チート(笑)
こんな作者でスイマセン。
「……つまんねぇ」
健一は、タブレット端末で小説を読んでいた。面白いものもある。しかし、チートが多すぎるし、もう世界の人口の半分が異世界転生するんじゃないかってくらいニートが転生されている。だったら俺も転生したい。健一が考えていると、後ろから声がかかった。
「お前、なんてこと考えてやがる」
修一は健一にチョップした。「なにすんだ」健一が首を痛そうにおさえて言うと、修一は思い切り健一を睨みつけた。
「大した文章も書けないくせに何偉そうなこと言ってんだよ」
「いや、それは作者に言えよ」
納得行かなそうに健一は続けた。
「チートってただ強いだけじゃダメだと俺は思う。アンパンマンみたいに元気百倍で何でも解決って飽きるだろ。飽きるよな?」
「いや、健一。チート=アンパンマンというわけでもないだろ」
「一部の小説は『魔力100倍! ニートパンマン!』が出来上がってるぞ。マジで」
修一はまたチョップをした。しかし注意をするはずの本人も半笑いだ。
「や、やめろ」
「レアスキル100倍! なんか知らないけど異世界にいたパンマン!」
「頼むからやめてくれ」
肩を震わす修一に、健一は益々調子に乗った。
「ぼくのかんがえたさいきょーののうりょくは『能力の無効』です」
吹き出した修一は、これ以上作者が嫌われるのを防ぐため、健一を重いパンチで沈めた。
「面白い作品だってあるし、手法として人気が出そうな内容を書くのは間違ってないだろ」
修一が睨みつけると、健一は立ち上がって言った。
「そりゃあ、あるけどさ。別にチート自体を否定してるわけじゃない。でもニートが急に異世界に行ってあんなに社交的で行けるか疑問だし、あんな『世界を救わない』みたいな欲望の塊の」
修一はポケットからガムテープを取り出し、健一のお口をチャックした。
「チャックじゃない。自主規制だ」
修一君。三人称の語りに直接話しかけるのやめてもらえる?
「ぷはっ。苦しかった……。まずいくらチートがあって前の世界が最悪でも俺は親のところに帰りたいとかそういう話の展開的に邪魔としか言いようがない感情が沸き上がってくるんだけど」
「……剥がすなよ。畜生。これ次回があるかどうかすら怪しいぞ」
修一は汗だらっだらで頭を抱えた。
「あ、何か書いて欲しいラノベあるあるみたいなテーマあったら俺たち話し合っちゃうよ」
「健一何言ってんだ!? 書けないくせにあのヘボ作者!」
「次のテーマはツンデレかな」
健一くん。勝手なこと言わないで。
「おい、語り手なのになんで話しかけてんだよ」
あれ? この作品ではありなんじゃなかったのか……。それではまた次回!
特定の小説を思い浮かべて書いてるわけではありませんのでご心配なく。健一君の言っていた事を本気にするかはあなた次第ということで。