そして反撃する。
兵を後から集結させる魔王様の采配の意味、それは魔王様の力を受ける者が多ければ多いほど周囲への影響力が増し、本来影響の薄いはずの人間達に闘争による恐怖を植え付けることができるというものであった。
敵軍はこのことを引けぬ位置まで知ることができず、そしてそれを目の当たりにして絶望していることだろう。誤算があったとすれば紫の魔王の魔物達の介入により一度の戦いで勝負がつかなかったこと。数だけは優れている悪魔どもの総攻撃は被害こそ微々たるものだが相応の時間を奪われることとなった。これにより人間達は立て直す時間を得て、こちら側は休息を余儀なくされた。
だが人間にこれほどの差を埋める手段はない。そして兵の休息は十分に取れた。引くこともできず、次の戦闘ではより明確に兵力の差を示すことができるだろう。
「魔王様、各隊の体力も十分に回復いたしました」
「そうか。だが次の戦いで雌雄は決定する。もう少し余力を蓄えさせる」
「はっ!」
魔王様も次で勝負が決まると考えておられる。ここから先の進軍を許せばこちらの隊は縦横無尽に敵陣地を巡ることができ、敵も散開せざるを得なくなる。ただでさえ戦力差がある状態で散開してしまえば各個撃破の良い的になる。敵が各個撃破を狙おうにもこちら側の耐久力は十分、迎撃している間に他の兵が合流できる。
勝利を確信できるということはこれほどまでに高揚できるものなのか。爪を振るい、敵を殺す快感にも勝る素晴らしい気分だ。だがここで油断は許されない。紫の魔王の軍勢の大半は削いだが残りはいる。蒼の魔王の動きもまだ満足に確認できていない。全てをひっくり返される可能性はないにせよ、思わぬ苦戦を強いられる要素はまだ残っていると考えておくべきだろう。
そう思った矢先、ガーネとメジス、両陣営からの動きがあったとの情報が入ってくる。これは……?
「どうかしたか」
「それが、集結した我らの隊の周囲を少数の騎馬が囲むように……騎士達は何を……いえ、乗っているのは騎兵ではなく聖職者のようです――!?魔王様!敵兵が我らの軍を覆うように結界を展開!地上にいる魔物達との意思疎通が妨害されています!」
閉じ込めるための結界ではない。これは明らかに我々の連携を絶つための手段だ。いや、待て、まさかとは思うが――。
「我が力が魔物に及ばぬようにと試みたつもりだろうな」
「そんな!?それでは我々の隊は――敵が動きました!見える範囲の兵全てがこちら側に突撃を仕掛けています!」
「喚くな。ユグラの与えた力は通常の魔法とは違う。あらゆる領域を凌駕し、世界の理に触れる禁忌の力。結界程度で防げるものではない」
魔王様はそう言って力を発動する。すぐさま現地にいるハーピィ達に自軍の変化を確認。結界により地上の魔物の詳細な状況は掴めずとも、その影響は正しく機能している。これなら迎え撃つことは問題ない。結界も物理的なものではなく、こちらの意思伝達の手段を防ぐためだけに使用しているようだ。
「戦闘に入りました!こちらの軍が圧倒的に優位なようです!」
「メルサシュティウェル、敵兵の様子を詳細に確認させよ。結界が通じないと分かってなお戦闘を開始するのであれば策の一つや二つあるはずだ」
「直ちに!――敵は一定間隔に聖職者を配置、周囲の仲間への結界を展開して魔王様の力の影響を防いでいるようです。それと……これは……敵兵の武装が大幅に変わっています!ほぼ全ての兵が盾を持ち、大盾を装備する者も多数!」
「やはりか。敵は我が指揮を妨害し、防御に専念し力を浪費させるつもりのようだな」
反撃する機会すら捨て守ることに徹すれば、多少の格上の相手でもそれなりの時間を凌ぐことはできる。我々の軍は制限時間つきでの戦闘となる状態、その選択は効果的だろう。しかも地上にいる魔物達には命令を送ることができない。魔王様の力に対して抗うのであればなるほどこれ以上にない手段だと思える。
