1話
どこ? なに? なんだか生温かい!?
「・・・・・・クサッ!・・・・・?」
気づけばいつもの通学路の路地裏にいた。そして、辺りは“アカク、紅く、赤黒く”ぶちまけたように染まっていた。そう何かを・・・・
ナニカ?
生温かい?
そう、そこには人であったであろう‘モノ’が乱雑に飛び散っていた。
そうだ、これは私が壊したんだ。だが、なぜ、おれは何も感じない。
よくある、三文小説では吐いたり、殺人による葛藤が起こってしかるべき自己陶酔的な苦悩とやらに苛まれるはずなのに・・・・・
何だろう、この無反応は
何だろう、この既知感は
そうだ、このあとで悲鳴とパトカーのサイレンが聞こえるんだ、
「きゃーーーーっ!!!」
ピーポー、ピーポー、ピーポー
こんな風に・・・・・・
「手をあげろ、膝をつけ・・
「こちら、西脇市合屋町・・・・
・・・聞いているのか!!!」
・・・・応援を頼む。」
その日の午後のワイドショーで16歳の少年による殺人事件が報じられた。