エルフさん、高品質の果物に撃沈する
「あ、衝撃の事実のせいで忘れてた。シローくん、これお見舞いのつもりで買ったお土産。いっぺん果物かご買いたかってん。」
・・・俺、本気で病人扱いされたんか・・・まあ、そらそうか。
「で、ディードさん、シローくんも言うたと思うけど、俺らからしたら、そんな大層な事してないんやし、えらい人でもないから、結婚とかお妾さんとかにならんでもいいねんで?ていうか、シローくん、人嫌いやから、かえって迷惑なんやで?」
ヒロちゃん、剛速球が過ぎる。
「シローくん、僕言うたよな?自分がイケメンハイスペ男って自覚せえって。ちょっとした親切のつもりが相手のクリティカル取ってるかもしれんから、気ぃ付けなあかんって言うたよな?多分またヤッてるで、これ?せやからきっちり言わんと!」
いやだって、異世界人やし!文化違うかもしれへんやん!それにエルフやし!イケメン見慣れてて、なんともないかもしれへんやん!
「いやシロー、衣食住すべて賄ってくれる親切な人に何の恩返しもしない、って何処の文化でも人としてどうかって思うけど?かてて加えて、それが未婚のイケメンなんだから、年頃の未婚女としてどう恩返しするのよって事よね?」
「ほら見ろ、言わんこっちゃない。完全にロックオンされとるやないか!シローくん、ええかげん無差別にチャーム振り撒くの止めやんと・・・ディードさん、こいつは女関係で苦労しまくってるから、そういう方向の恩返しはちょっと・・・いや待て、ちょうどいいのか?えー、ディードさん、シローくんは繊細で人嫌いなとこあるけど、しっかり面倒見たってな?友達の僕からもよろしゅうたのんます!」
いやいや!!これやと困るからヒロちゃん呼んだのに!
「あー、シローくん?山奥に逃げてきたけど、そろそろ熱心で覚悟極まった女が突き止めるかもしれへんで?女に手ぇあげれる?またどっかに逃げる?それより、シローくんを慕う、自分に勝ち目のない超絶美少女が傍におった方が効果あるんやない?しかも自力で身を守れるおまけつきやで?・・・ほんまはあの時、シローくんの醜い取り合いをせえへんかった女が、一人でもおったらよかったんやけど。」
それは分からんでもないけど、入籍とかできひんのに、そんなんこの子にやらすんはちょっと。
「ん?ああそうか!それは難儀やな。健康保険とか子供出来た時とか・・・」
「ちょっと説明したけど私、見た目はヒューマンと差異は少ないから、そういうことはできるけども、交雑はできないわよ?。それに護符があるから、病気や毒で死ぬことはないわよ?」
「・・・シローくん、僕も手伝えることは手伝うから、ディードさん匿って生活したげたら?君にちょうどええ同居人やないかな?食費もそんなにかからなそうやし・・・」
なんで食費に言及するんや・・・
「あああああああ!!!この細長くて曲がった黄色い果物が美味しいぃぃぃぃl!!甘ぁい♡♡♡こんなの初めてぇ♡♡♡はぁああああああああん♡♡♡」
「バナナでこんなけ喜んでんねやったら、大丈夫やない?」
そうかなぁ・・・そうかも・・・