「長引くようなら直接ハーピィを地上におろし、指示を伝えましょうか?」
「必要がある時までは不要だ。守りに徹したところで戦力差は明白。それに数が減るのであれば今こそ好機であろう。それに我が『闘争』の力は活路を見出す能力も向上させられる。我が指揮がなくともある程度の最適解は取れる」
「――どうやらこちらの軍は盾持ちよりも聖職者を襲うことを優先しているようです。無理に守ろうとしたところに対象を変え、徐々に敵の数を減らしています」
「それができているのならば問題はない。聖職者が死ねばそれが守っていた兵達は『闘争』の力の影響を受け、盾を構えるだけの木偶になる」
ただ人間の方も死に物狂いで聖職者を守っている。着実に圧してはいるが時間を稼がれるのは避けられない。だが人間達はまだこちらの戦闘可能時間を正確に把握しているわけではない。むしろこれは賭け、魔王様の力に耐えきれず我が軍が自滅することを祈っての捨て身の策とも言える。
「――!?敵の援軍です!どちらの方にも新たな人間の兵、それにこれは……蒼の魔王のスケルトン兵です!」
「人間の兵――装備はどうなっている」
「武器は盾が主体ですが、鎧がガーネ兵ともメジスの聖騎士とも違います。ターイズの騎士でもないようです。恐らくはクアマの兵かと!」
兵数を確認し、地図上に再現させる。しかしここで更なる援軍とは……クアマは自国を守ることに専念しているような動きだったが……ガーネやメジスが落とされれば次は自分達だと焦り出したか?
「総力を挙げて耐久戦を仕掛けるか。潔いが希望を抱きすぎたな。確かに『闘争』の力は弱い魔物には多大な負荷を掛ける。だがその負荷は『闘争』の力を使っている間に現れることはない。下級の魔物の大半は力尽きることになるがその時には敵の大多数が死んでいるだろう」
魔王様の宣言通り、数こそ増えたが魔王様の力によって強化された魔物の攻撃をいつまでも捌ききれるわけもなく、聖職者を失い、動きが止まった兵が次々に捻じ伏せられていく。
このままならば、上手くいけば下級の兵も失わずに勝敗が決定するやも……。
「我が軍を囲んでいる聖職者はどうしますか?今ならハーピィ達に命令し各個撃破も十分に狙えると思いますが」
「不要だ。『闘争』の力を使用されてなお維持しているということは我が指揮を徹底して防ぐつもりだろう。その周囲に不可視の魔法で姿を隠している騎士や弓兵が潜んでいる可能性が高い」
「確かに……これ見よがしな無防備状態というのは罠の可能性の方が高いですね。浅い思慮、申し訳ございません」
焦る必要はない。確実に人間の数は減らせているのだ。スケルトン兵の妨害こそ邪魔だがその兵の強さも大したものではない。中級、上級の魔物が前に出れば造作もなく砕かれるだけの雑魚に過ぎない。注意すべきは戦況ではなく周囲の変化。新たな策による状況の変化に対応すべきだ。
だがそんな心配事はよそに、敵兵は徐々に減り続け、そしてついに撤退を始める者達が現れた。いや、これは撤退ではない。逃走だ。武器を捨て、我さきへと戦場から逃げ出そうとしている。
「魔王様、敵に敗走者が現れ始めました」
「この戦況で逃げる兵に今後を守り切れることはない。逃げる兵を無理に追わせる必要はない。どの道敵兵全てが撤退しない限り『闘争』の力を得た魔物は目の前に残る者を優先する」
逃走するということは心が折れたということ。人間の勝利よりも自分の命を優先する者に戦場で戦う資格はない。むしろ残された者がより窮地に追いやられただけ。もはや負けはない。あとはより早く残りの兵を倒せば済むだけのこと。
