25話 第四章 第二節 調査
ショウ、トウカ、ミサキの3人は1つ目の殺人現場に到着した。雲の地面が広がるだけで何もない。
「あんた、何もないじゃない?」
「そうね、何もないね。ショウ君? ここで間違いないの?」
ミサキが疑いの目でショウを見た。
「ログを見ると間違いないし、ここには来たことがある」
「じゃあ、間違いなさそうね」
ログの精度に関しては運営のミサキが一番よく知っている。ショウが信じられなくともログという証拠がある。ここで戦闘が合ったのは間違いない。そして、ショウは何も無いのを確認すると、マップに捜索済みのマークを記載した。捜索ポイントはたくさんある。重複しないための工夫をする。
「まぁ、全部で13箇所もあるんだから、どこかに何かあるんじゃないか?」
ショウがそう言うと、トウカが蔑視の眼差しを向けた。
「ホントに13人も倒したわけ? 鬼畜ね」
ショウの評価は変態から鬼畜に悪者としての昇格を果たしたようだ。
「そういうな、PKなんて、初めてだぞ」
ショウは嘘を付いた。初めてのPKがここまで手際がいいはずが無い。以前、ツバサの所属していたギルをPKで壊滅させたことは内緒にしていた。
「初めてなんて、信じられないわ」
トウカは疑問に思っていたようだが、それ以上聞かれなかったことにショウは安堵する。そして、ショウは、話しを逸し次のポイントを告げた。
「次のポイントはあそこの建物の中だ。行こうか」
ショウは次の目的地を指で示した。一行が足を進めた。
次のポイントも先ほどと同様で何も無かった。
「うーん、ここにも何も無いようね」
ミサキが何も無いことに確認して言った。
「そうね」
トウカとミサキが向かい合い同意した。
「じゃあ、次のポイントに行くぞ」
回るポイントはたくさんあった。全部で13箇所。次へ次へと進まなければ、日が暮れてしまう。ショウ達は足早に次のポイントを目指した。