エルフさん、現代日本で同棲する
私ったら破廉恥な・・・男性の家に上がり込んで風呂に入るなど・・・いくらなんでも・・・
「あー、ディードさん説明しとくな?これがシャワー。ここをこっちに捻ったら湯が出るから。」
「これがボディソープ。こうやって押したら一回分出てくるからな。髪の毛もこれで洗えるから。ほんまは専用品があるんやけど、男一人でそんなん用意してないねん。また買うとくから、今日はこれで我慢して。」
「ほんで、体洗ったら湯船に好きなだけ浸かったらええから。疲れもちいとは取れるんちゃうかな?」
「あと服は俺のんしかないから、とりあえずそれ着といて。」
・・・賢者様の厚意を無碍にするのは不躾ですよね?けして風呂に目がくらんだわけでは・・・
うっひょおおおおおお!!!シャワー気持ちいい!!どうやってお湯出してるのかしら?今そんなこと、どうでもいいや!!
おおお!ボディソープいい香り!!・・・水浴びはしてたはずだけど、妙に汚れた水が流れるのは見なかったことにしましょう・・・こんなきれいに泡立つ石鹼見たこと無い・・・すごい高級品なのでは?
それにしても、小さくても個人宅に浴槽があるなんて・・・賢者様、どこぞの御落胤では?おほおおおおおお♡♡♡お風呂気持ちいいのぉ♡♡♡うへぇええええええええ・・・・・・・
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「ああ、美人さんやなぁとは思てたけど、こんなに色の白い美人やったんやなあ。こら、こんな色気のない男物の服やのうて、もっと可愛らしい服買うたらんと。」
いえ、サイズは合ってませんが、着やすくていい服ですが・・・買うって何処へ?
「いや、ふもとの町で。まあ、ユ○クロとかし○むらとかの安いのやから気にせんでも。どうせ下着どうにかせんとあかんのやし、ついでや、ついで。」
え?下着?そんな上品なものを?本当にこの人、御落胤?
「まあ、耳さえ隠しといたら何とかなるやろ。ほな行くで!」
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私はもう駄目だ・・・もう冒険者なんかに戻れない・・・非常に肌触りの良い下着と、質素ながら上質で可愛らしい服を何着も宛がわれてしまった・・・どっかの玉の輿に、勝手に乗せられてしまったようだ・・・
「さて、せっかく街に降りてきたから、なんか食べて帰ってもいいけど、肉はあかんねんな?」
ええ。生物的に駄目です。微量の混入ぐらいなら大丈夫ですが・・・
「んー、裏で野菜ぐらい植えてるけど、二人分は無いしなあ。おいおい考えるとして、今日は何か食べれそうなもん、買うて帰ろか?」
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・・・え?この野菜と果物の種類の多さは何?なんでこんなに大きいの?あと、この白い塊と灰色がかった半透明な塊は何?本当に食べ物?・・・あああああ!!!納豆があるわ納豆!!会いたかったわ納豆!!
「あー・・・俺、苦手やねんけど納豆・・・まあ、こんなけ喜んでるし・・・そや、鰹だしやったらあかんねやろなぁ、昆布だし探さな・・・」