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エルフさん、山菜を堪能する ー第一部ー

「ワラビは葉っぱの方を取って、鍋に放り込んだ上から木灰を振りかけて、湯をお湯をワラビ全体が浸かるとこまでかけて、重石して一日ほっとく。」

「ゼンマイもおんなじ。ただ、その後、干しあげやなあかんから・・・」


 ・・・すぐに食べれないのね・・・


「あとのはすぐに食べれるから。ツクシは頭と袴とらなあかんから面倒やけど、他のは汚れとか鱗片ちょっとついてたらとるぐらいやから。」


 ならいいわ!!


「お前どこ目線なんや?まあええけど。」


・・・・・・・・


「まあ、ツクシは基本の卵とじ・・・は、ディードは無理やから、とりあえず佃煮にしといた。まあ、ご飯のお供って奴や。」


 ほほう、これはこれは・・・うむ!!美味い!!心地よい香りと小気味いい歯ごたえが堪らない!御飯が進む!!・・・ところでどうしてお米作らないの?


「お前何様やねん・・・お米は素人が片手間で作れるようなもんやないから無理。」


 えー?こんなに美味しいのに・・・この味噌汁は何が入ってるの?


「メインってわけやないけど、フキノトウが入ってる。香りと苦さを味わうもんやからそのつもりで。」


 ああ・・・いい香り・・・他に似たものって思いつかないけど、爽やか・・・これが春の香りね!!さてと・・・苦!!うわ苦!!・・・苦いけど、なんかいい・・・なんか口の中がスッキリする。これはこれで・・・


「さて、タラの芽の天ぷらや!!美味しいで。」


 シローが珍しくテンション高い。好物なのかな?どれどれ・・・こっこれは・・・すごく美味しい!!歯ごたえがいい!!ほんの少しのほろ苦さも心地良い!!そして何よりいい香り!!これは・・・これはすごい!!もっと食べたい!!


「あー、でも、今年はこれで終わりかな?タラノキって意外に弱い木で、二回目の新芽を摘まれたら枯れてまうから・・・それに周りの木が大きゅうなってきたら、競争に負ける木やから・・・」


 なるほど、先駆樹種なのかぁ。いつまでもそこにある木じゃないのか、ちょっと残念。


「まあ、もうちょっとしたらコシアブラが出るから、次はそれでええし。」


 なんだ、そういう考え方のできるヒューマンっているんだ。今まで会ったヒューマンは、あったらあるだけ狩り尽くす人ばっかりだったから・・・というか、シローには余裕があるんだろう。なんだか分からないけど、自然に頼らなくても収入を得ている様だし。


「で、これがさっきのツクシの佃煮の瓶詰め。こっちがフキノトウの佃煮の瓶詰め。後、お米は好きなだけ持って行ってええからな?」


 ・・・なんか、私の与り知らないところで、ここを出ていくことになってません?


「いやあ、俺、普通に肉食うし、冬の間の同居で我慢の限界やのに、言い出されへんねやったらかわいそうかなぁって。冬やなかったら外でも大丈夫かもしれんし、その方がええんやったらそうしてええねんで?」


 ・・・・・・う


「う?」


 うわああああああん!!今更野宿なんて無理ですう!!快適な住居がなくなるのは嫌ぁ!!美味しい料理やポテチや煎餅やチョコレートがなくなるのも嫌ぁ!!肉料理を傍で食べてるのなんて気にもしてないんで、何ならタバコ吸ったって気にしないんで、ここで住まわせてくださぁい!!


「・・・ヤバい。ダメ人間作ってもたか・・・」

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