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第10話 キンセンカ

「だって、朝倉さんって、みお先輩とにこいちだったもんね。」




「かわいがってもらえてよかったね。」




ベッドに潜り、


今日言われたことを反芻する、


これで何回目か。




そういわれたときに、とっさに言葉がでてこなかった。


乾いた笑いでやり過ごしたことは伝わっただろうか。


彼女らも悪気があって言ったわけではないと思いたいし、


卒業前に同じ言葉を言われたのなら、


そのポジションを誇りに思っていただろう。




みお先輩がいない日々を、


私は、私として生きている。


でも、それはただの私だった。




みお先輩といない私は、


引っ込み思案で臆病な、


生徒会に入る前の私なんだろう。




関わりづらい、


扱いづらい、


同級生なんだろう。




みんなは、


みお先輩が気に入っている後輩、


ってポジションの私がかわいかったんだろう。




私を介して――




そこで、


考えるのを止めた。


これ以上は、


私から先輩への呪いの言葉になる気がした。




寝れないとわかっていても目をつむる。




親愛なる人に向かう、


名前のないこの感情を、


どう処理すればいいのか、


私は先輩から教わっていない。

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