シーズン2 エピソード22: 白銀の山脈の試練を超えて
白銀の山脈の麓にある集落の長老の言葉を思い出しながら、ハノカたちは険しい山道を登り続けていました。
最初の試練を乗り越えたとはいえ、まだまだ頂上までは遠い道のりです。
強風や雪崩の危険と隣り合わせの中、彼らは、白の魔法と、精霊の国で学んだ精霊術を使いこなして、次々と襲い来る自然の猛威を乗り越えていきました。
そんな中、ヴィヴィアンが、突然立ち止まりました。
「…ハノカ、見て! あそこに何かいるわ!」
ヴィヴィアンが指さす方向を見ると、山肌に、うっすらと光る白い影が浮かんでいました。
近づいてみると、それは、白い狼の姿をした精霊でした。
精霊は、ハノカたちをじっと見つめています。
「…どうやら、次の試練が始まったようだ。」
ハノカは、緊張しながらも、冷静に判断しました。
ハノカたちは、精霊術を使い、山から湧き出る水を操ったり、雪を操ったりして、白い狼に攻撃を仕掛けました。
しかし、今回の相手は、最初の試練の白い熊よりもはるかに強力でした。
白い狼は、ハノカたちの攻撃を巧みにかわし、鋭い爪や牙で反撃してきました。
エドワードは、白い狼の爪を受けて、よろめき、ヴィヴィアンは、吹雪の中で足を取られ、転倒してしまいました。
窮地に陥ったハノカでしたが、ふと、メルビンから受け継いだ白の力を思い出し、
「…メルビン! 力を貸してくれ!」
と、心の中で叫びました。
すると、不思議な感覚がハノカを襲いました。
メルビンの声が、頭の中で囁いているような感覚でした。
「…ハノカ、焦るな。精霊の試練は、白の魔法使いとしての資質を試すものだ。暴力で相手を屈服させるのではなく、心で会話しろ。」
メルビンの声がハノカを導くように聞こえました。
ハノカは、メルビンの言葉を胸に、白い狼に対して、攻撃をやめました。
そして、精霊術を使い、周囲の静寂を集め、白い狼に話しかけました。
「…あなたは、なぜ私たちを襲うのですか? 私たちは、白の魔法使いとして、この白銀の山脈の源泉の力を求めてやってきました。悪意はないのです。」
ハノカの心を込めた声が、山々にこだましました。
すると、白い狼は、攻撃の手を緩め、じっとハノカを見つめていました。
そして、ハノカの心の中に、白い狼の気持ちが伝わってきました。
白い狼は、白銀の山脈の源泉の番人であり、簡単にその力に触れることを許したくないのだということでした。
ハノカたちは、白の魔法使いとして、この世界の平和を守るために、源泉の力を必要としていることを、白い狼に丁寧に伝えました。
白い狼は、ハノカたちの誠意を感じ取ったようで、ゆっくりと頷きました。
そして、白い狼は、山肌の中に消えていき、代わりに、山道を登っていく道が開きました。
2度目の試練を乗り越えたハノカたちは、安堵の表情を浮かべました。
しかし、まだ頂上までは、そう遠くない距離がありました。
再び、険しい山道を登り始めたハノカたちを、さらなる試練が待ち受けているのでした。




