1.彼女が押しかけてきた日
短編です。
王道路線まっしぐらですが、その中でも何か新しさが生み出せないか試行錯誤してます。
初めて携帯で書いてみたので、文章構成とか分からなすぎてわあわあなってます。
それでも宜しければ読んでやってください。
どうして私の気持ちが分からないの。
彼女が僕に言い放ったことで、あの日僕らの関係は終わった。
はずだった。
「ねえ、聞いてる?」
彼女がそう言って僕の服を引っ張る。
昔だったら可愛いと思えた仕草も、今じゃ苛々するだけだ。
「…聞いてたよ」
くわえていた煙草を灰皿に押し付けながら呟く。
彼女は煙草が嫌いだから、配慮というやつを少しはしてやろうとか、
この後の展開を知っていたら絶対しなかっただろうに。
「ようは元彼のとこにノコノコ戻って来ちゃってごめんね、ってことだろ?」
「うん」
ここで頷いちゃう馬鹿さ加減とかそういうのが昔は愛しくて、大好きだった。
「…そんで?」
優しい声に聞こえることを祈りつつ、僕は彼女に先を促す。
「あのね、」
彼女は少し言いよどんで俯き、そして何か決心したように勢いよく顔をあげると、
頼みがあるの、
聞いてくれる?
そう、言って。
僕にとっては最悪の頼み事を話し出した。