しかし、流石に残っている兵ともなると自前で結界を展開できるような腕に自信がある者が多く、こちらの猛攻をしぶとく防いでいる。その大半がターイズの騎士で構成されている。人間の兵の中では間違いなくターイズの兵が強い。だがその主戦力もそう長くは持たないだろう。
「……」
報告を何度も受け、地図を再現する作業を続けるも長い。減ってはいるのだが数が減るほどにその守りが強固になっていくかのようだ。私自身が見積もった時間は既に大きく過ぎ去り、苛立ちが増していくのが自分でも分かる。
恐らく下級の魔物は今後まともに戦えないだろう。中級も大幅に弱り、上級とて疲労が確実に残る。これは我慢比べ、敵が力尽きるか、こちらの限界がくるか。有利なのはこちらだ。だからこそ手を緩めることは許されない。魔王様もそれを理解した上で力を解こうとはしていない。時間は刻々と過ぎていく。
「――根競べに後れを取ることになるとは、流石はターイズの騎士といったところか。そろそろ中級も限界に達する頃だろう。メルサシュティウェル、ハーピィを降下させ後退の指示を出させろ」
「は、はい!」
ハーピィ隊に指示を出し、降下させる。撤退の旨を伝えている間は敵の張った結界により意思疎通はできないが、ユニーククラスの者達が力尽きることはそうそうないだろうし、直ぐに動きはあるだろう。
程なくして再び上昇して結界外に逃れたハーピィが情報を伝えてくる。これで問題なく撤退を……え?
「ま、魔王様!各隊の隊長格が撤退を拒否!全ての隊が戦闘を継続させると後退の指示を無視しております!」
「――何だと?」
ありえない。確かにユニーククラスの者達は皆戦闘を恐れない者達だ。もう間もなく潰えるだろう騎士達を前に撤退を渋る気持ちがあるのは理解できる。だが後退の指示を出しているのは私ではなく魔王様だ。誰もが魔王様の命令に反する行動を取るなどあるはずがない。
誰もが魔王様との力の差を身と心で知っている。そんなことをすれば自分の命がないと誰もが理解しているはずなのだ。
「それが……私個人が後退を指示しているのだろうと、聞く耳を持たないようです!」
そんなわけがない。そんなことをすれば魔王様の傍にいる私の首が地面に転がるだけだ。他の隊の功績を妬むなど、魔王様の機嫌を損ねることに比べれば些細すぎる感情だ。他のハーピィを降下させ、魔王様に逆らうつもりかなどと説得をするも効果はない。
「『闘争』の力により正常な判断を失ったか。いや、だがユニーククラスの者達は自己での発動が可能となっているはずだ。そこまで苦戦していたのか」
「いえ、そのような報告は……」
時折各隊を任されているユニーククラスの者達には戦況の所感も確認していたが、『問題ない』の繰り返しだった。空からの情報と照らし合わせても圧倒的なのだから当然だとは思っていたのだが……だが魔王様の力を使うと宣言した者は誰もいなかったはずだ。
「止むを得まい。これ以上の戦闘は兵をさらに失うことになる。『闘争』の力を解除し、冷静にさせるほかあるまい」
「ですが今は交戦中で……」
「敵の大半が盾持ちならばそこまでの反撃手段はもつまい。得意な武器を捨ててまで守りに徹していたのだ。相手側の疲労も相当であろう」
魔王様は力を解除する。これならば馬鹿な奴らでも魔王様の指示であることを自覚し、慌てて避難するはずだ。魔王様の手を煩わせるような真似をするとは、同じ魔界の者として情けない限りだ。処断される時には盛大に嘲わらってやろう。
魔王様の力を解除したことで撤退は開始するだろうが、敵の反撃があるかどうかで魔王様の指示も変わってくるだろう。ハーピィに状況確認を行わせる。どのみち敵兵の数は残り僅か、我々の勝利は揺るぎな――
「――え?」
待て、待て待て待て!なんだ、なんだ、なんだこれは!?ありえない、ありえない、ありえない!?
