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 50ccのスーパーカブに乗って、大阪から金沢までツーリングに行ってきました。旅の目的は、霊峰白山への登山。歴史探索の僕の旅は、大体が野宿なのですが、今回に限ってはキャンプ場に泊まりました。

 というわけで、連載物というわけではないのですが、今回は「スーパーカブの野宿じゃない旅」と銘打って、僕の歴史探索の珍道中をお伝えします。

 お盆の休日を利用して、二泊三日で霊峰白山に登ってきました。いつものごとく、足は50ccのスーパーカブ。経路は、大阪を出発した後、京都から鯖街道を走り、敦賀から越前海岸を北上し、福井を西から東へと横断して、金沢県白山市から別当出合登山口にアクセスしました。旅行に要した全走行距離は689km。暑くて長い旅路でした。


 そもそも、なぜ白山に登ったのか? という動機について語ってみたい。僕が登山を始めたのは昨年の9月からでした。山岳信仰を理解するために、先ずは自らが登ってみようと思い立ったわけです。大台ヶ原や大峯山系に秋と冬に何度もアタックしてきました。山に登ったり書籍を読みながら、山岳信仰の源流は縄文時代に遡ると考えるようになります。ただ、長くなるのでその経緯についてはここでは語りません。


 山岳信仰は、役行者によって仏教と習合し大峯山で修験道を生み出しました。修験道ではほら貝を吹いていますが、これは縄文時代から続く海洋民族の海部が関係していると考えます。そうした修験道は、泰澄たいちょうによって西暦717年に白山でも展開されました。そんな白山に今年のGWに登頂してみようと思ったのですが、雪があまりにも多くて白山公園線が封鎖状態のまま。仕方がないので、この時は北アルプスの白馬岳に挑戦することにしました。ただ深い雪の中、とんでもない強風に遭遇し、体力もドンドンと削られ途中でリタイヤ。白馬岳の挑戦は残念な結果になりました。そんなこんなで、一度は登ろうと決めた霊峰白山に、今回、やっと登ってきたわけです。


 標高2,702mの白山御前峰の登頂に向けて、入念な準備を計画しました。ランニングは勿論ですが、それだけでは白馬岳では体力不足が露呈しました。なので本番前の練習として、3週間前に近畿最高峰の標高1915mの八経ヶ岳に登ります。標高こそ2,000mに満たないですが、体力的な難易度はそれほど変わりません。山に登るために山に登るという、まるで登山家のような試みに気を良くしながら当日の朝を迎えました。ところが、スマホを立ち上げると妙なニュースを見つけます。


 ――2025.8.12/白山公園線(白峰風嵐~別当出合)通行止め


 お盆に向けての三連休は日本中で天気が荒れました。北陸など日本海側は強雨が警戒レベルに引き上げられ、土砂災害等が懸念されたのです。GWは積雪で白山公園線が不通でしたが、今回は雨の影響から通行止め。ニュースによれば、道路の状況は石川土木総合事務所まで連絡してください――とあります。しかし、朝の3時から電話は出来ません。


 ――どうしよう?


 不安になりつつも、白山公園線が開通していると信じて出発することにしました。

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