さしあたって贈り物を。
国王になってから馴染んだはずの執務室。だが彼が入り浸ってからは彼の不在がどうも物寂しい。現在いるのは護衛を除けばラグドー卿のみ。この組み合わせも慣れ親しんだものではあるのだがいかんせん虚しさを感じる。
「それで、彼をガーネに送るのですか?」
「彼のことだ、何もなかったと言われようとも勝手に行くだろうからな。準備する期間だけは設けさせてもらった」
個人的意見としては彼には国外に出てもらいたくない。彼の存在はまだターイズにとって必要なのだ。とは言え彼は行動的な臆病者だ。自分自身でラーハイトとの因縁に決着を付けられなければ気がすまないだろう。
こちらにできることは国の役職として派遣し、滞在期間を設けさせることくらいだ。そうすれば護衛と称して監視をつけることもできる。
「ガーネですか……暗部の諜報結果を待たずとしても異様としか言えない国ではあるのですがね」
「そうだな。ここ数年の動きだけでも躍進的な変化を遂げている。ラーハイトの影が及んでいるかは定かではないにしても、彼の興味を引く要素は盛りだくさんだろうな」
ガーネ、ターイズの隣国で広大な平野を領土に持つ大国である。騎士が主となるターイズ、ユグラ教の聖職者が主となるメジス、それらに比べガーネでは軍がその力を振るっている。
王が力を持つと言う点ではターイズと変わらないがガーネでは徴兵制がある。特定の年齢になる若者は軍人としての訓練を受けさせられ、その後に一般生活に戻される。有事の際には国民も武器を手に取り戦えるように訓練を行うのだ。
平野が広く、食料の生産量が世界でも上位に入り人口の多さを誇れるガーネならではの政策だろう。兵の質で言えばターイズは桁違いの錬度を誇る。しかし数においては数十倍以上の差がある。
冒険者ギルドの規模も大きく様々な人種も多い。個としての戦力よりも役割としての戦術を好む彼には相性の良い国とも言える。そう考えるとガーネはターイズに比べ魅力的な点が多い。
自然の美しさではこちらが上なのだが、彼の住んでいた地域は田舎ではなく文明の発展している地域と聞いている。そう考え出すと彼をこの国に留めさせる要素があまりにも少ない。やはりこの国の女を娶らせ動かし難い基盤を作るべきであろう。
だが彼に先手を打たれて数で攻め落とす手段は使えない。そもそも彼に見合う女性がいるのであれば、自分とて候補に入れたいくらいのものだ。面白そうな提案につい二言で了承してしまったのを僅かながらに後悔している。
「いや待てよ。この勝負が長々と着かなければ彼もおいそれとこの国を出ないのではないか?」
「陛下、それはそれで我々が困ります」
流石にそういった身を切る方法は彼が許そうとも他が許してくれない。彼を他国に送りたくない。もしも他国が彼の素性を知り、彼自身を知ればきっと欲しがるだろう。
彼は凡人であると言っているが、こちらの世界にとっては非凡なのだ。第一どこの一般人が魔王の配下を追いかけると言うのだ。
「ラグドー卿、名案はないものか?」
「彼をこの国に居座らせる方法ですか……妻帯者となればあるいは。ラッツェル卿などはどうでしょう?」
「その会話はとっくに本人の前でやった、そして失敗だったぞ」
「ふむ、彼の好みがわからない以上は難しいでしょうな」
「あんなコロコロと性格の変わる人物の好みなど然う然う分かるものか。性格度外視の絶世の美女くらいしか案がないぞ」
外見の良さだけで言えば彼の周りの水準はとても高い。だが彼がなびかない以上彼が優先しているのは内面だろう。
「しかし彼に誠実に向き合えば彼とて陛下の気持ちを無下にはしないのではないでしょうか?」
「彼は過干渉を酷く嫌っている。あまり強く念を押し過ぎるのは避けたいのだ」
我ながら面倒な相手に惹かれたものだと溜息が出る。何であの男は男なのだ、面倒くさい。女なら即座に娶ったものを。
「だが方法が思いつかないのであれば仕方あるまい。友人として切に願うとするとしよう」
できることと言えばラーハイトの脅威を取り除く協力を惜しまないことだ。義理堅い彼の性格を考慮するのであれば少しでも恩は売っておくべきだろう。
--------------------------------------
本日は城の内部をイリアスと二人で適当に散歩中。連日でマリトの元へ訪れたのだが、今日は忙しいようで会うことはできなかった。せっかく城まで出向いたのでふらふらとしていると言うわけだ。