「どうしたメルサシュティウェル」
「あ……あ……て、敵兵が……全て復活しています……」
「――なんだと?」
「敵兵の数、戦闘前と変わらず!我が軍に向かって進撃中です!」
もはや奇策などと言う次元ではない。戦い、敗れ、死に絶えた敵兵達が、まるで何事もなかったかのように存在している。蒼の魔王の力は死者をアンデッドとして蘇らせ、使役する。だがハーピィの報告では間違いなく相手は生きた人間だ。そもそもこんなこと、どの魔王にも、いや、ユグラでさえもできるはずがない。
いや、どうやったかを考えている場合ではない。こちらの兵は間違いなく消耗している。下級は間違いなく動ける状態ではなく倒れる者が続出している。中級も息絶え絶えで上級ですら明確に疲労している。そして目の前には迫りくる敵の軍勢。
「……ユグラの星の民か」
背筋が凍る。魔王様が間違いなく憤りを抱いている。誰もがまともに逆らわなかったからこそ味わったことのない感覚。少なくともその存在はかつてない屈辱を魔王様に与えてしまったのだ。
◇
「こりゃ中級まで役立たず状態だな。ただ再度『闘争』の力を使った際に元気になる可能性も考慮して動くべきだろうけどな」
望遠鏡から見る敵兵の消耗っぷりは非常に惨め。表情の分かり難い獣の顔だろうとその狼狽っぷりは嫌と言うほど伝わってくる。そりゃあ当然だ。何せずっと待機状態だったのにも関わらず、延々と『闘争』の力の影響を受けていたんだからな。
「人間、ハーピィの司令塔が現状報告をと煩い。どう答える?」
「見たままで良いさ。それにしてもいい仕事っぷりじゃないかデュヴレオリ。一匹くらいとり逃してどこかでバレることを想定していたんだが、完璧過ぎる仕事だ」
「私のミスを想定で動くな。私は言われたことはきちんとこなす」
「悪い悪い。でもデュヴレオリは完璧でもデュヴレオリが指揮する悪魔達はそうとは限らないだろう?」
「私の指揮が未熟だとでも?」
「指揮官が完璧でも末端はそうはいかないものさ。それはコレを仕掛けたお前が良く実感できているだろう?」
状況を確認するために降下しているハーピィを望遠鏡で見る。そのハーピィの頭部には悪魔が張り付き寄生しているかのようだ。各戦場の上空にいる全てのハーピィが同じ状況となっている。
緋の魔王が魔法に長けた人物ではないことは『金』達の情報から既に判明している。それでも戦場の状況に応じて素早く『闘争』の力を付与させられていたのは、上空にいるハーピィ達が常に情報を集め、緋の魔王の傍にいる纏め役に戦況を伝えているからだ。ガーネだけを攻めるだけならまだしも、メジスの両方を一緒に攻略しようってのは流石に贅沢が過ぎる。何より『私は直接戦場を見ていません』と宣言しているようなものだ。
念のため『闘争』の力の発生源を各地にいる悪魔達の感受性を頼りに確認したが、緋の魔王は今現在もガーネ魔界とメジス魔界の境界線の傍から動いてはいない。拠点である洞窟からは出ているようだが『闘争』の力を均等に飛ばす位置取りを優先している。
敵兵の構成から考えるに情報の纏め役はハーピィのユニーククラス、つまるところこの上空にはいても上級のハーピィまでしかいない。なら『紫』の手駒だけで十分対応は可能ってことだ。
デュヴレオリの背後には執事服を着こみ、『駒の仮面』を装着した上級悪魔が大量に控えている。これが『紫』の新たな主戦力、量より質を最優先したバトラー・アーミー。その全てが通常のユニーククラス以上の化物集団だ。かつてのユニーククラス軍団に比べれば個々の能力は低いが、その忠誠心はデュヴレオリの監視の下抜かりはない。上級悪魔達も自分よりも数段階上のデュヴレオリに逆らう気は毛頭ない上に、デュヴレオリの下にいれば『紫』の配下ナンバー3が狙える位置なので非常にやる気がある。欠点としては全く見分けがつかないという点だろう。そんな彼らによって上空のハーピィは音もなく捕獲、悪魔を植え付けられ完全な手駒と化している。
