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61話 第三章 第三節 盗聴

 ローラ、ジェイニー、ツバサは酒場の奥の化粧室に移動していた。化粧直しでもするのだろうか。いや違う、ローラが合コン相手の様子を伺う準備始める。


「ちょっと、男性陣の様子を見てくるから」


 ローラがそう告げると、不可視化のスキルを使用した。ローラの姿はたちまち消えてなくなった。厳密に言えば見えないだけだ。その場にはいる。ローラの職業は盗賊。盗賊特有のスキルに自分の姿を消すものがある。


 そして透明になったローラが男性陣の様子を伺うため、男性陣の座る席へと静かに移動した。


「なぁ、マカさん? 今日のセッティングはどうよ?」


 ブラスト炎陣がマカラズヤに尋ねた。


「結構可愛い子揃ったね。なぁ、癒し?」

「そうだね」


 男性陣からの評価はまずまずのようだ。それを聞いたローラは不可視化状態でニヤリとした。


「ブラさん? 誰が好み?」


 マカラズヤが質問した。


 その言葉を聞いたローラは、耳に手を当て聞き漏らさないように注意を払った。


「あの、ツバサちゃんって子が、気が効くし、いいな」

「やっぱり? 俺も同じだよ」


 ブラスト炎陣から返ってきた言葉にマカラズヤは同意した。


「癒しも、そう思う?」

「そうだねー。ヘロちゃんほどじゃないけど」

「癒しは、ヘロばかりだからねー」


 男性陣のやり取りを聞いていたローラは眉間に皺を寄せた。不可視化のスキルのおかげで男性陣にさとられることはなかった。しかし、不可視化のスキルが解けるのではないかというくらい憤慨ふんがいしている。


ローラはこれ以上聞くにえられないのか、ジェイニーとツバサの元へ戻って行った。


「マスター? どうしたんですか? 顔が怖いですよ」


 ツバサが不可視化を解いたローラに質問した。ローラは質問に答えることなく、無言のままだ。怒りの原因はツバサだからだろう。


「とにかく、戻りましょう」


 ここで、どやしたところで何もならないと思ったのか、ローラは席に戻るようジェイニーとツバサに告げた。

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