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0話 プロローグ 第零節 創造

 少年が鬱蒼うっそうしげる草原にうつ伏せで倒れていた。裸の少年は行き倒れなのか、呼吸どころか心臓の鼓動一つ感じられない。


 風が吹けば草木が揺れ、少年の黒い髪も揺らした。


 どれくらいの時間がたっただろう。少年の元に白く光を放つ人影が現れた。まるで神のような()で立ちをしている。胸や腰の丸みを見れば女に見える。仮に彼女を神としよう。いや、女神と言うべきか。


 女神が手を少年にかざす。女神の手から放たれた二重螺旋にじゅうらせんで出来たアルファベットの羅列られつが少年へと流れ込む。まるでDNAの配列を模している。すると少年が息を始めた。


 またしても女神が手を翳す。同じように二重螺旋のアルファベットコードが少年に流れ込んだ。すると、少年の目が開く。そして少年がうつ伏せのまま口を開いた。


「君は誰だ」

「私はこの世界の創造主」


 少年は本物の神に出会ったようだ。


「ここはどこだ……。オ、オレは誰だ?」

「あなたはショウ」


 女神がまたしても手を翳す。二重螺旋のアルファベットが少年に流れ込む。


「そうだ、オレはショウ……」


 少年が自分の名前を思い出したかのように呟いた。


「あなたはこの世界を守るファイアーウォール」

「ファイアーウォール?」


 少年が疑問符を浮かべた。しかし、女神は手を翳すことはなかった。


「この世界を守るあなたには、特別な優しさが必要」

「特別な優しさ?」


 女神が手を翳す。二重螺旋にじゅうらせんのアルファベットの羅列られつが少年に流れ込む。先程までとは比べ物にならないアルファベットの量に少年が頭を抱え怯える。


「まだ情報量が足りない」


 女神がつぶやくと空いていたもう片方の手も少年に翳した。両手から二重螺旋のアルファベットの羅列が放たれた。


「や……、やめてくれ……」


 少年が電撃を受けたかのように痙攣けいれんを始めた。


「もう少し」


 女神が呟く。すると遠くでドカンっと破裂音が響く。そして辺りは真っ暗になった。


――そして一年ほどの年月を経て、物語が動き出す――

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