23話 第三章 第十三節 移動
そして3人は第一サーバーのゲートに到着した。ミサキがトウカにゲートの使い方を説明している。トウカはレベルが低くく、上位のサーバーに移動したことが出来ない。口ぶりからするの初心者用の第五サーバーにも行ったことはないようだ。
「トウカちゃん、そこの門番のNPCに話しをして、天空界へ移動をお願いするのよ。分かった?」
トウカが頷く。そこにショウが口を出した。
「てか、移動できるのは天空界だけだろ? 第二サーバー、氷の国も第三サーバー、火の国も行けなかったぞ。行けない理由って何かあるのか?」
「うーん。たぶんだけどね。向こう側の門番NPCがレベル40を超えていて行動不能になってるんだと思うよ。そもそも、ショウ君のレベル40だし、レベル制限に引っかかるよね」
ミサキがそう答えると、ショウは納得した。
「確かにそうだな。運営ってよく知ってるんだな」
「まぁ、私はこの世界の神みたいなものだからね」
ミサキはこの世界の創造者である神の如く、自信満々に答えた。運営がこの世界を創生した。創造者である神で、あながち間違いでは無い。
「神ミサキって呼んでくれてもいいよ」
「死んだら祭ってやるよ」
ショウは皮肉を込めてミサキに言った。
「そんなこと言うなら、死神になるよ」
「いや、冗談だ」
ショウは諦めた。神には勝てない。どうせ味方に選ぶのなら邪神より善神。そのほうかいい。
「じゃあ、トウカちゃん準備はいい? 移動するよ」
「準備OK。天空界を選ぶわ」
「オレが先に行く。何かあると行けないからな」
「そうだね。じゃあ、先頭を頼むよ」
ショウは門番のNPCに話し掛け、天空界へ移動を希望した。すると門番のNPCがゲートを開いた。門の中には白い光が広がっている。
「じゃあ、向こうで」
そうショウが告げると、トウカとミサキが頷く。そしてショウは門を潜り天空界へと移動を始めた。