マリトがガーネに暗部を送り様子の変化を調べると言っていたが、ぶっちゃけただの時間稼ぎな気がしてならない。希少な人材を国に残したいマリトとしてはこちらにガーネに行かれるのは困るのだろうが、そうほいほいと世話になった相手と縁を切れるほど薄情者ではないというのに。
そりゃあ移住するだけならばそう難しい話ではない。だが『犬の骨』のように自分好みの食事処を用意したり、イリアス家のような住み心地の良い家を見つけなおさねばならないのですよ。
人間関係とてそうだ。こちらで構築した人間関係が完全になくなると言うわけではないが、住む国が変われば当然疎遠になる。人間交流が好きではない人種にそれらのリセットは辛いものがある。
そもそもこの国に対しては愛着すら湧いているのだ、それを捨てるのはかなりの勇気と覚悟が必要となる。例えガーネが日本顔負けの文明都市だとしてもターイズを捨てて移り住む気にはなれないだろう。
まあ気持ちを切り替えてガーネでの行動方針を考えるべきだ。ガーネに向かうことはそう遠くはない。滞在期間は一ヶ月程度だろう。探索するにしても効果的に行う必要がある。
「どうした、いつになく悩んでいる顔だな」
「まあな。実はマリトと相談した結果ガーネに行くことになった」
「そうかガーネに――いや待て、聞いてないぞ!?」
胸倉を掴まれぐらんぐらん。いやー懐かしいというか死ぬ。精神的慣れはあっても、ゴリラに胸倉を掴まれ揺らされる肉体的脅威は決して揺るがないのだ。
「待て、そうやってすぐに力尽くで問い詰めるのは止めろ!」
「君のそういう突然の発言が悪いのだろうが!せめてもう少し段階を踏まえてだな!」
「結論に行き急ぎたいんだよ。それはともかくだ。ラーハイトの痕跡を追うにあたってガーネでの調査が必要な気がしていてな」
先にマリトに大まかなガーネの現状を調べてもらい、その後自分で捜索すると言う流れになった話をする。
「君自身がラーハイトを追い詰める必要はあるのか? 陛下とて君を守るためならば尽力してくださるだろう」
「何と言えば良いか、あれだ。ムカデ――毒虫が家の中で見つかったとして、それを処理しないまま放置していたらぐっすり眠れないだろう? 他の奴に任せるより自分の手でしっかり処理しないと安心できないと言うか――まあそんな感じだ」
「気持ちは理解できるが、相手を虫扱いはどうなのだ」
それはごもっとも。しかし日常会話で通じるケースとしてはこれが分かりやすいのです。
「しかしだな、いきなり国を出て行くと言われるとだな……」
「先に勘違いを正しておこう。マリトが正式にターイズの者としての滞在許可を申請するか、もしくは個人での滞在になる。前者なら一ヶ月程度、後者ならまあ長くて半年程度の滞在になるんじゃないのか? 終わったら帰ってくるぞ」
「そ、そうなのか。しかし誤解を与えないように説明できないのか君は」
「掴みかからずに落ち着いて説明を求められていれば誤解なんて生まれないんだがな」
「むぐ……」
とは言えこちらも結論から話す癖がある以上改善の余地はありますです、はい。からかいついでの故意犯的な気持ちもあるのだがそこは内緒。
「悩んでいたのはウルフェとラクラの面倒を誰に頼むかと言うことだ。イリアスだけで二人の面倒は大変だろう?」
「それはそうだが――いや、君一人で行くつもりなのか!?」
「そりゃあそうだろう。イリアスはこの国の騎士でウルフェは色々学習中の身なんだ。ラクラの面倒はエウパロ法王から頼まれたがガーネの調査に連れて行くわけにもいかないだろう」
「……君は自分の弱さを自覚しているのか?」
酷い返し方である。普通の男の子ならこれで心が折れかねない。
「ターイズ国の者としての滞在ならマリトから護衛が付けられるだろうから問題はない。ダメだった場合は一人になるが、護衛が必要なら現地で冒険者でも雇うさ」
「私が陛下に進言すればきっと陛下が私を護衛に――」
イリアスは言葉に詰まる。その先を断言できないからだ。理由は分かっている。
「そこまで言ってようやく気付いたか。マリトがこれ以上お前を護衛に付ける保障はない」
ラーハイトの脅威が発覚した後に要人警護の任務を与えられたイリアス。しかし彼女は失敗してしまったのだ。相手が三人掛かりだったとは言え、周辺にいた民の安全に気を取られ、一番の護衛対象を誘拐され脅迫の材料として使われた。
結果こそ無事で良かったとしてもその評価は芳しくないだろう。だがイリアスの行動が間違いだったと言うわけではない。ギリスタが周囲の人間を襲おうとした時、注意を促し止めさせたのはこちらだ。少なくともあの場で一般市民を見殺しにできる判断を下せた者はいない。
