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Allerger  作者: かーぼ
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【陽光】

プロローグ

 雲が紺青の海に落ちていく頃に、煌く太陽はバトンを受け取った。

ある方向へ、一定の速度で、日を重ねても、やることは同じであった。


「そうだ、メイカってさ、バレンタイン誰にあげるの? もしかしてあげないんだったり?」

カーテンの隙間から、ガラス窓を突き破り刺さる陽光に目が眩んだ。

「いや、興味なくってさ…」

停滞する陽光は頬の赤らみを丁度良い具合に隠してくれた。

別の隙間には、陶器製のコップに注がれた紅茶を啜る音のみが響いた。


 これが、日々だ。

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