表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

136/257

135話 第二章 第四節 メイド長への説明

「で、オレはここに居ていいのか?」


 女子トークの中に居場所が見つからないショウは、この場から離れたく発言した。


「じゃあ、どこに行くって言うのよ?」


 トウカが質問する。行く当てなど考えていない。しかし、その場から離れたいと思ったショウはとりあえず行き先を言ってみた。


「地下牢でも行ってこようかな」


 ショウにとって城で行った事があるのは地下牢くらいなものだ。それ以外のところに勝手にいける訳もなく行くことが可能な場所を告げた。


「あんた、昨日の子にまた会いに行くつもりなの?」

「まぁ、そうだな」

「もう、今はあたしの心配をしなさいよねっ! このままじゃ、外も歩けないんだから」

「あぁ、悪かったな。 トウカの問題を先に解決しないといけないな」

「じゃあ、メイド長が来るまであんたは待機よ」

「トウカ、お前はどっかに行くのか?」

「行かないわよ。あんたを一人にすると心配だから」

「別に迷子になんかならないぞ」

「違うわよ。虫がつくのが心配なだけよっ!」

「何だよ、虫って? 城にはそんなに虫が湧くのか?」

「違うわよ、もうっ!」


 ショウは虫が付くの意味を理解していなかった。トウカ自身も虫の使い方を間違えている。良い女には虫が付くが、男には付かない。


「あらあら、何の騒ぎですか?」

「あっ、メイド長」


 ショウの後ろのドアからメイド長が入ってきたのだ。それに気が付くとトウカが声を発した。


「トウカさん、どうされたんですか? お呼びになったと聞きましたよ」

「そうなの、お願いがあるんです……」

「じゃあ、奥でお話しを聞くといたしましょう。そちらの方はどなたですか」


 メイド長はショウの方を向いて言った。


「あれは、ショウ。友達みたいなものです」


 トウカは友達みたいなものとはぐらかしてはいたが、メイド長の眼がキラリと光る。


「そうですか? トウカさんが男の方を連れてくるんで、何かと思いまして。寿退社ことぶきたいしゃかと」

「寿退社なんてっ! 違うわ」


 トウカは全力で否定した。顔が赤いところを見ると満更まんざらでもなさそうだ。


「重要なお話しがあるといわれたので、てっきり寿退社かと思いまして。では重要な話しとはどのようなことですか?」

「あのね、あたし、今日の新聞に載っちゃったの。城を襲撃しゅうげきした犯人のようなことが記事で書かれちゃって……」

「そうなのですか? 少し詳しく聞かせていただきましょう」


 メイド長はトウカの話に耳を傾けた。なぜ襲撃犯扱いをされているのか。どこの新聞社に書かれたのか。どうしたらいいのか。トウカの訴えにうなずいている。


「トウカさんは城を守った立役者たてやくしゃなんですからね。面白おもしろ、おかしく記事にされたんでしょうね。訂正記事ていせいきじを求めに行きましょう」


 メイド長はトウカの説明に納得したようで、誤りを訂正させようとに賛同した。


「トウカ、良かったな。メイド長が協力してくれるんだろ」


 後ろで聞いていたショウも流れがつかめた。これから新聞社に訂正記事を書かせるということだ。


「そうね。上手くいくと良いんだけど」


 トウカは、上手くいくことを祈っているようだ。


「では、お二人さん方、新聞社に向かいましょう」


 メイド長の言葉にショウとトウカは頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