マリトやラグドー卿ならば迷うこともなかったのだろうが、こちとら正義感に揺れる若者なのだ。ちなみに現段階では護衛の任は解かれていないものの、マリトのいる部屋への入室許可が出されていない状態だ。それだけされればマリトを怒らせていることはイリアスも察することはできるだろうさ。
「……そうだな。咎めがないだけ温情なのだろうな」
「こちらとしてはイリアスがついてきてくれれば心強いんだがな。それにはマリトを説得する必要がある」
マリトを説得すると言うのは骨が折れる作業だ。こちらにはとてもフレンドリーな態度を見せているがその実、譲るところしか譲らない男だ。
当然ながらイリアスの立場では一回目の拒否で話は終わる。王と一介の騎士の立場では交渉の余地すらない。可能性があるとすれば友人扱いされているこちらだけだろう。
「幸いにもマリト側で用意する時間を要求してきたんだ。それまでにできるだけ手は回すつもりだ。だが期待はしないでくれ」
「……ああ、わかった」
イリアスの落ち込みっぷりが激しい。今まで警邏の仕事ばかりで責任ある仕事での失敗はなかった。女性としての差別を受けた悔しさならいざ知らず、自分の実績が正当に実らなかったのだ。他者のせいでなく自分の責任というショックは大きいのだろう。
護衛を付けられるのならば当然イリアスが好ましい。実力も信用もあり、こちらとしては親しみも高い。確かに護衛としては判断の甘い面も見せたが、ガーネでは守るべきターイズの民はいないのだ。同じ失敗を繰り返す可能性もないだろう。
このまま落ち込ませたままで別れるのも忍びない。どうにかしてやりたいものだ。
「――庭園でも見に行くか」
気分転換にはあの見事な庭園は良い場所だ。マリトが自負するだけあって、その場にいるだけで心が安らぐ。イリアスには花を愛でる風習はないがそれでも気晴らしにはなるだろう。――それはそうと小腹が空いた。先に何か軽い食事を貰いに行くとしよう。
城にある厨房に顔を出す。本日も多くの作業員が忙しそうに作業をしている。王様に出す食事だけではない。城に勤務する騎士や高官、番兵達の昼食なども用意しなければならないのだ。
城に来る時には食事が出されるのだが、中途半端な時間に来た場合はこうやって厨房に顔をだして簡単な賄いを貰ったりしている。そのおかげで厨房のおっちゃんとはそこそこ親しい仲だ。
「おっちゃん、また来たぞ」
「おう、陛下のお気に入りの兄ちゃんか。とと、隣にいるのはラッツェル卿じゃないですか」
「ああ、邪魔してすまない」
「いえいえ、ラッツェル卿も小腹を? せっかくですから何か用意しますよ」
「いや、私は――」
「せっかくだから付き合え。一人で食べているところを凝視されても味気ないだろう」
「……わかった、軽めにいただこう」
ここの料理は当然ながら美味しい。塩をほとんど使わないので個人としてはパンチが弱いのだが、その調理技術は大したものだ。
トレイに簡単な食事を乗せて厨房の裏庭に回る。従業員などが休憩したりしている場所だが今は人気もなく静かだ。人に見せるための庭ではない筈なのだが小さいながらも花壇が手入れされており、見る者の心を和ませてくれる。
「マリトの庭園に比べれば小規模だがこれはこれで味があるよな」
「……そうだな」
心ここに在らずと言った感じだ。マリトの庭園に連れて行っても効果はないんじゃないだろうか。
こちらが武人なら憂さ晴らしにでも付き合ってやれるのだがイリアス相手では体が持たない。イリアスの気晴らしになるレベルとなるとラグドー卿や他の騎士団長の方々だが状況が状況だけに誘い難い。
イリアスがサイラのように一般的な女性ならばそれなりに楽しませる方法も思いつくのだが……そうだな、サイラにも頼むとしよう。
「わっせ、わっせ、ふぅ」
色々考えていると若い給仕のメイドさんの一人が菜園道具をわんさか抱えてやってくる。どうやらこの裏庭の手入れをしている者のようだ。
「わわわっ!? ラッツェル卿!? それとええと――」
「――尚書候補の者だ」
一応実際に尚書候補にはなっている。しかし今更過ぎるけど尚書って言い方古くない? ラクラに至ってはその呼称で馴染んでしまってるからなぁ。中国辺りで使われていた呼称と言うのは日本で生活している際の読書で知っていた。
その結果か、マーヤさんの憑依術による翻訳にはこう言ったきょうび聞かないような単語がちらほら使われている。本格的にこの世界の言語を取得すれば問題ないのだが、いかんせん取得に時間が掛かっておるのです。
そうだ、ガーネに行くならその間の憑依術の維持も考えなければなるまい。その辺をマリトに指摘されたらガーネに行くことも難しいぞ?
