任務完了
体に来る衝撃に身構える。
しかし、その衝撃はいつまでたってもこなかった。不思議に思い目を開けてみるとそこには鉄パイプを片手で受け止めている女性が立っていた。その女性は良く見てみると捕まっていた女性だった。
「女の子に鉄パイプを振り上げるってのはないんじゃない?」
そういうと女性は相手のみぞおちめがけて蹴りを入れた。「ぐふっ」といううめき声をあげ男は倒れた。
「危なかったね。大丈夫?新人さん。あ、僕はspade。」
そういって女は私に手を差し伸べてくる。しかし、私は混乱でその手をすぐに握り返すことができなかった。
しかし、はっとして握り返すと私を引っ張り立たせてくれた。
「さーてと、逃げますか」
「え?」
「ん?ここにいたら危ないし、イシカとカズもすでに脱出してるだろうね」
「カ…ズ?」
「とにかく行くよ」
そういってspadeは私の腕をつかむとそのまま走り出した。
「うわっ…」
そしてそのまま工場を出るとそこには車に乗ったイシカともう一人おそらくカズであろう人物がのっていた。
「二人とも無事だな。よし行くぞ」
イシカがそういうと猛スピードで車を走らせる。しかし、夜という事もあり視界は暗い。
後ろを振り向いてみると追手の気配ない。諦めたんだろうか?
「助かったよ。イシカ」
「まったく…帰ってどうなるか知らないぞ?」
「大丈夫だよ」
「驚きましたよ。見回りから帰ってみたら捕まってるんですから」
イシカの横から先ほどの男性が顔をのぞかせる。そういえばこの人もspadeの横の方にいたような記憶が。
「そういえばこの人は?」
「ああ、新人のゆきひなだ」
「よろしくお願いします」
正式に入団した覚えはないが。
「オレはカズ。よろしく」
「へぇ。ゆきひなかぁ…改めてよろしく。あ、それと敬語はいらないからね」
「あー、俺も」
「オレもいいですよ。まあ、オレの敬語は治りそうにないですけど」
「は…じゃなくて、うん!」
まあ、なんだか楽しくなりそうだった。
「じゃあ、任務完了…つまり」
「「「お前はもう死んでいる」」」
「!?」
「うっそー☆ごめんごめん冗談だってば」
「新人さんにこれやると面白いんすよ」
「ゆきひな…ぷっくく…顔、固まってるぞ…くくっ」
私がびっくりして固まっていると3人は笑いながらそういった。
「…あ…も、もう!」
「ふふっ…じゃあ改めて」
「「「砂隠し完了」」」
今度はきちんとしたセリフを言った。しかしその言葉はさっきの言葉を聴いた後だというのにとてもいい言葉に思え自然と私も口に出していた。
「砂隠し完了…!」
それから無事にアジトに帰宅。しかし…アジトに入ったとたん待ち構えていたのは…リーフだった。
今、spadeはリーフの前で正座をさせられている。そしてspadeから一通り話を聞いたリーフはゆっくりと口を開いた。
「ようするに…途中めんどくさくなって自分の能力で全滅できるんじゃないかと思いわざとつかまって欺きロープを解いたがよく考えれば全員倒してしまったら目的のものがどこにあるか分からなくなることに気づき、私に電話で助けを求め隙ができたときに欺くを解除し探そうと思った…と、いうことか?」
「そうそう!その通り!…って痛っ!」
spadeがにっこり笑顔でそういった瞬間横にあったイスがspadeの頭上に現れ、落ちた。痛そう…。
「馬鹿か!せっかくカズが潜入してくれてたっていうのに!それと、お前の能力は回数制限があるんだから大事に使え!」
「リーフに言われたくないね!僕に椅子を落とす暇があるなら自分も助けに来てよ!」
「お前のために使う能力はない」
「ひっでー」
「はいはい。ストップ」
二人の言い争いにイシカが入る。
「うっ」
イシカに止められ押し黙るリーフ。
「まあ、目的のものは手に入りましたしね」
そういってカズはSDカードを手に持ってみせる。詳しいことは知らないがこのSDカードを団員の一人が欲しがっていたらしい。何が入っているかはイシカ達も知らない。
「それを欲しがっていた本人は今留守だがな」
「そうなのか?」
「ああ、他の団員も帰ってきてないし任務に手間取っているか、それとも寄り道してるか…」
そういいながらリーフは中央の赤いソファに座る。それに続けて私たちも座り、向かいに左からリーフ、カズ、spade。私の隣にイシカという順番だ。
そういえば帰ってきて着替えたのかイシカの服装が変っている。猫耳付きの緑のパーカーだ。
そういえば、ここの団員は全員パーカーを着ているのだろうか?向に座るリーフは黒いパーカーに青い文字が描かれている。spadeは同じく黒いパーカーで片方の袖だけあげている。カズはオレンジ色のパーカーでジーンズをはいている。何気にオシャレだ…まけた。
そんなことを考えていると玄関の方からガチャと音がした。
また終わり方変なような…