直に気持ちを伝えるのが一番だね!


 「そ、それでは話を戻しましてナツ様のアバター作りを始めましょう」


 こほんと分かりやすい咳払いして、カメリアちゃんはやや強引に話を戻した。


 「はい。カメリアさん。お願い致します。始めは何をすればいいんでしょうか?」

 「そうですね。まず名前か種族ですね。あと、一応注意しておきますが、名前はリアルとは異なるものを選んでください。それから種族についてですが、説明をご所望ですか?」

 「じゃあ、森歌族について聞きたいかな。私は森歌族にするつもりだから」


 何を隠そう私が一目ぼれしたキャラが森歌族だったのだ。森歌族は成人しても小学生位に見えない、種族全体がロリ・ショタキャラで正に私のためにあるような種族なのだ。当然、私は森歌族にするつもりだ。


 「森歌族ですね。かしこまりました。森歌族は森で暮らす小人族の一種ですね。外見は成人しても人族でいう小学生相当の容姿を維持します。基本的には人族と姿は変わらず、敢えて相違点を挙げるなら耳が僅かに尖っていることですね。能力的にはMP・TEC・LUKが高く他の能力はかなり低いです。攻撃能力に欠けますが、支援や生産に適正があります。基本的にはパーティーありきの種族ですね」


 ……うわぁ、パーティーありきですか。そうですか。困ったなぁ、思いっきりソロプレイするつもりだったよ。……別に友達がいないという訳ではなくてね? あまりにリアルと違うアバターを選ぶ以上、あの気を使うということを知らない連中は盛大にからかってくるだろう。……まぁ、悪い奴らじゃないんだけどね? ちょっと大らか過ぎるというか雑過ぎるというかなんだよね。


 「ううん、森歌族でソロプレイはできないのかな?」

 「森歌族でソロプレイ、ですか? かなり厳しいと思います」

 「厳しいですか。でも可能性はゼロではないんですね?」

 「えぇ、それはそうですが……」

 「なら、構いません。森歌族でお願いします」

 「……かしこまりました。それでは森歌族で登録させてもらいます。次はクラスの設定です。いわゆる職業の設定になります。どうなさいますか?」


 クラスか……。種族は決めてたけど、それ以外は全く決めてなかった。というか、あまり興味が無かったから何があるかすら知らない。


 「うぅん、どういうのがあるのかな? まだ決めて無くてね」

 「そうですか。では、「メニュー・オープン」と言って下さい」

 「メニュー・オープン」


 言われるまま唱えると、視界の右上に画面が現れた。大部分が暗くなっていて、『クラス選択』と書かれた欄だけが明るくなっている。


 「では、そのまま『クラス選択』をタッチするか、先ほどと同じように音声で選択して下さい」


 言われるまま『クラス選択』をタッチすると、画面は切り替わり、沢山のクラスの名前がずらっと並んだ。


 「こ、こんなに沢山?」

 「えぇ、最初に選べるクラスは138種類ありますから、時間はありますしゆっくり選んで下さい」

 あまりの多さに若干引いていると、カメリアちゃんのすました声で流された。……何か、段々図太いというか適当な対応になってないですか? でも、そんなカメリアちゃんが大好きです。



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