エルフさん、冬場はただの無能と判明する
そんなわけで、シローと同居してるわけだけども・・・仕事はできない、ご飯は作らない、あげくに夜の営みもない・・・これって私、寄生虫ですよね?大変だ、こんな事ではいけない!何かしないといくらシローが優しくても、いずれは追い出されてしまう・・・
「なんや、そんなこと気にせえへんでいいよ?・・・んー、それでも気になるっちゅうんやったら、畑の世話する?」
それだ!!植物は私の友達(自己申告)!!野菜ぐらい簡単に・・・
「えーとな?水は今日はこんなけあげたらいい。肥料は遅効性のをあげてあるし、先週、即効性のをあげたから今週はもうええ。」
「これから日照時間が減っていくから、これは早めに収穫してまお。」
「来週は雨が続くから、これは傷んでまうかもしれん。ちょっと雨よけせなあかん。」
「そこはナスを植えてたから、連作障害が出ると思う。せやから堆肥を漉き込んで、いったんレンゲあたり植えてみて・・・」
すいませんでした!!私一人では無理です!!
「まあ、できることやってくれたらいいから・・・そしたら、干し柿作るの手伝ってくれる?」
ふふふ・・・今度こそ、私が役立つ時!!保存食を作るんですね?まずはカキを採りに行くところから?お任せあれ!・・・あれ?違う木ね?小ぶりで可愛い形だけど、これもカキなの?これ、ものすごい豊産種ね!もうこれだけでいいんじゃない?
ふんふん、皮をむいて、へたを紐でくくってぶら下げて軒下に干すと・・・ある程度干しあがったら、少し切って種を取るけど、暫くはこのままと?
・・・保存食を用意するのは分かるけど、一個ぐらい食べたっていいよね?だってカキだもの!では、いただきまーす!!
うん!!やっぱりカキは甘くておいし・・・ぐはあ!!!
「あー、これ渋柿やから、毒はないけど、渋抜きせんと食えたもんやないで?」
これは・・・ひどい・・・口の中が大変なことに・・・なるほど、あれだけ豊産なのに鳥に見向きもされてなかったのはこういう訳か・・・
「干さんでも、アルコールで抜いたり、完熟まで待ったりしたらいいんやけど、完熟の柔らかいカキは苦手やし、そんなんせんでも甘いカキぎょうさんなってるしなあ。ほれ、昼間っからアレやけどキツいお酒あるから、これで口漱ぎ。」
うわ、すごい火酒・・・すごい、治った!!これさえあれば・・・
「せやからそこまでして食べんでも・・・これキツいのに大丈夫?」
うひゃひゃひゃひゃ、らいひょうふれすよん、わらひがこのれいろのおしゃけれ、ろ~にかなったりしませんよぉ~
「あかんやないかい!!」
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そんなわけで、相変わらずシローと同居してるわけだけども・・・仕事はできない、ご飯は作らない、あげくに夜の営みもない、さらに、実りの秋も終わってしまった・・・これって私、寄生虫ですよね?大変だ、何かしないといくらシローが優しくても、いずれは追い出されてしまう!!でも、秋ですらこのザマな私が冬場なんて・・・ああああああ・・・
「いやだから気にせんでもいいのに・・・そら冬場はなんもでけへんやろ。」