45話 第六章 第七節 部隊の崩壊
「あっ……」
トウカの顔色が悪い。ショウが攻撃をやめ、切り払うのに全力になってからの出来事だ。ショウの防戦一方の状態を心配しているようだ。
トウカは自分の持つ剣を見つめた。そして、腕に力が入る。剣を握りしめカマキリを睨にらみつけた。
「あんたっ! 何やってるのよっ!」
トウカは剣を振り上げ、敵に突撃した。
「おい、トウカ来るんじゃない!」
ショウの制止は聞き入れられなかった。そして、すでに遅かった。カマキリがトウカに照準を会わせると、カマがトウカに振り下ろされた。
「ぐっ……」
トウカをかばうようにショウが覆い被さる。ショウの腹部にはカマが刺さり、ダメージ特有のエネルギーの流出。そして、毒と麻痺に侵おかされた。
「トウカ……、大丈夫か……」
「あんた……」
トウカは目を見開く。次第に、トウカの目は潤み始めた。
「トウカ、逃げろ……。状況がまずい……」
トウカは、首を横に振った。そして、ショウを抱き寄せた。
「いやだぁ、やだよ……」
カマキリが次の攻撃に備えカマを振り上げた。トウカはショウを力強く抱き寄せた。トウカが目を瞑る。為す術がなかった。