「ええと、それでは尚書候補様とお呼びすれば――」
「それじゃこっちは裏庭担当のメイドさんと呼ぶことになるな。役職についているわけじゃないんだ。気軽に接してもらって良い」
「あはは、それじゃあお兄さんでよろしいですか?」
メイドにお兄さん呼ばわりか、需要と供給に合わない感じだが悪くはない。兄ちゃん呼びの人口率はいかついおっさんが多いので、ここは女子率を上げることを受け入れよう。
「ああ、それで裏庭担当のメイドさんは?」
「私はルコと申します。未熟者ですが給仕係としてこのお城でご奉仕させていただいています」
年はイリアスより少し上だろうか、ラクラやマリトと似た年代と見て良いだろう。しかし久々に女性らしい女性と遭遇した気がするなぁ。
イリアス、ラクラ、ギリスタ、リリサ――はラーハイトが中身だったから忘れよう。
「給仕係なのに裏庭の手入れをしているのか」
「これは休憩時間に趣味でやらせてもらっています。私園芸が好きで家でも花を育てているんです。ここって何もなくて寂しい場所だったので……」
「素人目でも丁寧な仕事だと分かるな。好きで腕も悪くないんだ。マリ――陛下の庭園とかの仕事とかすれば良いだろうに」
「とんでもない!あの庭は陛下がご愛好しているターイズきっての職人さんが管理していらっしゃるのですよ!」
そういえばそんなことを言っていた記憶もある。まあ園芸が趣味のマリトのことだ、多少腕が良いからと自分の自慢の庭園を任せることはないだろう。
「だがああ言う庭園には憧れないか?」
「それはもちろんです。私も将来的にはその一端に関われたらと夢見る時もあります」
サイラほどの熱意はないにせよ、憧れを抱く者の姿は見ていて悪くない。日々の合間にこれだけの技術を身に付けるのにどれだけの長い年月を掛けてきたのか。花のチョイスや位置付けも、こうやって休憩している者が眺めた時に美しく見えるように気を払っている。違う種類の花を同じ花壇で手入れするのは大変だろうに。あの豪華な庭園に比べれば見劣りするが、これはこれで愛着が湧くものだ。
「休憩の折に眺めるにはもってこいだ。またちょくちょく見に来させてもらっても良いか?」
「もちろんです。お兄さんも園芸がお好きなのですか?」
「素人の物好き程度で得意って程じゃないけどな。家では小さなプランターで野菜を作っている」
「良いですね!私もお花がメインですけれどお野菜もちょこちょこ育てたりしていますよ!」
「そりゃその年で野菜作りに精を出すメイドがいたら、給与を上げてやれと陛下に言ってやるよ」
「あはは、お兄さんは勇敢なのですね」
ルコと一頻り会話をしたのだがイリアスはほとんど乗ってこない。近しい年代だろうに、親しくなろうと言う気は……今の気分じゃ仕方ないか。
ルコもその様子を察してかイリアスに対して積極的に会話を持ち掛けないでいる。しかしやはり気になるのだろう。ヒソヒソ声でこちらに尋ねてくるのであった。
「あのお兄さん、ラッツェル卿は何故あそこまで落ち込んでおられるのですか?」
「とある失敗をして相手の期待を裏切って怒らせてしまってな、それで凹んでいる」
「それで……繊細な方なのですね」
「ある意味ではな。そうだ、そういう相手に花を贈る場合にどういった物が良いか詳しいか?」
賄賂と言うほどではないが、マリトと交渉するのなら何らかの贈り物を用意するのは悪くないだろう。そりゃあこっちの永住権を見せれば食いつくだろうが、そういった重いものは控えたい。
「そうですね……うーん。時間をいただければ私が用意しますけど……どういったお相手なのですか?」
ここでマリトの名前を出すべきだろうか、恐れ多いと拒否されるかもしれない。しかしせっかく用意してくれるのだからきちんとした情報は提示したい。
「――陛下の様な人だ。ついでに園芸好きな所も一緒だ」
「まあ、それでしたら鉢植えでも良いかもしれませんね」
「ああ、自室にも植物を置きたいと言っていたな」
そんなこんなで丁度いい形で贈り物の用意ができた。贈り物一つで心変わりするとは思わないが、多少のリラクゼーション効果は狙えるだろう。
「はっ、もうこんな時間!休憩時間が終わってしまいます!?」
「話に時間を取らせてしまったな。こっちは暇をしていたところだ。手伝おう」
「ありがとうございますお兄さん!」
二人でわっせわっせと手入れを済まし、道具を倉庫に運んだ後にルコとは別れた。しかし普段のイリアスなら手伝いくらいするだろうに、余程堪えているのだろう。言わなきゃ良かっただろうか、しかし遅かれ早かれガーネに行く準備はするのだ。
全部伏せておいて当日までにマリトを説得しておいた――とかなら良かったかもしれないが、イリアスは隠しごとをされるのが嫌いだからなぁ。少しはラクラのような自由奔放な生き方を――いや、それは止めて欲しいわ。