5つの依頼
ちょっと短めです。
時はさかのぼり午前8時
「やっぱりイシカのご飯はおいしいなぁ」
「今日はゆきひなも手伝ってくれたんだぞ」
「へぇ、ゆきひなも料理上手いんだ」
「ほとんどイシカがやってたよ」
僕が言うと二人は嬉しそうに話した。
今広間にいるのは僕とイシカ、ゆきひな、ふれいむだ。ふれいむは昼まで寝るつもりだったらしいが寝つけなかったみたいだ。
「ところで依頼が5つほど入ってるんだが」
「5つ!?多くないか?」
ふれいむが驚いて声を上げる。
「昨日のうちに誰も帰ってこなかったからな…たまってるんだよ」
そういいながらイシカは机の上に手紙を5枚並べた。
「今寝てるあいつらは置いていくぞ」
「なんで?」
「マカイとリーフはまず出てこないだろ。ヤマトは疲れてるだろうし…カズは起こしても起きない」
「そういえば…そうだな」
納得するふれいむと僕。ゆきひなはあきれたかおだ。
「けど、人数があわないぞ?」
「それはご心配なく。たぶんもうそろそろ…帰ってくるだろうからね」
そういってイシカはスマホを手に笑う。
「ただいまー!」
「噂をすれば…」
声が聞こえた玄関の方を見てみるとそこにはクロトがいた。
「クロト!」
思わず叫ぶ。
「やぁ、クロト。おかえり」
「もぉ、いきなり呼び出すんだもん。任務を切り上げて戻ってこいなんて」
「そこまでするか?」
「別に大した任務でもなかったからな」
「…やっと5人だよ?ゆきひなもいるし」
「このうち二つの依頼はすでに違う団員に頼んだ。残りの3つをspadeとゆきひな、ふれいむとクロト、俺で受ける」
そういってイシカは僕とふれいむに紙を渡す。
「イシカは一人でいいのか?」
僕がそういうとイシカはニヤッとした。
「俺をだれだと思ってるんだ?大丈夫だよ」
「だよな。さすが団長」
ふれいむが楽しそうに笑う。
「じゃあ、作戦開始だな」
そうして僕たちはそれぞれ任務を果たすべく出かけた。
しかし、これがイシカとの最後の会話になるとはあの時の僕は思いもしなかったんだ。