43話 第六章 第五節 出撃
向かうは、村の西側。村を出ると、壮大に広がる草原が姿を表した。昼間であれば、地平線まで望めるであろう風景。しかし、今は月明かりのみ。視界は僅か。モンスターすら視認できない。
5人は陣形を組み草原を進んだ。陣形の形はまるで、サイコロの五のような形になっていた。前方右舷がツバサ、左舷がショウ。真ん中がトウカ。そして後方の右舷がミサキ、左舷がトモであった。
第三クラス探知魔法――ユニットサーチ――
ショウは、ユニットサーチの探知魔法で敵を確認しながら進むことにした。マップには無数のモンスターを示す赤い点が表示された。
「ツバサ、そっちにモンスターが数体いるぞ。接近してきている」
ショウはモンスターの赤い点をマップ上で追っていた。
「ショウ先輩、OKですっ!」
すると、ツバサがモンスターと対峙する。ツバサがモンスターを捕捉すると斧を振るった。
第五クラス斧技――パワーストライク――
斧が地面に着地すると、けたたましい音と衝撃が発生した。衝撃波に飲み込まれた全てのモンスターが一撃で消え失せた。
「ツバサさん、すごいっ!」
トウカが感嘆の声を上げる。同じ前衛であるトウカからすれば、うらやましくなるほどの強さなのであろう。
ショウも負けてはいなかった。迫り来るモンスターを斬撃により倒している。
「おい、トウカ。一体後ろに抜けるぞ」
「分かったわ」
トウカも炎の剣を構える。他の二人の様に一撃で倒すことは出来ないが、素早く次の斬撃を繰り出す。
「えいっ!」
トウカが敵に止めを刺した。
群がる敵を一行は、撃破しつつ前進した。戦力的にいえば、申し分ないほどの強さだ。
「よし、そのまま進むぞ」
ショウが皆に声を掛ける。戦意は高まる。いざボスの元へ。