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123話 第一章 第二節 ロビー

 宿屋のロビー、宿泊者のためにちょっとした空間が設〈もう〉けられている。端〈はじ〉には屈強な戦士の石像。真ん中にはソファーが何脚も据〈す〉えられていた。この戦士の石像はレベルオーバーのため石化したものだ。偽装マントさえ掛ければ元の姿を取り戻すのだろう。しかし、素性すじょうの知れない石造をよみがえらすのは危険だと判断したミサキは町にある多くの石像を放置していた。


 そんなロビーに到着したショウの目には、ソファーに腰掛ける、金髪美女の後ろ姿が目に映った。後ろから見れば美人そのものだ。前からみても口さえ開かなければかなりの美人の類いだ。残念美人なミサキ。


「待たせたな」

「遅かったわね」


 ミサキが新聞を畳みながら苦言を言った。


「これでも急いだんだけどな」


 ショウの着替えは決して遅いわけではない。シャワーを浴びる時間ですら削ったほどだ。おかげで寝癖が直せず、アホ毛がピロンとしている。今日も剣士と行動をするショウは、漆黒の鎧に漆黒のマント。背中には大剣を携えている。


「お出かけですか? いってらっしゃいませ」


 コンシェルジュの男性が声を掛けた。


「今日は女の人じゃないんだな?」

「ええ、今日からは、また、しばらく私が勤めさせていただきます」


 昨日まで(・・・・)フロントが女性(・・・・・・・)だったのをショウは思い出した。


「ショウ君? 宿屋の子にまで手を出す気だったの?」

「そんなんじゃねーよ」


 ショウは全力で否定した。


「そう? 折角だから手を出しちゃいなさいよ。その方が面白いでしょ?」

「面白がるのは、お前だけだ」

「お客さん、よろしければ紹介いたしますよ」


 コンシェルジュの男性も乗る気のようだ。


「いや、いい。構わないでくれ……」


 ショウは溜息混じりに言うのだった。


「じゃあ、出発よ」


 ミサキの掛け声でショウとミサキは監獄のある城へと出発したのであった。

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