プロローグ
駄文ですが、それで良い方のみ、お願いします。
「遂に買ってしまった……!!」
感極まって、つい口に出してしまった私を誰が責められるだろうか?
私の手には、大きめのゲーム機が入った箱がある。これを買う為に半年に及ぶ間、徹底した節約生活を断行していたのだ。ようやく手に入れたそれに、私の心は浮き足だっている。
私は早速、箱から中身を取り出した。
「まずはセッティングを、と」
説明書を読みながら、コードを取り付けたりネット環境の設定などを行う。ちなみにその間、表情は緩みっぱなしである。ここが自室であるから良いものの、こんな姿を人に見られたらトラウマものである。
しばらく設定やら何やらに苦戦しつつも、小一時間ほどでようやくセッティングを終えた。
「ようやく、始められるぅ~」
割とここまでで体力を消耗してしまったが、ずっと楽しみにしていただけあってここで止めるという選択支は無い。私は改めて『another world online』とロゴのつけられたゲームを見た。
私はあまりゲームをやったことが無かった。けれども、あの日は友達の付き合いでゲームショップに行き、私は『彼女』に一目ぼれした。その子は背まで届く美しい金の髪をしていて、年齢は……多分小学生くらいかな? ちっちゃな背丈に似合わない大きな杖を一生懸命両手で持ち上げていて、その健気な姿に私の心は一撃で奪われた。……まぁ、ぶっちゃけゲームのパッケージの女の子だったんだけどね!
パッケージ裏を見てみると、『彼女』はゲーム内でプレイヤーが選べる種族の内の一つらしい。
私は即決でこのゲームを買うことに決めた。しかし、値段が高かった。私には到底手の届かない金額だった。だからこそ私は一定以上の成績を保つことを条件にお小遣いをアップさせることを認めさせ、半年の間無駄な出費をとことん削って、そして今日遂に念願のゲームを手に入れたということだ。
あぁ、もう楽しみで仕方ない。…………よし!!
さあ、いざあの子に会いに行こう。
11月8日、ゲームタイトルを『another world online』に変更しました。