後は簡単、適度に人間達が善戦している誤情報を流し込み『闘争』の力を誘発、可能な限り継続させ続けた。本当はもう暫く偽の戦場を見せ続けたかったのだが緋の魔王が『闘争』の力を解いたということは下級、中級の何れかが限界が近いとの判断。撤退しないと言う情報に疑惑を抱いていたのでバレる前に本当の景色を見せて更なる混乱を狙った。
ただ地上にいるユニーククラスが直接魔王に意思伝達を行う可能性もあって、周囲の結界だけは本物だ。こちらは三人の魔王の協力の下ノラが編み出した結界を有効活用させてもらっている。物理的な結界でない分範囲も維持も楽なのがありがたい。これを仕込むために目の良いターイズの騎士や聖騎士達には『上空の魔物は攻撃してきた時以外は手を出さないように』と事前に通達しておいた。魔物達の方にも申し訳程度に残った下級悪魔を適当にぶつけたり、ターイズの騎士に周囲をぐるぐる回るだけの牽制をやって貰っている。
予想外に長引いたが中級までダウンしてくれたのはありがたい。あとは上級とユニーククラスのみ。『闘争』の力で相手が一段階格上げしての反撃の余力はあるとしても、少なくともこちらのバトラー・アーミーをぶつけるには格好の的だ。
メジスの方は現存の兵力で頑張ってもらう他ないが、いざとなれば『蒼』もいるしこちらが片付くまでの時間は十分に稼げるだろう。そもそも相手には即座に攻め込む気力はもうない。
「アレだけの軍勢がこうまで惨めな姿になるとはな。緋の魔王の力に対抗するどころか、それを活かして追い込むとはな……よもや主様の『籠絡』の力にも似たような策を持っているわけではあるまいな?」
「『紫』の力は一対一の能力だからな。騙すにも限度がある。名前を秘匿するのが一番の対抗策だろうよ」
ないわけではないが、それを口にすることはしない。『紫』は喜ぶかもしれないが、デュヴレオリに対する『俺』への脅威度は今くらいが丁度良い。最終的には『俺』よりも『紫』を選ぶことには違いないのだし。
「それで、もう仕掛けても良いのか?」
「ああ、ただ緋の魔王の『闘争』の力の解除のタイミングを見るに、中級がまだ抵抗する力が残っているかもしれないってことは念頭に入れておいてくれ。ユニーククラスの方はこっち側の強者で各個撃破だ。緋の魔王がこの絡繰りに気づいて、対処を行うまでそう時間はないだろう。それまでに一気にケリをつけるぞ。しっかりと功績を稼いでこいよ」
「無論だ。私が前線に出るために残られた主様の前に手ぶらで帰れるはずがない」
デュヴレオリが前に出るということは、『紫』には安全な場所に待機してもらうことになる。一緒ならば前に出れるのだが、そうなるとデュヴレオリは常に『紫』の傍にいることを頑として譲らないので、前線で自由に動かすためにはこういう形をとらざるを得ない。当の本人も戦闘を楽しむ性格ではあるのだが、まあなんというか見守る立場の者達がハラハラしそうなので我慢してもらった。
「ところで人間は戻るのか?そちらの手駒もこの戦況を片付けるには最適だと思うが」
「ああ、一応イリアスだけを護衛にしてウルフェとミクスにも戦闘に出てもらうつもりだ。『俺』が前に出るのは心配する人間が増えるからな。遠くで応援しているぞ」
ウルフェ自身も結界は張れるようになっているが、ミクスを付ければその影響は抑えられるだろう。変化の兆しの特徴も伝えてある。さあ、反撃開始だ。
コミカライズの件ですがマグコミの異世界マンガ特集から発表があったのでこちらでも。
九州人なので打ち合わせ等をほとんど一二三書房さんにお任せているので、なかなかに仕上がりが楽しみです。